ホワット・ア・ホリブル・ナイト・トゥ・ハヴ・ア・カラテ #5
岡山県への危険な旅に出ることになっていたエーリアスは、世話になったワザ・スシに置き土産を残すべく、ツキジを訪れた。だが冷凍倉庫地帯に足を踏み入れた際、不運にもINWの手の者に捕獲されてしまったのだ。彼女の帰りが遅い事を案じたユカノは、策を練り、単身潜入を果たしたのである。 25
2013-09-26 01:45:30「イヤーッ!」エーリアスを抱えながら回廊を駆けるドラゴン・ニンジャ!その全身はいつしかニンジャ装束に包まれ、口元はメンポ布で覆われている!「すまねえな……ユカノ=サン。全く情けねえよ。マグロを買いにきて捕まるなんて……。あいつらのテリトリー、ツキジ地上まで広がってるとは…」 24
2013-09-28 22:26:14岡山県への危険な旅に出ることになっていたエーリアスは、世話になったワザ・スシに置き土産を残すべく、ツキジを訪れた。だが冷凍倉庫地帯に足を踏み入れた際、不運にもINWの手の者に捕獲されてしまったのだ。彼女の帰りが遅い事を案じたユカノは、策を練り、単身潜入を果たしたのである。 25
2013-09-28 22:26:21「毒は?」「ああ、丸薬が効いた……」エーリアスは精一杯の笑みを作る。飼育セルで密かに手渡されたもの……それはタケウチウィルス解毒剤が練り込まれた丸薬だったのだ!「ザッケンナコラー!」曲がり角から白衣ヤクザ出現!「キエーッ!」「アバーッ!」「今は逃げる!」ユカノは短く言った! 26
2013-09-28 22:34:49ガゴン!回廊の前方で突如隔壁が閉じる!「クソッ……俺たちの動きがトレスされてるのか?」「イヤーッ!」「ウワーッ!」エーリアスを抱えたままドラゴン・ニンジャは急停止、鋭い後方バック宙を決め、交差路へと戻った!「アバー……」「アバー……」追跡してくるゾンビー・ニンジャの群れ! 27
2013-09-28 22:41:41彼女は一瞬だけエーリアスを降ろす。そして懐からニンジャギアを取り出した。それは高性能バクチクが組み合わされたナリコ・トラップである!回廊を塞ぐように、彼女はトラップの紐を素早く張り渡し終えると、エーリアスを抱え直し、別の道を駆け出した!BOOM!後方でトラップ発動の爆発音! 28
2013-09-28 22:51:12「……やったぜ!」エーリアスは小さくガッツポーズを作る。だがドラゴン・ニンジャの目から険しさは微塵も失われていない。ゾンビー・ニンジャは、知性こそ低いものの、通常のニンジャソウル憑依者を易々と凌駕する恐るべき強敵。あの程度のトラップでは、ほんのわずか足留めするのが限界だ。 29
2013-09-28 22:55:36「もっと!もっとよ!ラヴェジャー=サン!もっともっとゾンビーをー!」メインラボの大型UNIXを操作し、隔壁システムを制御しながらフブキはIRC通信を送った。「さあ出てこい、お前たち!サスマタに突かれたくなけりゃ!明日の餌を食いたけりゃ!」執事は地下牢からゾンビーを解き放つ! 30
2013-09-28 23:06:37「すすめ!すすめ!メインラボ!」「アバー」「アバー」「アバ」「アバ」「アババー」ガシャーン!鉄格子やシャッターが次々開け放たれ、ゾンビーたちはラヴェジャーの命令に盲目的に従う!「ダメだね、僕は行かないぞ」岩牢の奥に残るはブルーブラッド。「ナンデ?」サスマタ構えた執事が問う。 31
2013-09-28 23:14:04「僕はまだ招かれていない。リー先生がここに入っていろと言ったんだ」「INWの一大事ですぞ!それなのに!」ラヴェジャーは困惑する。「お前たち、リー先生に背いたな。僕には解る。あのビッチにはきっと罰が下るんだ!」ブルーブラッドは蒼褪めた顔に笑みを浮かべた。鋭い牙が口元に覗いた。 32
2013-09-28 23:26:52ラヴェジャーは鉄格子を乱暴に閉めると、クラーケンが載せられた拘束ストレッチャーを押し、メインラボへと急ぐ!「アーッハハハハハ!アーッハハハハハハハ!そいつの扱いは気をつけた方がいい!ヒーッヒッヒッヒッヒ!イーッヒヒヒーッ!」ブルーブラッドの狂気じみた高笑いが響いていた。 33
