8/9 #同題ssBSR まとめ お題「金魚鉢」
8/9~8/12(22:00) 今回のお題は『金魚鉢』 提案者はクロさんです。ありがとうございます。 #同題ssBSR
2013-08-09 22:00:21【毛利/金魚鉢】この高層ビルの窓は開かない仕組みだ。高窓から差込む陽の光は温度を伝えない(…まるで水槽の中の魚のようよな)冷たい空調の中にいると余計にそう思う。我は黒い鮒。そして、「よう、毛利」廊下の向こうからヒラヒラと泳いできた奴は差し詰め金魚か。ゆるく笑う。 #同題ssBSR
2013-08-09 22:21:21(小太+官)金魚鉢に熱視線。無表情でもそわそわと落ち着かない指が好奇心を隠しきれていない。硝子越しの赤い尾鰭がひらりと揺れる度に小さな溜息が漏れる。夢中になってる姿を微笑ましく見守っていた官兵衛だったが次の瞬間、金魚を鷲掴んだ小太郎に叫び声を上げた。/金魚鉢 #同題ssBSR
2013-08-09 22:37:03【金魚鉢/真田主従】申し訳御座りませぬ大谷様。武田軍は質実剛健が旨で(モノ壊してばっかで金なかったとか言えねえし)うちの旦那…いえ幸村様も観賞用に魚を飼うことをご存じなく、金魚鉢も生簀の一種だと…、だからと言うて喰う奴があるか?ご尤も。(ほんと恨むぜ旦那…) #同題ssBSR
2013-08-09 23:32:02【現:豊臣トリオ】水で満たされ、人は呼吸すら出来ない中での赤白黒の魚達に過去の奴等が重なった。「官兵衛!」「相変わらずノロマよ、ノロマ」背後からの言葉を流して視線を外す。あの時、硝子の箱庭は割れちまったが、小生等は魚と違いこうして今、息が出来ている。【金魚鉢】#同題ssBSR
2013-08-10 01:39:27【幸市】ごぽり。今日も今日とて夢を見る。空気を欲して口を開けば、泡が零れる水の中。「息が続かないでしょ…?苦しくない…?」吐息の声に我に帰る。眼前の姫君に己の悪夢を話しただろうか…否。「水底の夢を見透かされたなんて。大将、紅い金魚にでもなっちゃったの?」/金魚鉢 #同題ssBSR
2013-08-10 13:20:45【市】「綺麗な金魚」水の中の美しい赤色は、ふわりふわりと漂い続ける。虚ろな目で眺める彼女に憐憫の情を向ける者はいない。餌を与えられ、生かされ、彷徨うそれは、まさに彼女そのものである。「そうね、あなたもこのまま死んでいくのね」鉢を砕く術を彼女は知らない。/金魚鉢 #同題ssBSR
2013-08-10 13:52:14【幸←佐】「美しいな」慰みに与えた小魚を主は気に入り、鉢を覗く度に揺れる鉢巻が尾鰭のようだ。「……窮屈ではないのだろうか」「旦那、金魚ってのは放すと数代で黒い鮒に先祖返りするんだ」だから可愛がって貰うには囲われるしかないの。飲み込む言葉はまるで硝子の器。/金魚鉢 #同題ssBSR
2013-08-11 13:35:43【慶+秀】「この器は?」「底が浅い」「じゃあこの一輪差しはどうだい」「駄目だ、口が細すぎる」「えーっとじゃあ」ふざけて割った鉢の代用品が見つかるまで、まつの大切な金魚は僅かな水と共に、隙間なく二つ重ねた大きな優しい掌の中。「急げ慶次」「わかってるよ!」<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-12 19:34:15【烏城】「行きましょうか、きんぎょさん」「え?」「……」「天海さま、今噛ん」「噛んでません」「え、でも噛」「いいえ、噛んでません!」――なんか可愛くてついニヤニヤしたのがバレて、朝起きたらぼくの鍋に水はられてて金魚が泳いでるっていう手の込んだ悪戯発生。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-12 20:02:04【顕+いつ】「拙僧の金魚鉢を拝ませてやろう」機嫌よく言われ広口の鉢を上から覗くと、水はなく魚の影もなく、ただ小判が一枚。「おととはいねえだか?」「腹に入らぬ魚を愛でても何れ死なれるだけよ。飼うなら、死ぬことなく泳ぎ天下を巡り続ける本物の金に限るわい!」<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-12 20:26:52【松+風】青い染付で唐草模様を描いた白磁の鉢の中を褐色の魚が泳いでいる。その尾鰭や胸鰭は奇妙に長く、魚が泳ぐのに合わせてゆらゆらとたなびいた。「奥州の深山に隠された名も無き魚だよ」誰も姿を知らぬならいないも同じ。「共感しないかね?」男が口の端を上げた。/金魚鉢 #同題ssBSR
