シリア情勢 三浦英之＠ビリオメディア取材

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

正午のニュースが耐えられない。シリアの爆発で父親と見られる男性が震える息子を裸にして必死に身体を洗っている映像。神経ガスを洗い流そうとしているらしいが、子どもは震え、最後は心臓マッサージに。地獄という言葉があるならば、現地は地獄以下の場所だと映像が叫ぶ

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

信じられない出来事が今起きている。シリアの毒ガス爆撃。エジプトのテレビは数十体の子どもの遺体を映し出す。なぜこんなに子どもが多いのか。体力がないからか、どこかに集められていたかか。紙おむつを着けた乳児もいる。酸素マスクをつけられ、辛うじて生きている２歳くらいの女の子もいる。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリアの反体制派は千人が死んだと訴えている。まだ増えるとも。誰を恨めばいい、何を憎めばいい。人の命が軽すぎる。権力を握るための為政者のゲームに、いつだって犠牲になるのは幼い笑顔だ。もっと遊びたかっただろう、もっと甘えたかっただろう。私にも娘が２人いて、その２人のことを考えている

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリアの毒ガス爆撃。１３５０人とも言われる死者のうち、半数の６００人以上が子どもである可能性が出てきた。サリンか？　カイロの川上泰徳総局長の記事が辛すぎて読めない。 http://t.co/R6toxv7aEX

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア化学兵器疑惑。シリアのＴＶは政府軍が反体制派の洞窟から化学兵器物質を見つけたと報道しています。反体制派は昨日会見を開き、「攻撃は政府軍の仕業だ」と。情報戦の狭間で、テレビには白くなって死んでいった数百の子どもたちの遺体が。許せない。でもこの怒りを一体どこに向ければいい？

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア化学兵器疑惑。国境なき医師団によると、首都の三つの病院に神経ガスの症状を示す患者３６００人が運び込まれている模様。テレビでは延々と真っ白になって亡くなっていく無数の子どもたちの姿が映し出されている。国際世論が沸騰している。シリア情勢が大きく動きそうな気配を見せている。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア情勢がめまぐるしく動いている。今朝街角でヘラルド紙（ＮＹタイムズ）を買った。一面の写真に言葉を失う。シリアのもう毒ガス攻撃で亡くなった赤ん坊や子どもたちが遺体袋にくるまれている。映像の力を信じたい。自分の非力さを言い訳にして。 http://t.co/dlUTlsIUsz

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリアの化学兵器疑惑。国連調査団が今朝、現場に入った。直後、スナイパーが先頭車両を複数回狙撃。調査団は引き返し、車を変えて再び調査地点に入った。今、犠牲者からサンプルを取ったり、医師から聞き取り調査をしたりしている模様。次から次へとニュースが飛び込み、ニュースルームはバタバタだ。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア化学兵器使用疑惑。国際情勢が目まぐるしく回転している。ＮＹタイムズは米ホワイトハウスで巡航ミサイルを使った攻撃リストが出回っていると報道。化学兵器拠点や軍事施設などが対象だとも。世界中で記者たちが必死に情報を追いかけている。 http://t.co/wxkXlBZuD3

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア内戦。半年前の記事を。個人的な意見。私はどんなことがあっても、新たな殺戮を生み出す欧米の軍事介入を支持しない。その一方で傷つきゆく小さな命をどうすればいいのか。力でしか守れないのか。言葉は無力なのか。 http://t.co/oVkQTVUVzW

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

昨夜、カイロのホテルで米国務長官の会見を見ていた。「忌むべき武器を使った者は責任を負う」。露払いが出てきたなと感じた。米ＣＢＳは「オバマが国連決議なしに軍事介入できる法的根拠の準備を指示した」と報道。「前夜」という言葉がもうふさわしい http://t.co/qUWGgcgwIc

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

外電はシリア危機一色だ。焦点はいつ米国が介入するか。でも正直な所、私はまだ信じている。米国やオバマという人物を。甘いかもしれない。でも一見強欲的に見えるあの国には同じくらい、柔らかな心を持った人たちがいる。９・１１の最中に「イマジン」が響いたりする。信じたい、その僅かな可能性を

