「少しずつ濃度が高まっていく北上さまBOT」まとめ

完結おめでとうございます!
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天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【108.9%】「コホン、お帰りなさい、二人とも」司令室で頭に猫を乗せた提督に挨拶をする。「な、なんだか大変みたいねぇ。そんなに激しい海域なんだ、アイアンボトムサウンドって?」だからこそ私達が呼ばれたんだ。覚悟はできてる。提督は露骨に目を逸らす。あれっ?「……ひょっとして提督」

2013-11-07 23:34:04
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【109%】「……しちゃった」ぼそっと呟いた。「ヘイ提督、ボソボソ声じゃ聞こえないよ?」「本日マルゴーマルマル、わが艦隊はアイアンボトムサウンド海域を突破しちゃいました! 攻略しちゃった!」平謝りする提督。「私と北上さんの邪魔をして……魚雷、撃っても良いですか?」「堪忍してぇ」

2013-11-07 23:38:52
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【109.3%】「それで……残ったものは何故か増えた猫だけってこと?」「え、ええ」ある意味深海棲艦の襲撃より恐ろしい。捨てるわけにもいかないしね。「いえ……多分心当たりはあるのですが、猫ちゃん達、世話してれば勝手に消えるかと」「で、手が足りないから私達にもお願いってこと?」

2013-11-10 11:06:57
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【109.4%】「正直、猫の手も借りたい」「それじゃ本末転倒じゃん」提督はどことなく疲れているようだった。アイアンボトムサウンドの攻略は精神、肉体共に相当な疲労だったんだろう。「にゃあ」と提督の頭の猫が鳴く。大井っちと目配せする。「……分かったよ。私達でよかったら、手伝うよ」

2013-11-10 11:16:49
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【109.5%】提督の猫は『タイショウ』、大和さんのは『ミーくん』、武蔵さんのは『イオリ』、電のは『イッパイアッテナ』、球磨姉さんのは『ツキノワ』。猫の名前一つとっても個性が出るもんなんだねぇ。私と大井っち二人で一匹の猫の世話をするから楽といえば楽なんだけど……「名前、何にしよ」

2013-11-15 00:49:17
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【109.6%】黒い猫。黒猫。……ヤマトじゃ被っちゃうし。「ねぇ、大井っちどうするー?」「北上さんと、私の……北上さんと、私だから……字画が」「もー、大井っちってば、子供じゃないんだからさぁ」「いえ、北上さん。二人で世話するのだから、この子は家族も同然よ」「にゃあ」

2013-11-15 00:53:44
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【109.8%】「よし、決めた。あんたはノラクロ」「ちょ、ちょっと北上さん待って。その名前は色々と危険だわ」「もー待たないよ。大井っちに任せてても決まらないし。あんたはノラクロだ」「にゃあ」「ほら、我輩はと……じゃなくてノラクロだってさ」「うぅ……せめてミドルネームに北上大井を」

2013-11-16 11:53:23
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【110%】大井っちと二人で買い物。「子猫用の餌と、ミルクも買ったほうが良いのかな?」「北上さん、いざとなれば私が」「あはは、何言ってんのさ。あ、おもちゃも買った方が良いよねぇ」「小さいうちから遊ばせると凶暴になるって聞いた気がするわ」「むぅ」悩むのもなんだか楽しいね。

2013-11-16 22:46:12
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【110.2%】「てけてけてけてけてててててー。おはよう、ボクノラクロ、大井っちの起きる時間だよ。おっきろぉ〜♪」「北上さん、もう少しだけ待って、朝弱いの私」「またないよっ。ノラクロだって私だって早く大井っちと遊びたいもん。ねぇ?」「にゃ」

2013-11-18 18:49:03
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【110.3%】「確かに猫は船の守り神として、各艦娘に一匹ずつ配備しても良いくらいよ。可愛いし」提督はタイショウの頭を撫でながら言ってる。「だけどね、この猫ちゃん達がどこから来たのか、分かっていないわ。或いは敵の罠という可能性も……」「ノラクロ、アンタ敵なの?」「にゃあ」

2013-11-20 21:43:38
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【110.4%】「なぁ、そんなに吾輩から逃げるでないぞ、ワガハイ」利根さんが食堂で自分の猫と戯れている。いや、ていうか、なんで猫にワガハイなんて名づけるんだろ。ややこしくならないのかな。「そうかそうか。ワガハイの言い分ももっともだ。吾輩もそこは譲ろうではないか。のぉ、ワガハイ」