2013-08-12 22:21:42【光濃】「埋めておいて頂戴」幼い時に飼ったものは確かもっとずっと長く生きていたのに。主が懐紙に包まれ運ばれた後、残った器には翌日よく似た姿の新しい主がいた。「明智様が」と侍女が名を出した時、漸く全て解った気がした。「……お前が私にそう思わせていたのね」<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-12 22:33:58【松永】縁を波打たせて色を付けた美しい硝子細工。沈めた石は色とりどり、不透明も透明も、満たした水の揺らめきの底にきらめいている。そこに泳がせるべき紅い魚は居ない。「未だ、ね。」男の手のひらから新たな石がことりと落ちた。相応しい魚を待つ、鉢は未完である。(金魚鉢)#同題ssBSR
2013-08-12 22:36:37【今+竹】犬を飼いたいと駄々をこねるやんちゃ盛りを宥め、噛みつかぬ金魚にするよう説得し鉢を並べて見せた。「そなたの好きな色の魚を選んでよいぞよ」促すと神妙な様子で見比べていたが、程なく顔を上げて叫んだ。「義元様、鉢が派手過ぎて金魚が全く目立たねッ」<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:21:40【孫×市】腹を見せてぷかりと浮かぶ、安っぽい赤。市が縁日で掬った金魚。鉢に移す時、執拗にその身を撫でてやった。縁日の弱った金魚なぞ、そうしてやればすぐに死ぬ。何も知らぬ市が啜り泣く。闇から掬って救って巣くわれて、我等はすっかりおかしくなってしまった。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:24:04【孫×市】腹を見せてぷかりと浮かぶ、安っぽい赤。市が縁日で掬った金魚。鉢に移す時、執拗にその身を撫でてやった。縁日の弱った金魚なぞ、そうしてやればすぐに死ぬ。何も知らぬ市が啜り泣く。闇から掬って救って巣くわれて、我等はすっかりおかしくなってしまった。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:24:34【家+政】川面で跳ねる魚を見て家康が口を開いた。「前に金魚を飼ったことがあってな」特に興味もない話題だと思い聞き流そうとした刹那。「育ち過ぎて鉢に体が収まらなくなり、池に放したがまだ生きてるだろうか」「What!?」Petは飼い主に似るにしてもそれは。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:39:00【孫×市】空っぽの金魚鉢。緩やかに波打つ縁を、白い指がつ、となぞる。「市、尾がひらひらした金魚がいいわ」灼熱の真夏の陽の下、指を絡めあい、我等は鉢の主を買い求めにいく。魚だろうがなんだろうが、市が笑えばそれでいい。もう、それほど迄に、愛している。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:51:53【孫×市】空っぽの金魚鉢。緩やかに波打つ縁を、白い指がつ、となぞる。「市、尾がひらひらした金魚がいいわ」灼熱の真夏の陽の下、指を絡めあい、我等は鉢の主を買い求めにいく。魚だろうがなんだろうが、市が笑えばそれでいい。もう、それほど迄に、愛している。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-13 00:52:08【蒼紅/金魚鉢】涼を取る目的で小十郎が用意したのは小振りの金魚鉢。水に満たされた中には水草が一房と赤い金魚が一匹。悠々と泳ぐ姿は愛らしさもあり。だが色がいけないのか、涼しさを感じたのはほんの少しで。代わりに思い出した熱さに恋しくなりながら、指先で硝子をつついた。 #同題ssBSR
2013-08-13 23:02:26【小早川主従】「うわぁ美味しそー!」「…」「小さい鯛が沢山!」「…あの」「ありがとう天海様!大事に食べるね!」「…それは食べ物ではありませんよ」その瞬間のがっかりした顔。それを見たときのこの気持ち、ああきっと、これが人になるという事なのですねぇぇぇ!?<金魚鉢>#同題ssBSR
2013-08-14 20:36:55【松永といつき】其を見せると少女の顔が瞬く間に曇った。「金魚が可哀想だ!!」成程器に対金魚が狭そうに游いでいる。「もっとでっかい鉢あるだか?そっちの方がいいだよ!」その鉢は良いものなのだが、まあいい。金魚を掬い鉢を叩き割る。価値のないものは、いらない。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-16 18:05:00【尼毛】ゆらゆらと硝子鉢の中で泳ぐ二匹の金魚を、ごろりと横になりながら見やる。「俺達みてぇじゃねぇか」横から元就が気だるげな視線を寄越した。「井戸の中の蛙とでも言うか」「いや、砂漠の中の最後の楽園だろ」周囲は砂と魔王の勢力下だが、まだここは心地好い。<金魚鉢> #同題ssBSR
2013-08-16 18:29:24