2013-09-28 23:37:42ドラゴン・ニンジャたちは巧みにゾンビーの追っ手をかわし、クローンヤクザを殺戮しながら逃げた。ガオーーン……ガオーーン……飼育セルや無菌ベンチなどが並ぶ広大なハイテク・メインラボに、平安ゴシック様式の鐘の音が鳴り響く!ナムアミダブツ!不吉なるウシミツ・アワーが到来したのだ! 34
2013-09-28 23:54:06無菌ベンチに座り黙々と培養作業を続ける白衣クローンヤクザたち!「イヤーッ!」ドラゴン・ニンジャはその頭を跳び渡りながら、追っ手を回避し続けた!「アバー」「グワーッ!」「アバー」「グワーッ!」後方から押し寄せる異形の群れ!哀れな白衣クローンヤクザたちが次々と餌食にされる! 35
2013-09-29 00:05:02「シュシューッ!」医療用シーツに包まれた肉塊……クラーケンから何本もの触手が伸びた!「イヤーッ!」ドラゴン・ニンジャは装束の一部を切り裂かれながらも、それを紙一重の側宙で回避!「キエーッ!」「ザッケグワーッ!」マシンガン白衣ヤクザをトビゲリ殺し一直線にメインゲートへ向かう! 36
2013-09-29 00:12:03メインゲートへ到達すれば、拝借したカードキーを使い、この悪夢の研究所から脱出が可能だ。その先にはまだ地下迷宮のごときツキジ・ダンジョンが待ち構えてはいるが、この絶望的ゾンビーニンジャ密度からは解放されるだろう。……だが!「アバー」ゲートを塞ぐようにリフリジレイターの巨体が! 37
2013-09-29 00:16:40ナムサン!両手が塞がった状態で勝てる相手ではない!「時間が無い」「足手まといにはなりたくねえ」エーリアスは自分の足で立つ!彼女の手足を拘束していた医療用枷は、先程ドラゴン・ニンジャがカラテで強引に破壊した。エーリアスは今、追加のニンジャ・ピルの力で辛うじて動いている状態だ! 38
2013-09-29 00:23:36ウシミツ・アワーの鐘が鳴る中、ドラゴン・ニンジャはジュー・ジツを構え、目の前のゾンビー・ニンジャに対して短いアイサツを交わす。牽制スリケンを投げ放ってから、瞬時に懐へ駆け込んだ!「イヤーッ!」「アバー」「イヤーッ!」「アバー」「イヤーッ!」「アバー」「イヤーッ!」「アバー」 39
2013-09-29 00:29:29ヒショウ・ドラゴン・ツメ!ダブル・ドラゴン・アゴ!叩き込まれる殺人カラテの奥義!だが動くニンジャ死体であるリフリジレイターには致命打とならない!「アバー」「イヤーッ!」冷気を纏った大腕が彼女を捕まえようと振り回される!アブナイ!僅かでも接触すれば、温度差で張り付いてしまう! 40
2013-09-29 00:35:39「シュシューッ!」さらに後方十数メートルの位置からクラーケンの触手が伸び、エーリアスたちを狙う!「もっと!もっとよ!頑張りなさい!」フブキはクラーケンや後続のゾンビーニンジャに対して、濃縮ゾンビーエキスを注入して回る!非常に危険だが、彼女にとってはチャメシ・インシデントだ! 41
2013-09-29 00:40:12このままでは囲んで棒で叩かれ死ぬ!頭部に狙いを変更し、一撃決着を狙うか?「イヤーッ!イヤーッ!」否!ユカノは当初の狙い通り、カラテ連撃を敵の脚部に集中させ続ける!そして……「キエーッ!」SMAAASH!「ア、バー」リフリジレイターの膝がついに破壊され、巨体がよろめき倒れた! 42
2013-09-29 00:46:33ついに脱出路が!だがその直後!「アイエエエエエエ!」ザンシンを決めるユカノの後方斜め上から突如悲鳴が!エーリアスだ!彼女はクラーケンが伸ばした長いイカめいた触手によって絡めとられ、高々と逆さ吊りにされていたのだ!「アイエーエエエエエエエエ!」 43
2013-09-29 00:50:34「アーン!クラーケン=サン、流石はリー先生の栄えある作品第44号!リー先生、後でビデオをお見せいたしますわ!」「おお、おお!不吉です!ウシミツ・アワー!お戻りください!フブキ=サン!ここはあまりに危険すぎる!あとは私めとゾンビーニンジャで!」執事ラヴェジャーが懇願する! 44
2013-09-29 00:57:22「イヤーッ!イヤーッ!」ドラゴン・ニンジャは連続スリケン投擲とカラテで触手を攻撃するが、超自然的な柔軟性を持つゾンビーイカ触手に対しては有効打とはならない!さりとてクラーケンの本体を叩こうとすれば、ゾンビーニンジャの大群の中へ自ら身を投じることになってしまう……自殺行為だ! 45
2013-09-29 01:08:28