よいこ大賞～猫ノベルオンリーお話だけ

おりひか いくお @Orihika

#twnovel 黒猫が目の前を横切ろうとしたので横を向いた。回り込んで来たので更に横を向いた。黒猫は周囲を回り、私も回転を続けたが、切りがないので腹ばいになった。数分後、地面に穴が開いて黒猫が顔を出した。「にゃー」「なんだ、撫でて欲しかったのか」 #twCATnovel

氷砂糖.txt @ice03g

#twCATnovel 犬可愛いよ犬。しっぽ振ってさ。こっち向いて甘えるのさ。吼えるよ「にゃあん」あれ？　首輪に手を伸ばして掻いてあげたらそこから体がほどけていって毛糸になって困った！　慌てて編み直したらどうしてもどうしても元の姿にはならなくて、かぎしっぽ。可愛いさは変わらない。

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 「ご一緒させていただいてもよろしいかしら」目を開け見上げると美しい女性が微笑みかけていた。俺は応えず再び目を閉じる。女性は優雅な身のこなしで隣りに丸くなったがすぐに怒って立ち上がった。「何よ、ジメジメしてて全然居心地よくないじゃないの！」 #twCATnovel

キヨシロウ @kiyoshiro_aoi

#twnovel 「らっしゃい！ あれさっき帰られたんじゃ？」「参ったよ。帰ったらアパートのドアの前にしょぼくれた小汚ねぇ猫が寝ててさ、突ついても起きやしねえんだ」「そりゃ御愁傷様、でもウチにとっちゃ猫様々だ」「でさ大将、帰りに刺身包んでよ」「毎度ありぃ」 #twCATnovel

なないろサイダー @sette_colori

買い物袋を下げて帰宅。だだっと駆け寄ってくる。「おかえりなさい！やや、今日のご飯は魚ですか？魚ですね？うれしいですね～」私の足元をぐるぐる。ごめん、今日はラーメンなんだ。「ちゃんとお留守番してましたからね～。お魚～」もう。全く聞いてない。 #twnovel #twCATnovel

なないろサイダー @sette_colori

お刺身、お寿司、海鮮丼。新鮮な魚介類をたらふく食べて、なんだかとってもいい気分。おいしかったねと言われたので答える。 「にゃー」 冗談だと思って笑う君。あぶないあぶない。秘密がバレるとこだった。 #twnovel #twCATnovel

海野久実（うんのくみ） @marinegumi

黒猫が前を横切ると不運に見舞われると彼女は信じていました。外へ出る時はよく見えるメガネをかけ注意深く辺りを見回しながら歩いたものです。それほど用心していたのにある日黒猫はあっという間に彼女の前を横切りました。横切られてしまったショックから来た心臓麻痺でした。#twCATnovel

たくわん @takuwan_takusan

この炬燵は借りてきた猫である。猫を飼いたいと駄々をこねる娘のために、実家に頼み込んできたのだが。彼女の寵愛に嫌気が差したのか、炬燵に化けるようになってしまった。今は私の膝の上でしかくになっている。「もう歳だもんね」所々ほつれた布団を、私はゆっくりと撫でる。 #twCATnovel

おーさん @osayas811

道路を横切る小さな影を見て、私は彼を思い出した。丸めた背中。熱い食べ物が苦手なところ。私に媚びるときの声。「俺は金では動かない男だ。たとえ小判を積まれても」なんて言ってたくせに、ちゃっかり金持ちの女と逃げちゃって。私の前では、きっと何かをかぶっていたのね。 #twCATnovel

おーさん @osayas811

ここの暮らしは嫌じゃないけど、もう帰らないと。あの日、僕は子どもにいじめられている君を助けた。お礼をしたいと言う君に連れられてここに来たのに、君は仲間たちと昼寝をしてばかり。この空き地にいる僕を通行人が白い目で見ている。もう1ヶ月だよ。早く玉手箱をくれよ。 #twCATnovel

ドーナツ @donut_no_ana

#twCATnovel 黒猫が後をつけて来る。どこまでもどこまでも。日が暮れて猫の姿は闇に紛れ、見えなくなった。電柱の影にも車の下にも気配を感じない。諦めてくれたのだろうか。額の汗を拭い、ぼくは家の門扉を引いた。錆びついた金属の扉が鋭い音を立てる。ふと仰いだ空に月が瞬きしていた。

ドーナツ @donut_no_ana

#twCATnovel 野原で寝転がっていたぼくの目の端に黒い影が過る。いつもと同じ黒猫だ。一定の距離を保ち、こちらを凝視していた。わかってるよ。もうこの世に肉は、ぼくときみの二つだけ。どちらかが餌になるしか道がなかった。日差しは温かく降り注ぎ、ぼくはおそらく眠ってしまうだろう。

