『恋の渦』における「「全然」という返答」考察
ホテルでまだちょっと暇なので『恋の渦』ツイートを再開するが、広島の上映は終わってしまい、しばらく観れずに離れてしまったらそれが失われていくのもまた早いんじゃないかと思うんですね、連日観たこの3日間がまるで夢だったかのように…。それを埋めるためにも今書けるだけ書いときたい
2013-09-21 08:27:01というスラムダンクパロは置いといて、先日ちょっと宣言したとあるフレーズのカウントに挑戦したんですね、トイレに続いて。それは、『恋の渦』における、「全然」という返事!思いついておきながら「これ無理だろう」と突っ込みたいが拾えるだけ拾ってみよう、と
2013-09-21 08:29:57「全然」ってのは「全然そんなことない」の略で、ただ「そんなこと」は何にも適用可能ながらも具体的に何を指すのか名言しなくとも使えちゃうという、曖昧さが良い方向にも悪い方向にも機能する恐ろしいワードだなと、『恋の渦』をみながら気づかされますね
2013-09-21 08:33:46例えばタカシがカオリを部屋に呼ぶ電話。カオリが何を言ったかわからないけどタカシは「良いよ、全然」と言う。お前の部屋じゃねーのにお前が「全然(問題ない)」(と捉えたくなる「全然」)と言えるほどかよ!?と言う、ユウタの心の声が聞こえてくるよね
2013-09-21 08:38:44コウジがナオキに「彼女ほったらかしでまずくなかった?」と聞くと「全然大丈夫」と返し、オサムが「彼女どうだった?」と聞けば「全然、普通に可愛かった」と答える。この辺は大して強い意味を持たせず「全然」の一言で緩い同調の保持に努めてる印象。無難な返事。食事の約束も緩くOK出してるよね
2013-09-21 08:44:15「全然」は「全然全然」「全然全然全然全然」と重ねることも出来る。「無駄無駄」「じぇじぇじぇ」に通じる語感の良さ。間に「いやいや」「そんなことないです」「大丈夫」などコンボを繋ぎやすいワードも挟める。で、コンボで膨らませやすいってことは、そんだけ意味も虚ろになりがちってことでもある
2013-09-21 08:48:23下手したら愛想やノリだけでも使ってしまう。オサムの部屋で「ごめんなさい汚なくて」と先手を打たれたら、後手のユウコは「いえ全然」ととりあえず言うしかない。言いながらじわじわと汚なすぎる部屋が見えてきて自分の発言が後から嘘になって行く。求められてもない即答になるのも「全然」の危うさ!
2013-09-21 08:52:08『恋の渦』に限らずだけど「自分は怒っている」と認識されるのを忌避する心情ってあるよね。まるで怒ること自体が逆ギレと同レベルなくらい恥ずかしいこととでも思われそうで嫌がってるというか。「キレてねぇよ」もそう。これは友人や恋人同士という関係性を失うのが怖いという心理かも知れない
2013-09-21 08:57:42なので、怒っているにも関わらず、相手がひとまずの謝意を示したら、それだけで「別に良いけど、全然」と返して怒りの矛を収めざるを得ない「全然」ケースもある。でも本当はまだ怒ってる。許してない。トモコは素直だからコウジの「全然」で毎回ほっとして、そんでまた怒られるっていうね…
2013-09-21 09:01:45「全然」の曖昧さ故にコウジに振り回されたトモコだったが、コウジ「何かごめん今まで気づけなくて」トモコ「ううん、全然全然!」と、別れ話に使われる「全然」は関係性を絶とうとしてる厳しさを和らげもするしそれがまたコウジにとっては鈍い痛みがゆっくりと伝わってくるようでもあり、残酷ですわよ
2013-09-21 09:09:21あ、修羅場はないって書いたけどトモコの新しい男が来てるとこはコウジVS男だ。異種格闘技戦で対話という自分のフィールドに持ってった「男」の圧勝だけどw あれはナオキVS妊婦サトミの名人戦とはまた別の名勝負。スターバックスをスタバと略さない「男」には、コウジでなくとも少しは怯むかとw
2013-09-21 09:15:18ちと逸れたが、「全然」はカウントこそちょっとグダグダんなっちゃって数はもう諦めたけど、使いどころを気にして観てるだけですげー面白かったです。一見バカバカしいけど、「トイレに行くシーンの多さ」「全然っていう返事の多さ」は、『恋の渦』的世界・展開の軸のひとつですね、間違いなく!
2013-09-21 09:19:16