- yurisakura4
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その一年前からおはぎは勉強始めちゃうから会える機会も徐々に減ってて、冬の日に二人でぼーっと過ごしてる時にポツっと俺都会の学校に行くんだ。って言われていちごが慌てていつ?!って聞き返すんだけど、おはぎはいつもの調子で「桜が咲く頃かな」って
2013-10-06 12:53:55桜が咲くのは止められなくてすぐに春が来るんだけど、いちごは色々悩んで結局お互いの距離をあれ以上詰めることはしないままおはぎを送り出すんだとおもう。 送り出す前日に皆のいないところでおはぎの腕にミサンガを巻く。忘れないでと思いながら「これって願い事叶うらしいからさ」って
2013-10-06 12:57:06おはぎも戻るから待っててって言葉を言い逃したままそうなんだねって返事をして都会に出てく。そこからは卒業まで数年会うこともなくて、たまに他愛無いメールを送るくらい。16トリオはたまに会ってそう。モカと抹茶がおはぎのとこに押しかけて無理矢理遊んでくる。
2013-10-06 13:01:41おはぎは宿舎のある学校で勉強しつつ新しい交友関係を広げてて、仲いい人達もできるけどその中でちょっと嫉妬深そうなのに気に入られちゃって猛烈アピールくらったりしてて。面倒くさいからそれとなく流してたんだけど、「いつも、らしくないもの付けてるよね」ミサンガについて突っ込まれて
2013-10-06 13:07:10相手のアピールに気付いていたのにそこばっかりは思わず機嫌よく「大事な子にもらったんだ」なんて返しちゃって相手が静かに目の色変えて「そんな派手な色似合ってないよ」とか返事されて選択肢ミスったなと
2013-10-06 13:15:40それからしばらくして相手に更に距離詰められて付き合ってくださいって言われたのをやんわり断って友達グループの一人のままってスタンスに落ち着いていたのに、後日たまたま皆で宅飲みして遊んでそのまま雑魚寝した夜に逆恨みから寝てる間にミサンガを切られちゃう
2013-10-06 13:19:59目が覚めてそれに気付いたおはぎがちぎれたわけじゃないその切り口にものすごい怒って、犯人てめぇだろ殺すぞくらいの勢いでキレて相手に掴みかかって他の友達に押さえられる。さすがにそこから修復は不可能になって絶縁。多少まとわりつかれるも存在全否定でその内諦めていなくなる。
2013-10-06 13:24:41半年後くらいにその人が別の人と付き合ってるよってな風の噂を耳にするも「名前も聞きたくないすぐにでも殺したい」って突っ伏してヘコむので友達にあの時は何事かと思ったんだぞって笑われる。あれだけ怒ったのはあとにも先にもそれきり
2013-10-06 13:27:41都会に出て疲れるたびにミサンガを見てもうちょっとがんばってみよって思ってたのに、それがなくなった自分の腕を見るたびにちょっとヘコむおはぎ。
2013-10-06 13:29:22そこからまた数年、もういい年になったおはぎが学校出て村に戻ってくる。 村は変わってなくて、でも人の入れ替わりはもちろんあっていなくなった人達もいるけど、和菓子屋のあのあたりは全然変わってなくて抹茶とおちゃは相変わらずの距離だしいちごも元気ないちごのまま
2013-10-06 13:33:26かたやいちごは突然村に戻ってきたおはぎに驚く。もう帰って来ないかもしれないと思っていたのに。 だけどその手にミサンガが無いことに気付いてやっぱりあれは要らなかったかななんてしょぼんとする。都会は色んなものがあるし素敵な人もいるだろうしと何も聞かずに納得する。
2013-10-06 13:37:46おはぎは目立つタイプじゃないけどすごくいいやつだって知ってるのは自分だけだろうなって思っていたけどそれは小さな村の中での話しであって都会に行けばそこに気付く人だってきっとたくさんいるだろうなと、見送った日から覚悟してた。だから何か自分に嬉しくない報告に帰ってきたのかなと思ういちご
2013-10-06 13:41:42案の定その日の夜におはぎから蓬莱のバーに呼び出される。久しぶりにゆっくり話そうよというようなぬるい文面で。
2013-10-06 13:44:05その頃蓬莱のバーではカウンターで元16トリオがいつもの調子で騒いでいる。「もう飲んでいいかなぁ」ってカウンターに突っ伏すおはぎと「バカ飲むな!」「しっかりしろ!」って背中叩いて喚くモカと抹茶。 一連の流れをにこにこして見守ってる蓬莱。 そこに平静を装っていちごがやってくる
2013-10-06 13:52:42ガバッと起き上がって何事もなかったようにするおはぎと、おはぎの後ろに隠れるように立つ抹茶とモカ。いちごは元気よく「久しぶりだな!何やってたんだ?あ、俺ももう酒飲めるから!」って隣座って話しかける。おはぎも「そっか、いちごって甘いのばっかり飲みそうな気がするよ」なんて他愛なく話す
2013-10-06 13:55:52しばらくそんな会話が続いているとモカがおはぎの足を爪先でつついて抹茶が背中を抓る。 おはぎはそれにちょっと頷いて長い間を開けてからいちごに向き直る。
2013-10-06 13:58:38「あのさいちご、俺たくさん勉強してきてね、資格取れたんだ」「…ん?なんの?」 おはぎはまた少し黙って、それから意を決したように顔を上げていちごを見つめて「俺この村で保育園やりたいんだ!いちごと一緒に!」いちごが話が飲み込めずに驚いたままでいると
2013-10-06 14:05:02「だからいちご…っ、俺と付き合ってください!」ってそこまで言うと間髪入れず抹茶とモカがワーワー言いながらおはぎの椅子蹴ってハッとしたおはぎは慌てて「け、結婚を前提に!」って付け足す
2013-10-06 14:07:54いちごは目をパチパチさせて一拍おいてから耳まで真っ赤になっておはぎの方に体を向けて座り直すと言葉もろくに出ないまま大きく頷く。 抹茶とモカが大歓声上げていちごより先にモカが泣き出す。つられて抹茶ももらい泣きしてはぎちごは逆にキョトンとしてから笑い出す。
2013-10-06 14:12:16ちなみに切れたミサンガは別の形でぶら下がってるといい。も一度結ぶ長さはないミサンガを不器用も相まって直せなくて凹みまくるおはぎ、それを見かねた友達がストラップか何かに直してくれてケータイかサイフにぶら下がってるのを後日いちごが発見して経緯を知る
2013-10-06 14:18:23ベリーはおはぎの心意を村を出る前に知ってて、ちゃんとそこまで考えてるならって譲るんだろうなと思う。 おはぎはちゃんと見通しが立つまでいちごに言わないつもりで、待ってるいちごに悪い虫が寄ろうものならそれをそれとなく蹴散らしてやるのはベリーの役目。
2013-10-06 15:22:38