【完結】孤児とkkir

DoujikuB.N.C @doujiku_bnc

なんでイルカのことはイルカさんなのよ、と聞くと、ちょっと不機嫌そうな顔をして、でもどこか恥ずかしそうに「ママて呼ぶのは失礼な気がする…。お、男の人だし。でもパパはパパだし。わかんないから、イルカさん。」て答えた。イルカのことは素直に喋るんだけどね、この子…。

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【孤児とkkir】 http://t.co/Olu7a2p6KQ あの子とイルカさん

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時折俺はどうなんだろう、と考えることがある。カカシさんのことは惜しげも無くパパと呼んだけれど俺のことはイルカさん、としか呼ばない。母親役を担えてるとも思わないが、彼女にとっての自分を意識したとき、なんだ俺も親やってんのかあ、とも思ったりした。

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カカシさんが抱っこをしてあやしていた。小さな彼女がぐずって鼻をすするたびに、背中を撫でるその手がとても優しくて、ああ、この人は本当の父親になったのだなあ、と思った。

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小さい頃のあの子は夜泣きがひどかった。怖い夢を見るのか、寝室を別にしてもよくこちらの寝室にぐずりながらやってきた。そういう時はだいたい俺が寝るまで寄り添ったけど、ある日残業続きで、なかなか帰れない日が続いた。あの子は大丈夫だろうか、と心配になって深夜に一時帰宅すると

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「なんであんなこまっしゃくれた子に育ったのかね。」とぼそっとカカシさんが呟いた。いやいや、可愛げあるじゃない。パパのセンスだっさい、て言いながら、去年の誕生日にあげた髪留め毎日使ってるでしょ。今は素直になれない時期なんですって。と思ったけどなんとなく口にはしなかった。

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女性用ナプキン片手にベソかいてる里の誉、てのは、これちょっと最高機密クラスだなあ、と感心したのを覚えてる。ふと今のカカシさんを見ると、どうやら脛に一発蹴りをくらったみたいで足を抱えて悶えてた。やっぱりアカデミーに入れとくべきだったかあの子…、と今更ながら少し悔やんだ。

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「ちょっと、お前ね！お前が初潮でべそかいてきたとき誰が面倒見てやったと思ってるの！」どこで聞いてたのか、洗面所に乱入してきたカカシさんが怒り心頭でそう言ったけど、それ、火に油そそいでるよカカシさん。ちなみに俺が帰ってきたらその時は二人共べそかいてたけどね。

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「パパと一緒に私の下着洗濯しないで！」その言葉を聞いた時、彼女がここに来た時のことをふと思い出した。「え、じゃあお前のだけ別にするの？」と聞くと「パパだけ！パパだけ別！」と言う。俺はいいらしい。思春期の女の子てのは相変わらずわからんなぁ、とアカデミーで働いてた頃を思った。

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犬と人間は一緒にしちゃイカンだろーと思いながらもとりあえずその子を風呂に入れてあげてご飯を食べさせてあげた。カカシさんは手伝うでもなくその様子を眺めるだけだった。着替えさせてる時に女の子だったかー、とぽつりと漏らしたのが、その日カカシさんがその子に起こした唯一のアクションだった。

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ある日カカシさんが子供を連れて帰ってきた。隠し子かとぎょっとしたけど、話を聞くと戦災孤児だという。どうしてまた、と聞けばカカシさんはぼんやり、いつものように後頭部をかいた。こうしたらさ、殴られると思ってか目つぶって怯えるのよ。犬にもそんなのいたなーて思ったら、つい。だと。おいおい