Brothers Conflict

咲優 @krk_kah

赤ちゃんができて、ベッドとか揃えて。あとはベビーカーだなって思ってたある日「ただいま」紙の束を手にした彼。「それ何？」「これ？大体揃ったけど、ベビーカーがまだでしょ？２人で選ぼうと思ってカタログ貰ってきた。けど…少し取りすぎたかな」照れる君を見て、梓がパパでこの子は幸せだなって。

咲優 @krk_kah

息子ができたら、椿はもっと子供になった。息子よりうるさく、暴れ、散らかす。だから「いい加減にしなさーい！」まとめてお説教するけど。見るからにへこむ２人を「…あと5分で片付いたら今日はハンバーグ」甘やかしちゃう私。「やったー！早く片すぞ！」子供みたいな椿パパ。子供となかよし椿パパ。

咲優 @krk_kah

ようやく言葉を覚え始めた我が子に「ぱーぱ！」と呼ばれるのはやはり嬉しいらしく、いつになく顔の緩んだ棗さんがかわいい。まぁそんなこと言ったら拗ねてしまうから、今の顔と感想は心にそっとしまっておこう。「しゅっぱーちゅ！」肩車した娘に言われるがまま、今日はどこへ行こうかしら？

咲優 @krk_kah

ようやく生まれた赤ちゃん。産声をBGMに「かわいい女の子です」という看護師さんにほっとする。仕事で遅れるという棗さんの所在を尋ねようとすると、バーンと開く扉。呆気にとられる私達をよそに、彼は娘を見つめて言った。「ありがとな、初めまして」目の端の涙は見なかったことにしてあげる。

咲優 @krk_kah

何度か通ううち、梓の家には一人で行けるようになった。そんな私に梓は「いつでも使って」と合鍵をくれた。体温が移るまでぎゅっと握り締めたそれを差し込む。ドアノブに触れようとすると、その手は空を切った。そして「鍵の音がしたから。待ちきれなくて先に開けちゃった」と笑う彼に抱きしめられて。

咲優 @krk_kah

祈織さんがすきだけど、彼は私のことなんて少しも見てない。少し浮世離れした彼の目線は、目の前じゃなくて、彼だけに見える『彼女』を見てる。その綺麗な思い出に、汚い生身の人間が勝つのはむずかしい。ならせめて、彼の見てる『彼女』が私に重なればいいのに、私が『彼女』になれたらいいのに。

咲優 @krk_kah

「椿の手、好き」なんて絡める指の力を強くしながら言う彼女がいたら、意地悪したくなるもんじゃん？「ふーん、手だけ？」とか言ってみたいじゃん？『…全部』とか聞きたいじゃん！でも彼女は「喧嘩てもなんでも、その場限りで嫌になっても嫌いになるとこはないくらいに好き」って。なんか負けた。

咲優 @krk_kah

昴のプロポーズは。今日3Pが15本入ったら指輪を渡すと決意。15本入る。こんな簡単か、だめだ。次の試合で20本入ったら。20本入る。これもできてしまった、まだだめだ。次…そんなことを続けてって、決めた本数入らなくなったとき。それでも試合を見に来てくれている彼女に、指輪を渡すの。

咲優 @krk_kah

弥ちゃんとふざけてたら、押し倒されたみたいになって。「危ないなぁもう」と起き上がろうとしたら、顔の両脇に彼の手。そして「お姉ちゃん、ぼく、もう」切羽詰まった顔に、歳を忘れてどきりとした。次の瞬間「だめ、ねむい」それを最後の一言に、倒れこんで寝た彼はやっぱりまだ子供なんだなぁって。

咲優 @krk_kah

風斗くんといると俯き加減になる。沢山の視線を独り占めする彼を、独り占めする私。なんか申し訳ない。そんな私に彼は「僕が君を選んだことを、君に恥じられるいわれはないよ。それに今の僕は朝倉風斗じゃなくて、朝日奈風斗。周りの子が見てる『僕』とは違うから。安心してよ」かなわないなぁもう。

咲優 @krk_kah

たくさんの人を、元気にしたいって、美容師になるって、決めて。それから、たくさんの人を、キラキラにしてきたつもり。けど。「琉生おかえり！」彼女だけ。世界で一番、素敵にしたくて、素敵にしたくない。そんな人。まぁ、僕が何をしなくても「うん、ただいま」彼女はいつも、キラキラだけど。

咲優 @krk_kah

「風斗くん痩せた？」なんて、何でばれるんだ。マネだって誤魔化せてるのに。「別に」「そう？ならいいけど。お仕事忙しいから心配で…無理はしないでね」そう言う彼女は自分が原因だなんて、少しも分かってないんだろうね。（あんたの料理以外食べる気しなくなったなんて、絶対言ってやんない）