2013-11-20 21:50:03
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【110.5%】「北上さまー。えへへ、この子。ぷち風って言うんですよー。ほら、ご挨拶」「にゃ」雪風が抱えてるのはちっちゃい子猫。「なんか、げっ歯類っぽくない?」「そ、そんなことありませんっ! ぷち風はちゃんとした猫ちゃんですっ」「あー、うん。ごめんごめん」ちゅへへ、と雪風が笑う。

2013-11-20 22:00:21
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【110.6%】「大井っちどうしたのその手!?」大井っちは指に絆創膏を巻いていた。「ノラクロちゃんにひっかかれちゃった。北上さんみたいになかなか仲良くできないわね」「そんな問題じゃないよ! 叱らないと」「まだ子猫よ?」「大井っちは優し過ぎるんだよ。甘やかしちゃ、ダメー」

2013-11-22 00:37:58
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【110.7%】「ノラクロは大井っちのことが嫌いなのかなぁ?」相変わらず、大井っちがノラクロを抱きかかえようとするとウナギみたいにするっと逃げる。「怖いことなんてしないのに……北上さんになつき過ぎなのよ」「あはは、あんまりかまわれるとウザいんだけどねぇ」

2013-11-23 23:37:41
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【110.9%】ノラクロ? ねぇ大井っち、ノラクロ見なかった? おかしいな。一緒に寝てたはずなんだけどな。どこいったんだろ。

2013-11-27 07:54:56
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【111%】ノラクロー、どこだーい?

2013-11-27 18:37:00
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【111.1%】「ぷち風ー、どこですかー?」雪風が猫を探してる。うん、やっぱりあっちも居なくなっちゃったんだ。「ぐす、せっかく仲良くなれたのに。ぷち風ー、ぷち風ー」ふと、提督の言葉を思い出した。世話してるうちに、勝手に消えるって。提督ならなにか知ってるのかな。

2013-11-27 23:11:23
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【111.2%】「提督……! 猫ちゃん達何処行ったか知らない?」司令室のドアを開けると提督と電が居た。もちろん彼女達の猫の姿も無い。「北上さまー……」困った表情の電。「……」提督は椅子に深く腰かけて大きなため息をついた。「提督……?」

2013-11-29 22:18:38
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【111.3%】「北上さん……うん。そうね、貴女になら教えてあげても良いかもしれない」提督は立ち上がると窓際に歩み寄って軍港を見下ろした。「そもそも貴女達を呼び戻すきっかけになった鉄底海峡。今はあの海域への道は嵐と霧に閉ざされているわ」「それはまぁ、うん。私らの出番なかったけど」

2013-11-29 22:29:37
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【111.4%】「羅針盤もスターナビゲーションも役に立たない。鎮守府の研究班の見解では空間の歪みの如きもの、が発生しているらしいわ」「わ、なんだか話が大きくなってきた。でも、それが猫と何の関係があるの?」提督は深く頷く。完全にSFじゃん……。そんなバカな話があるのかな。

2013-11-29 22:35:08
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【111.5%】「猫ちゃん達は、その空間の歪みを通って鎮守府にやってきた、との仮説が立てられる。ほら、猫ちゃんって狭いところ好きじゃない?」「いや……それはそうだけど」狭いところに全力で潜り込んでいくノラクロを思い出した。「だからって猫が次元を超えてやってきただなんて」

2013-11-29 22:42:24
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【111.6%】「魔を払い、幸運を授ける……。あの猫ちゃん達は艦娘達の守り神。概念の化身なのかもしれないわね」「だったら……もしかしたら!」私の予想の通りなら。「再び空間が歪み、別の海峡への道が現れれば、或は」「イッパイアッテナもなのです!?」電の問いかけに提督は微笑む。

2013-11-29 22:48:32
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【111.7%】「ノラクロ……みんなも。また会えるかな」「だから悲しむ必要な無いわ。きっとまた会える」「ん」にゃあ、と何処かで猫の鳴き声が聞こえた気がした。

2013-11-29 23:05:45
天然濃縮北上さまBOT @lily_kitakami

【111.9%】自分の部屋に戻る。扉を閉める。視界が歪む。「うぇぇ、ノラクロ、ノラクロ」ポタポタと涙が溢れて床に落ちる。「せっかく、せっかく仲良くなれたのに。ぐすっ」部屋で待っていた大井っちに抱きつく。「北上さん」「大井っち、大井っち」「……うん、私が居るわ」「うわぁぁぁぁぁん」

2013-11-29 23:12:18
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