Brothers Conflict

咲優 @krk_kah

梓くんばかり好きなように見せかけたいのか、ほかの兄弟からの連絡をこっそり喜ぶ顔。毎朝鏡でチェックしてる笑顔。本当に辛いとき、甘えたい欲すら塗りつぶして見せる笑顔。「お母さんいらっしゃるって」の一言に跳び上がって慌てる顔。これが朝日奈くん、じゃなくて。椿と結婚して知った新しい顔。

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私の毎日は、パソコンに向かう光さんの背中を見ながら終わる。でも今日は特別。彼は私とベッドの中。だって明日から彼は海外に出るから。「出発4時だから起きなくても「起きます」「言うと思った」出発前、いつもの会話。いつもと違うのは「なら、寝ないで起きてようか？」妖しく微笑む彼がいたこと。

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「そう、ならよかった」と心から安心したような彼の顔は一転、男の顔に。そして「じゃあ次はもう少し遠慮しないでいいね」ぐいっと私を引き寄せて、鎖骨の下にしるしを１つ。驚く私を置き去って「これが消える前に次かなぁ」またいつも通り呑気に笑う彼を、誰よりも男で大人で、好きだと思った。

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自室のカモミールの香りに雅臣さんのにおいが混ざっているのは、なんだか新鮮で、しあわせ。今朝一番に聞いたのはもちろん彼の「おはよう」で、それもまたしあわせで「おはようございます」と返した。「余裕なくてごめんね、体は平気？」もったいないくらいに優しかった、とは言えないから黙って頷く。

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朝日奈家で旅館に宿泊。露天風呂で泳ぎ、珍しい浴衣にはしゃいで、お膳の美味しさに転がり、畳を駆けて、枕を投げる。非日常に舞い上がる私と弥ちゃん。遊びきって布団に転がって「楽しいねおねぇちゃん！いつか、ふたりで来ようね！」ゆるみきった彼の顔を見たら、早く『いつか』にならないかなって。

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雅臣さんに懐くようになってしばらくしたある日。彼は不意に「君って本当にずるいよねぇ」と苦笑した。わけがわからず怪訝な顔をしていると「いつまでも子供のふりして逃げてるつもりなのかなぁってこと」ちらりと男の顔を覗かせて。驚く私に「まぁまだ許してあげようかな」ふわり笑って髪を撫でた。

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「あずさぁ」ベッドの上の彼に飛びつくと「眠いの？」ってくすくす笑う。「眠くないよ」って答えると「大体君が素直に甘えたなときは、眠い時」なんて。まぁ確かに眠いけど。もう少し甘えてたいなぁって思うのに。あぁでも「ほーら、寝るよ？」そんな声に包まれたら…おやすみなさい、また明日。

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眠れない夜『琉生』ってline。でも起きてないか。彼の仕事は体が資本。寝不足は疲れも溜まるし隈もできる。夜更しなんてしない。はずなのに。『なぁに？寝れない？』すぐに来る返事にどきり。幸運に便乗して『うん、寝れない』少し甘えて『なら、おしゃべりしよっか？』画面越し、ふたり夜更し。

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「お前、」驚く棗さんに、なんだか恥ずかしくなってきて「や、やっぱりなし！今のなし！」慌てて立とうとすると、すとん。彼の頭が降りてきて「ありがとな。少し、借りる」って。そっと髪を撫でてると、すぐに聞こえてくる寝息。私も役に立てたかなぁ、彼の重さを感じながらそんなことを考えた。

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棗さんが最近疲れてるみたい。何か力になりたくて、要さんに相談したら『力になろうってより、あいつのことは甘やかしてやって？そうだなぁ…膝枕とか』って。これを鵜呑みにしたわけじゃないけど、そういうのもたまにはありかなって思ったから「棗さん」彼を呼んで膝を軽く叩く。

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とにかく苛苛して「聞いてよ椿！」から始まった愚痴の嵐は止まらない。勢いに任せて、罵詈雑言を吐く。それをしばらく黙って聞いてた彼、急に私を抱きしめて「んーわかった。わかったけど。俺やきもち妬いちゃうから、他のやつの話やめない？」って。そうだね、少し落ち着いて、椿のことだけ考えよ。

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「弥ちゃんお風呂ー！」と言うと、タオルと着替えを抱えて駆けてくる。「危ないから走らないの」と軽く小突くと「早くおねーちゃんに会いたくて！」なんて、小さくても『男』なんだなぁ。でも「今日はひよこさん！」おもちゃを浮かべて遊ぶ姿はまだまだ子供か。「100まで数えるよー！」「はーい！」

