リトバスリレーSS(第一回)
- YuSawamura
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部屋の片付け……?どういうことだろう?あの二木さんの性格を鑑みるに、そもそも彼女の部屋が散らかっているとは思えない。先ほど荷物運びの為部屋に入っているが特別違和感もなかった。クドのときのような部屋移動とも考えにくい。本当に部屋の片付けをしていたのだろうか? #リトバスリレーSS
2013-10-11 23:27:19(二木さんは何かを探していた・・・?でも一体何を?)「どうした理樹?筋肉についての悩みか?」突然目の前に真人が現れた。「うわぁ!?驚かせないでよ!」「随分考えてたみたいだから気になっちまってな。驚かせて悪い。」真人はいつものように心配してくれていた。 #リトバスリレーSS
2013-10-11 23:45:36「真人は大切な物を無くしたらどうする?」疑問をぶつける。「うーん。そうだなぁ・・・俺には筋肉さえあれば十分だぜ!」いやそうじゃなくて・・・。真人に聞いたのが間違いだったのかな?「本当に大切なもんだったら見つかるまで俺は探すぜ。」真人は冗談の後に答えを言った。 #リトバスリレーSS
2013-10-11 23:50:05なるほど...。たまに核心をついたことを言うから真人には驚かされる。「ありがとう、真人。参考にさせてもらうよ」「おう」さて、どうしよう?そう言われると、特段大切な物でもないし興味があったから探してただけだしな...。二木さんのプライバシーもあるだろうし...。#リトバスリレーSS
2013-10-12 00:43:11「結論から言うわ」うわ、すっかり沙耶さんの存在忘れてた…。「彼女、なにか失くし物をしたみたいね」ごめん、そこまではもうわかってるんだ沙耶さん…。「10/13…って何の日だかわかる?」「祝日」「おしい」「体育の日」「違う」「KeyPoints4」「メタ発言自重」#リトバスリレーSS
2013-10-12 13:55:03「明日はなに作ろうかな~」「小毬ちゃん、あたしも手伝う」「誰かにまた紙切れを入れられるかもしれんがな」「入れられる…とは、誰が、どこに、何をでしょう」極めて説明的に僕の前を歩いてゆく小毬さん、鈴、来ヶ谷さんに西園さん。「鈴」呼び止めた。「ミッションスタートだ」#リトバスリレーSS
2013-10-12 13:55:27「俺のちょんまげをしらないか?」僕は謙吾に背を向けて歩き出した。「ちょ、ちょっと待て、理樹!」「……もうまじめにやってよ、謙吾」「いや『捜し物』の前振りについ」僕はため息をつく。謙吾、本当に変わったなぁ。「捜し物に協力して欲しいんだ」謙吾は頷いた。 #リトバスリレーSS
2013-10-12 14:55:37「二木さん」僕が呼び止めると二木さんはあからさまに迷惑そうな顔をした。「何、直枝。ご覧の通り私は忙しいのだけれど」「二木さんの探し物、これでしょう?」僕が差し出した手のひらには、球体の2つついた髪飾り。 #リトバスリレーSS
2013-10-12 15:09:34「そ、それっ」二木さんの顔色が変わる。「段ボールの底にひっかかってたんだ。葉留佳さんと二木さんがお揃いでいつもつけてる髪飾り、二木さんも二つ持ってたんだね。」「……」「これで二木さんも笑顔で明日を迎えられるでしょ?」 #リトバスリレーSS
2013-10-12 15:14:03「ありがとう。」そう告げて二木さんは背を向けた。「でもどうして私がこの髪飾りを探していたことをあなたが知っているの?」僕は答えた。「いつもの二木さんじゃなかったからだよ。知っていた訳じゃないんだ。」二木さんは少し黙った後口を開いた。「そうだったの・・・。」 #リトバスリレーSS
2013-10-12 22:10:30「本当にありがとう。直枝。」二木さんは優しく微笑んでいた。僕はふと思った。ミッションが求めていたのは二木さんの暖かい思い出と彼女自身の笑顔だと。最後に見たのは笑顔だった。そして何か忘れて・・・しばらく僕は眠っていた。体をゆっくり起こすと目の前に恭介がいた。 #リトバスリレーSS
2013-10-12 22:18:04「誕生日おめでとう!葉留佳さん、佳奈多さん!」クラッカーが鳴り響く。葉留佳さんはもちろん、二木さんも心からの笑顔がこぼれる。「ん…?」二木さんの髪飾りが光を反射する。「もしかして二木さん髪飾り失くしてなかったっけ?」「…?失くしてないわよ?」穏やかな微笑み。 #リトバスリレーSS
2013-10-13 22:10:40僕は目覚めた時のことを思い出していた。「よくやったな、理樹」恭介は確かにそう言った気がした。僕が何かをやった…?思い出せない。でも笑顔の二木さんを見たら、もうそれでいいんだと納得した。「さーあ、はるちんがんばっちゃうぞぉ~」葉留佳さんが何かを始めるみたいだ。 #リトバスリレーSS
2013-10-13 22:11:17「新聞紙ブレーーード!!」「痛っ!!」葉留佳さんが新聞紙を丸めたもので叩いてきた。「というわけでチャンバラ大会やるよ!!」「また?」「いやぁ、最近マイブームでしてネ?」そういえば謙吾ともやってたなぁ・・・。#リトバスリレーSS
2013-10-15 09:01:54「ふ〜ん、そういうことだったのね」喧騒から少し離れ、恭介に事の一連を聞くあーちゃん先輩。「全く、相変わらず手回しがいいのね」「いや、今回は俺が仕組んだ訳じゃない」「え?」「こいつに協力してやったのさ」そう言って恭介が片手に掲げたのは……綺麗に焼けたマフィン。 #リトバスリレーSS
2013-10-15 19:41:42「ずいぶんやさしいのね」「当たり前だろ。三枝だって二木だってみんな大切な仲間だからな」「はぁ、その優しさのいくらかでも向けてくれれば……ねぇ」「ん、何か言ったか?」「いーえ、なんでもございません」「……?」 #リトバスリレーSS
2013-10-18 02:10:52鈍感男に背を向けてかなちゃんを見やる。私ではきっと見れなかったであろう笑顔。かなちゃんがあんな表情を見せられるようになって本当によかった。かなちゃん、葉留佳ちゃん、誕生日、おめでとう。 これからも、お幸せに。 #リトバスリレーSS
2013-10-18 02:14:28「先輩と何話してたの?」恭介は語らない。「こんな日がいつまでも続けばいいのにな、理樹」葉留佳さんと二木さんを祝うみんなの輪、見つめる恭介の横顔。思う。この世界にはカミサマなんていない。「バトンは受け取ったよ」見開かれた瞳に。「ああ」清々しい笑みが咲いている。 #リトバスリレーSS
2013-10-18 20:04:21そうして僕は眠りに落ちる。まぶたの裏に水滴が映った。ひとつ、ふたつ…雫は虚空に波紋をつくる。「やはは…こんなにしあわせでいいのかな」声。「楽しかった?」応える音色は優しい。「おめでとう、葉留佳」「ハピバ、かなた」繋いだてのひらの中、四つの球体が光を放っていた。#リトバスリレーSS
2013-10-18 20:04:28