大罪大戦Lite 第一戦闘フェーズ 三の間

暴食 グラ @ramunegashi_sin 希望 スペース @spes_sinlite
0
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

扉の存在は聞かされてはいたが、実際に潜るのは初めてだ。不思議な感覚が私を包み、違う世界へ送られる。 戦場は、その時々によって形を変えるといわれている。その話をぼんやりと思い出した私は、色々と(貧困な想像力で)考えを巡らせた。再び開けた私の視界に映ったのは―― →

2013-10-20 01:55:24
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

――高いコンクリートの建物だ。灰色に薄汚れていて、ところどころヒビが入っている。右も左も似たような風景。つまるところ、廃墟のコンクリートジャングルだ。 上を見上げれば、ひどく狭い青空が広がっていた。まるで、昔見た秘密基地の夢のよう。 「おお~~~」 やばい。めっちゃ広い。びびる。

2013-10-20 01:58:13
希望:スペース @spes_sinlite

同じ頃、希望も扉を潜り不思議な感覚を味わっていた。 明らかに先ほどまでとは違う空気の匂い。 少しずつ進むにつれ、砂埃の様な匂いが強くなるのを球体達は感じていた。 「ツイタ」「トビラ」「アケル」 異相の空間の終着点。戦場の出発点に球体は着き、その扉を開け放った。

2013-10-20 02:12:46
希望:スペース @spes_sinlite

「ジョウキョウ」「シャヘイブツ、タスウ」「テキノスガタ、ナシ」 三球は音を放つ。状況を分析し始めたようだ。 「ワタシ、タンサクコウドウヲ、テイアン」「ショウニン」「ショウニン」 「「「サンッ!」」」 そう音を放つと、三球はそれぞれの方向へ飛び立っていった。

2013-10-20 02:13:56
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

「えーっと、ここで戦うんだよね」 相手の『美徳』の一人が、この中に来る筈だ。出てこれるのは一人だけ。なるべく足音を殺して手近な廃墟に入っていく。 随分と細かい作りだ、ここで人間がサバイバル・ゲームでもやればさぞ楽しいだろう。 「……とりあえず敵を探したらいいのかな」→

2013-10-20 02:19:31
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

待っていても始まらない。いや、どっかに座って待っていてもいいけどそういうのは性に合わない。 帽子から飴玉を取り出し、口に放り込む。廃墟から出、敵を探してゴーストタウンを歩き始めた。 (さすがに商店の成れの果てとかホームセンターは無さそう)

2013-10-20 02:21:28
希望:スペース @spes_sinlite

索敵に出た一球は高い鉄塔にいた。 「イナイ」 鉄塔から見下ろす景色は見渡す限り見事なまでに廃墟であり、 動くものの何も居ない世界で有った。 「ヒロイ」 一球は動くものの無い街でそう音を発すると鉄塔を後にし、飛び立っていった。→

2013-10-20 02:39:35
希望:スペース @spes_sinlite

→ 索敵に出た一球は地下の施設にいた。 「イナイ」 等間隔の二本の鉄の棒がどこまでも続く地下のトンネルを、乳白色に僅か光る球体が進んで行く。 「ア」 球体が感嘆の音を発する。 「クズレテル、イキドマリ」 そう音を発すると、球体は来た道を引き返していった。→

2013-10-20 02:40:14
希望:スペース @spes_sinlite

→ 索敵に出た一球は地上を漂っていた。 「ヒトノマチ、ハジメテキタ」 廃墟と化したビル街を進む。と、半分割れている鏡を見つけて 「ワタシ?」 そう鏡に声を駆け気づく。一球だけになったのは初めてであったと。 「サガソウ、テキヲ」 鏡を後に音を発すると、少し速度を上げた。

2013-10-20 02:41:53
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

しばらく歩いていると、少し広い道路に出た。コンクリートがひび割れており、岩盤が捲れ上がり、最早道としての用を為していない。 そこを通り抜け、再び小道を進んでいく。崩落したビルが道を塞いでいる。 「……うーん、戻るのも面倒だなあ」 ここを乗り越えていくのは、少し苦労しそうだ。→

2013-10-20 02:44:38
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

「……あんまりおいしくなさそうだけど」 手を前に出し、瓦礫の山に触れる。傾ぐ山が、掌へと、歪に曲がり、収束していく。 「……うええ」 一度飲み込み、『力』に変えて現出させる。現実世界に干渉しないので、幾ら『消化』しようが影響はない。『力』の形は、まあ、何でもいい。→

2013-10-20 02:48:24
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

いつもなら皮膚の硬質化や攻撃の強化に使うのだけれど、今回は邪魔をする障害物をどけること。ごりごりと調整し、コンクリートの杖にしてその辺に投げ捨てた。 「うう、どうせ食べるならもっと質のイイヤツが……」 愚痴りながら歩みを再開、住宅街へ差し掛かる。口直しにと、ガムを一枚口に入れた。