咲優 @krk_kah

「やぁこんばんは」「こんばんは。で、何してるんです？」「上、見てみなよ」空を指す彼の指先をたどると「わぁ」思ったより沢山の星。星。「夏の大三角も、まだ見えるんですね」「ん、綺麗でしょ？」その問いに「はい！」笑顔で振り向くと「お礼はこれで」って、キス。あぁやられた。でも、いいか。

咲優 @krk_kah

『夜更ししてるの？妹ちゃん』そんなメールが入った３時半。どうしてばれたのかなんて、外を見たらすぐ分かった。玄関先、手を振る彼。『要さんこそ。何してるんですかこんな時間に』大声も出せないから、メールを返す。『んー来ればわかるよ』なんて意地の悪い返事。パーカー羽織って外へするり。

咲優 @krk_kah

「風斗くんにおかえり言いたかったんだ」そう言うと「ばっかじゃないの？そんなことのために？」っ鳴る彼。慌てて宥めると、小さな声で「そんなことのために、心配かけさせないで」少し赤い頬。「んーそうね」手繋いでくれるなら寝てもいい。でもその前に「ただいま、は？」「…ただいま」「おかえり」

咲優 @krk_kah

「寝れない」pc画面を見ていたからか、気になるTVがあったからか。何のせいかは知らないけど、少しも眠れず３時半。明日に響くなぁって思ってたら「また起きてる」って風斗くんが帰宅。「本当懲りないよね、前も隈がーとか言ってたくせに」そんな悪態つく彼を見ていたら、答えがわかった。「私、」

咲優 @krk_kah

例えば、お出かけ前のキス。梓のネクタイを結んだ時、きゅっと締めた彼のネクタイをそっと引いて１回。上着を着せた時、振り向く彼が屈んで１回。他にも、何回か。そして「いってきます」と言う彼に腕をひかれ、スリッパのまま玄関先に降りて１回。『行かないで』が混ざった、いってらっしゃいのキス。

咲優 @krk_kah

「昴はすぐ照れるけど、やる時はやるよね。だから好き」真夜中の勢いで本音を吐く。試合、真っ直ぐな告白、ばればれのサプライズ、色々な思い出が頭に浮かぶ。すると「…よりによって今日んなこと言わなくても」そう呟く真っ赤な彼は小さな箱を私に「結婚してください」…ほら、やっぱりかっこいい。

咲優 @krk_kah

「おねーちゃん、一緒に寝よう？」うさたんを抱っこして、布団を引きずる弥ちゃん。たまには早寝もいいか。「よし寝よ！」そう言った私の頬、他人の体温。驚いたけど「おやすみのちゅー！つっくんが教えてくれた！」そう笑う彼が可愛いから、今日は素敵な夢が見られるかな？（でも椿さんは懲らしめよ）

咲優 @krk_kah

「ねぇねぇ、ポッキーゲームしよー？先に折ったらバツゲームねー？」ストレートな椿。「ポッキー食べない？一緒に」遠まわしに誘って、でも選択権はこちらに残す梓。「食いたい？悪い、これ最後の一本だ。食うか？」まるで煙草の火を移すように、くわえたポッキーを近づける棗。あなたは誰と、する？

咲優 @krk_kah

棗ver「棗さん、私もう勉強なんて嫌です」「お前が辛いなら代わってやりたいのは山々なんだが…勉強ばかりは代わってやれないし、代わっても仕方がないし」「そう、ですよね」「でも」「？」「その他でできることがあったら言ってくれ。何か食べたいとか、マッサージとか。お前の力になりたいんだ」

咲優 @krk_kah

椿ver「つーばーきー」「んー？」「勉強飽きちゃったー」「勉強かぁ…俺も苦手だかんなー偉そうなことは言えねーなー…あーでも、」「？」「俺、苦手だからこそ、勉強頑張ってるお前はすげーと思うんだ！だけど無理もして欲しくない。きつくなったら、俺んとこ来なよ。精一杯、笑わせる！な？」

咲優 @krk_kah

数年前「おねーちゃん！」なんて無邪気にゲームに誘ってきた彼は、どこへ行ったんでしょうか？背も伸びて、声変わりもして、頭から言動やらあの兄弟の全てを引き継いだ彼は『最強』であろう。「お姉ちゃん」呼び方だけはあの時と変わらない、それが「デート、してくれない？」ひどく滑稽に思えた。

咲優 @krk_kah

「どっちも好きに、決まってるじゃないですか。だって光は光でしょ？」思ったことをそのまま言う。彼は軽く笑って「正解」口づけをひとつ。

咲優 @krk_kah

「光さん？」そう声をかけたら、振り返ったのは「あ、光『くん』の方か」「？」「今女装してないから、光『くん』」するとしばらく考え込んでた彼は「光さんと光くん、どっちが好き？」なんて馬鹿みたいなことを。「えっ「どっち？」迫る彼に頭は真っ白になりかけるけど、そんなの決まってる。私は…