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「椿って、妹のこと好きすぎじゃない？」って、確かに妹は可愛いし萌えるけど。それと彼女は話が別だ。彼女はわかってくれてると思ってた。「変だって思った？」素直に頷く。と「私も変だと思う。でもあの子はただのライバルなんだよ私には」拗ねる彼女が可愛くて、沢山キスをした。君は特別だよって。

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なーつめ。そうやって「な」と「つ」の間を伸ばすのは彼女の特徴だ。だから俺も分かった上で「来たか」と振り返る。「お待たせ」「待ってないぞ」「棗はいつもそう言う」「本当のことだからな」「はいはい」このやり取りも昔から。付き合いが長くなる。「当たり前」が増える。それが妙に、嬉しかった。

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キッチン覗いて「えぇー今日オムライスじゃないんですかーぁ？」って文句言いたい。「…この前食べたでしょう」って呆れながら煮物作る右京さん。ぶーって立ち去ろうとすると「…明日のメニューはあなたが決めてもいいですよ」って優しさ見せてくる右京さん。―――「じゃあオムラ「それ以外で」

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不意に昴に「ココア入れて」っておねだり。「は？俺入れ方知らね「袋に書いてある」「袋の場所知らね「そこの戸棚」「…わかったよ」言いくるめられる昴。投げやりにココアの粉取り出したら、蓋が開いて中身ぶちまける昴。「あーぁ」ってジト目で見ると「買ってくる！」って扉思いっきり閉めてく昴。

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琉生とは日向ぼっこ仲間になりたい。ただただぼーっと座って、移動する日向と共に少しずつ移動して。そんな感じで一日過ごしたい。会話がなくても琉生なら平気。んで、忙しい朝は「髪、やってくれてもいいよ」ってシュシュとブラシ渡しながら言いたい。「はいはい、座って？」って笑う琉生天使。

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椿とはどーでもいいことで常に言い争いたい。お菓子勝手に食べたとか、読みたい漫画（侑介の）がないだとか。その中で絶対に譲れないのは梓の取り合い。呆れ顔でため息つく梓を真ん中に据えてぎゃーすかやる。恒例行事すぎて家族全員が（またやってるよ…）ってほっておくような、そんな仲になりたい。

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棗さんには色々たかる。真っ昼間に「ハーゲン食べたい」ってメールしてみたり、遊びに来た時には必ず「チョコちょーだい」って言ってみたり。最初は嫌々なんだけど、段々（あ、あいつに会うのにチョコねぇ）って会う前にコンビニ寄ってくれるようになる、なんだかんだの優しさ。漬け込んでやる。笑

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チョコ食べてたら弥ちゃんが「おねーちゃん！僕にもちょーだい！」って言ってくる。かわいいからあげたいけど、チョコだけは譲れない。だから「これはだーめ。買っておいで」って20円だけあげる。コンビニで20円のチョコひとつだけレジに出して「これください！」って満面の笑みの彼の可愛さな。

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昴には「私もこれから毎日ジョギングするから連れてって！」って言いたい。3日目あたりから早起き出来なくなると、なんかほっとけなくて部屋まで起こしに来てくれる。ようやく走り出しても、すぐ喉乾いたお腹すいたって言って困らせたい。家まで我慢しろと言いつつも休憩をくれる彼はやっぱり優しい。

咲優 @krk_kah

風斗と悪巧み同盟組みたい。いわゆる悪友になる。主な活動内容は侑介をいじめること。騒ぐ侑介を尻目に「あいつばかだねー」「ねー」って半笑いしたい。作戦を立てると称しての放課後カフェデートとか、お互いのお部屋デートが楽しい。たまには作戦を立てる以外のこともしたいな、なんて。

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雅臣さんと結婚の挨拶。尋ねられた結婚の理由を、彼は次のように答えた。「彼女より兄弟を優先すると言ったんです僕。普通、嫌な顔をするでしょ？でも彼女は僕が大切にするなら、私も一番に大切にすると。なら、僕が彼女を一番に大事にしようと。そう思ったんです」大事にして？たくさん、大事にして？

咲優 @krk_kah

梓と結婚の挨拶。今日の梓は、風斗くんの入学式のときと同じ格好（とてもかっこいい）言動もスマートで、パパもママも安心したみたい。どうよ？これがだいすきな、自慢の彼です。――「素敵な人ね？いけめんで落ち着いてて。ママびっくり」「…うん、」「ん？やきもち？大丈夫よ、とったりしないから」

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棗さんと結婚の挨拶に行くと、質問リストを持ってるお父さん。焦って止めようとすると「いいんだ」棗さんの静止が入る。そして「構いません、何でも聞いてください。今日は俺のこと知って、認めてもらうつもりで来ましたので。大事な娘さんの相手がどんなやつか、不安になるのは当然です」と笑って、