2013-10-20 02:50:51
希望:スペース @spes_sinlite

先ほど鏡を見てから落ち着かない。 ビル街を進む一球はそわそわしていた。 「ワタシ、ソチラノヨウスハ?」 気になって他の球に問いかける。 「イジョウナシ」「オナジク」 呼びかけに球達が答える。 「コチラモ、イジョウナシ、サクテキヲツヅケル」 纏う空気を少しだけ緩めて進む。→

2013-10-20 03:26:17
希望:スペース @spes_sinlite

鉄塔にいた一球は南へと進んでいた。 より高い塔を見つけたからである。 そうして高速で移動している所に連絡が入る。 「ワタシ、ソチラノヨウスハ?」 「イジョウナシ」 球は答えた。 「オナジク」 もう一球も答える。 無事ならば、より効率の良い索敵のためにと、塔へ急いだ。→

2013-10-20 03:27:14
希望:スペース @spes_sinlite

地下の一球は困っていた。 「マヨッタ」 そう迷ったのだ。そこに連絡が入る。 「ワタシ、ソチラノヨウスハ?」 困ってる。困ってると伝えたい。が、 「イジョウナシ」 一球が先に答えてしまった。ならば、無駄に心配をさせるわけにも、と 「オナジク」 とだけ答えて、また地下を進んだ。

2013-10-20 03:28:41
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

くちゃくちゃ、くちゃくちゃ。黙々と道を進む。風景はめまぐるしく変わり、時折緑なんかもあって、歩く分には飽きない。 ビル群から住宅街、公園を通り過ぎて、今はだだっ広い塀の中を歩いている。遊び場か観光スポットだったのだろうか、いずれにせよ今は寂しい平野でしかない。→

2013-10-20 03:33:07
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

蔦が伸びて塀を侵食している光景は、自然が人工物を侵食している様をまざまざと表しているようにも見える。イメージはまさに忍び寄るカビ。 一方で、ここの地面は生命力に息づいているように思える。これも一時的なものなのだろうか、それとも。 ……考えていると頭が痛くなってきた。→

2013-10-20 03:36:59
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

軽く一度跳ねて、勢い良く走り始める。ある程度走ったところで、思い切り。 「えいっ!!」 ジャンプした。木々を飛び越え、塀を飛び越え、その向こうに着地する。またも味気ないコンクリートの中。 「……ふう」 再び真っ直ぐ歩き始める。見える範囲に大きな建物が増えてきた。ちょっとわくわく。

2013-10-20 03:40:05
希望:スペース @spes_sinlite

「コレハ」 塔の麓に着いた球体は感嘆の声を上げた。 想像よりもずっと高い塔だったからだ。 球体は考える。この朽ちかけた塔は天への道、人々の希望の象徴だったのでは無いかと。 そんな事を考えながら、塔の頂上に昇った球体は。 「コノチニ、キボウヲ」 塔の先端で強く輝いた。→

2013-10-20 12:51:17
希望:スペース @spes_sinlite

地下をさ迷う球体は困り果てていた。 「ドウシヨ」 また行き止まりかと引き返した所、崩落が発生。 球体は地下に完全に閉じ込められてしまっていた。 「エイッ」 周囲の光を呼応させ、光線を放つ。 しかし、そもそもが光の無い地下。 周囲が少し光った程度だった。 「コマッタ」→

2013-10-20 12:52:34
希望:スペース @spes_sinlite

「ワタシ?」 ビル街を進む球体は、遠く視界の端に映る塔で何かが眩しく輝く様を見た。 恐らく残る球の誰かであろう、何か有ったのだろうか。 いや、無かったとしても、あれだけ目立つところで光れば大罪にも見つかることだろう。 「イカナキャ」 そう音を発し、ビル街を後に飛んでいった。

2013-10-20 12:54:21
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

「……………………」 少女はだだっ広い建物の中を歩いていた。色とりどりの柱、何に使うのか分からない……鉄?の箱、時折見える天井から吊り下がった緑の看板。 「……えーっと」 最初に入った時には、緊張感もなく探検気分だった筈だが、今は困り果てている。出口が分からない。→

2013-10-20 13:36:54
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

「……むぅ」 軽く呻いた時、周囲が一度強く光った。……光源なんて、この廃墟にはない筈。となると、これは誰かの仕業。 誰かって、誰?敵だろう。通路を駆け出す、出口は思ったよりすぐ近くにあった。そうでなければ光なんて届かないか。 「……探検は終わりかぁ」→

2013-10-20 13:42:43
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

こんな場所まで届く光だ、近くに居なければ相当高い場所だろう。多分! ぐぐ、と足に力を込めて、建物の屋上へと…… 「……えっと」 ちょっと高すぎる、気がする。やめとこ。

2013-10-20 13:47:44
暴食<Gula> @ramunegashi_sin

→ぐるり、と見回す。かつては均一に揃っていたのかもしれない建造物の列も、一部は崩れてバラバラになっている。先ほどの建物が余程頑丈だったのだろうか。 「…………アレ、かな?」 一際高い尖塔が見える。何かテレビゲームとかでありそうな感じ。そちらを目掛けて走り出す。……瓦礫が邪魔!!

2013-10-20 14:13:18
1 ・・ 7 次へ