らし @rashi_catwillow

#twCATnovel 探し求めた男は路地裏にいた。両手足を縛られた姿で、虚ろな目をして。「あなたが、あの……？」男は答えず、喉を震わせ高い音を発した。周りにいた野良猫たちが次々と地面にひっくり返る。僕は思わず息を飲んだ。噂は本当だった。猫撫で声の達人は、手を使わずに猫を撫でる。

23時の夢物語 @23novel

#twnovel 目が覚めると、猫にまみれていた。にゃーにゃーすり寄る猫たちと戦って、必死にパンを1切れ食べ、猫の海をかきわけながら学校へ向かった。もちろん教室も猫だらけだった。教壇の上で猫先生がまどろむのを眺めつつ、願い事はもっと慎重にしようと学んでいた。#twCATnovel

23時の夢物語 @23novel

#twnovel 「オイ」「はい」「それは何だ」「カイロです」「猫に見えるんだが」「猫型カイロです」「なんかもぞもぞ動いてるぞ」「猫型ですから」「あったかいのか」「身も心もあたたまります」「オイ」「はい」「ちょっと貸してくれ」「イヤです」 #twCATnovel

夢名 七志 @mumei7c

随分と昔の事だ。近所を歩いていると、猫がすり寄って来た。飼われていたのだろうか、小綺麗で妙に人懐っこい。撫でてやると満足そうに喉を鳴らし、走り去った。彼女が亡くなった時間だと知ったのは数日後だった。今は他に何も思い出せない。向かう所も無い。にゃあと鳴いた。 #twCATnovel

夢名 七志 @mumei7c

あ段をゆっくりとお願いします。「あかさたにゃはまにゃらわ」い段をお願いします。「いきしちにゃぅー」そこまでで結構です。な行はどうでしょう。「にゃ．．．にゅ．．．にょ．．．」自覚は無いですか。「全然にゃいですにゃ」かなり猫ですね。マタタビ出しておきますにゃ。 #twCATnovel

Cal Que El Lulu-rain @senzaluna

ねんねんねんねこよいこねこ。かあさんぴったりねんころりん。ねんねんねんねこよいこねこ。ひだまりぬくもりぽっかぽか。ねんねんねんねこよいこねこ。見上げる夕ぞら伸びるかげ。ねんねんねんねこよいこねこ。赤いお日様またあした。ねんねんねんねこよいこねこ。にゃーお。 #twCATnovel

みじん子 @000plankton000

母親を紹介する。歳は四十七歳。「私なんてまだまだ」「これからよ、これから」が口癖。気さくでよく笑いよく怒る。話をあまり聞かないのが玉にきず。僕は今九歳。彼女の口癖じゃないが、まだまだ、だ。今日も会いに行く。神社の片隅、苔むした大岩に座るこの猫又が、僕の母親。＃twCATnovel

白田 @shirota_yama

自分の背中にファスナーを見つけた。じこじこと下ろしていくと、ずるり。皮が剥けるような感覚と共に、鏡に人間の男が映し出された。「しまった」僕は自分が猫をかぶっていたことを思い出す。しんなりと横たわる抜け殻を、再びかぶろうと試みたが、二度と猫には戻れなかった。　#twCATnovel

白田 @shirota_yama

猫のような女性と恋に落ちた。しなやかな体、甘やかな声、全てが魅力的だった。そんな彼女が病に倒れた。告げられた余命は三ヶ月。ベッドの中の彼女の体はみるみる小さくなっていく。そして今日、彼女は病院から忽然と姿を消した。死期を悟った猫のように。思い出だけを残して。#twCATnovel

嘘つきプラム @ps_plum

本当はついていくつもりじゃなかった。たぶん迷惑だし、なんだか僕を、怖がってたみたいだったから。だけど、ふわふわ揺れるしっぽがかわいくて、逃げられると追いかけたくなった。 #twCATnovel 「ママ、猫が追いかけてくる(泣)」「きっと、好きなんだよ。」 (君の持つ猫じゃらし)

くにさきたすく @taskuni

野良猫が、綺麗に大事に育てた私の出目金を食べてしまった。だがちょっと様子がおかしい。体を確認しながら水槽の中に入ろうとする。おそらく出目金が憑りついたのだろう。ざまぁみろ。罰が当たったんだ。 「目こねたり、尾の長さ確かめる、めかした魚の降りた猫め」 #twCATnovel #回文