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

昨年１年間米国で暮らした。だから彼らの感情が肌感覚で分かる。禁断の兵器が使われ、子どもたちの凄惨な映像が放たれた。彼らは決して許さないのだろう、自由と英雄をこよなく愛する国民だから。強いアメリカと弱い中東。回避の方法はただ一つ。アサド大統領が退陣を決意さえすれば――。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

「開戦前夜」。なんて嫌な気持ちだ。これから無数の人々が死ぬ。軍事産業の人々は潤い、笑うだろう。学者はしたり顔で政府を批判し、メディアはそれを書き立てるだろう。椎名林檎の歌。「あなただってきっとそうさ　当事者を回避している」

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア危機の原稿執筆で夜も眠れず。微かな望みをつなぐ同僚特派員たちの記事が今朝の朝刊に載った。米46%、英50%、仏79%。軍事介入に反対する各国民衆の割合だ。切なる声の力を感じる。辞めろ、殺すな。今、きっと誰もがそう思っている。　http://t.co/egkVtGF23K

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

何が良くて何が悪いかなんて、簡単には分からない。シリアでも、ここエジプトでも。策略や諜報や取引や作戦があり、私たちが真実を知ることができるのは大抵ずっと後のことだ。だからまず忌むべきことは暴力であり、それによって物事を決定できると妄信する人々、そしてその権力に群がる人々だ

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

ここ中東に来てわかったこと。それは武器を取ることがいかに危険な行為かということだ。撃とうとすれば撃たれる。殴ろうとすれば殴られる。武力で解決しようとすれば必ず武力によって覆される。言葉は残された唯一の「手段」。たとえ凶弾に倒れても、正しい言葉は荒野を走り、いつか世界を大きく変える

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

ＮＹの知人からメール。「イマジン」や「Give Peace a Chance」を搔き鳴らし、ボロ車でマンハッタンを駆け回っている。信号で止まると、誰もが祝福してくれるらしい。もうやめようぜ。「I have a dream」。キング牧師から50年の夏にトマホークは似合わない

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

シリア危機。アサド政権は被害を最小に食い止めようと武器や人員を首都から郊外へ搬送し始めた模様。反政権派はその裏でミサイルの標的となっている軍事施設に無数の市民が勾留され、「人間の盾」になっていると訴えている。きれいな戦争なんてどこにもない。あるのは悲しみ、そして憎しみの連鎖だけ

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

声がつながった。英議会は２９日夜、シリア軍事介入への採決を行い、賛成２７２、反対２８５で否決した。キャメロン首相は「政府は従う」。事実上介入を断念した。次は米国。シリア情勢は激流の中にいる。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

英国の判断は正しかったと思う。人道的だけでなく戦略的にも。シリア軍は弱くない。陸22万、空3万、防空4万の総兵力約30万。武器はすでに郊外に移されており、とてもミサイル攻撃だけでは無力化できない。介入は中途半端に混沌を生み出すだけで、やがてこの「泥沼」に関わらざるを得なくなる

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

米国はどうか。英国は「紳士的」に引いた。世界中に「声」や「叫び」が万延している今、オバマにとっては引く方によりメリットがあるのではないか。「声」を無視して突き進むよりも、「声」を従って戦いを辞める。ブッシュになるのか、ケネディになるのか。私は後者であると願いたい。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

夕食を食べながらケリー国務長官の会見を見た。化学兵器を使ったのはアサド政権側。死者1429人。うち426人が子ども。米国はいつどこから化学兵器が発射されたか知っている。政権側は３日前から計画し、ガスマスクまで準備していた。米国ならではの諜報戦だ。これで米国世論は動くのだろうか。

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

例え報告書が事実だとしても、限定的なミサイル攻撃でシリアの何を変えられるだろう。空軍機365機、戦車4950両、装甲車3950両、地対空ミサイル数十基。無力化なんてとてもできない。中途半場な介入は状況をさらに悪化させ、新たな地獄を作り出すだけだと一番理解しているはずなのに

三浦英之　「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

徹底的にやるか、見過ごすか。化学兵器を自国民に使用した悪魔のような人間を私は絶対に許せない。その一方で、なぜだろう。その悪に立ち向かうんだという米国務長官の演説を、私は極度の嫌悪感を持って聞いた。正義の名の下に人が死ぬ。いつもの構図だ。米国は満足し、現地では血と涙だけが流れる