【ニンジャの二次創作でございます】ディア・デッド・デイズ #1
- simanezumi88_n
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(ニンジャの…二次創作!これはやさすい漬けのマグロが水槽の中で見た夢であり、本編とは一切関係がございません)
2013-10-26 21:01:03(TLが私のツイートで埋まる可能性は実際高いです。煩わしく感じられたならリムーブ、ミュート等をお願いいたします)
2013-10-26 21:01:40(ちなみに過去のはこちら。 【ストレイ・ストレイト・スモトリ】 #1:http://t.co/abGKdx96dw #2:http://t.co/Tghl9yp1VX #3:http://t.co/7QARcGlhLq #4:http://t.co/XQ0CcLWb1r)
2013-10-26 21:02:14ほの暗い大地に陰鬱な重金属酸性雨が降り続く。猥雑と騒音渦巻くここはネオタイサマのイケブロ地区。欺瞞と快楽に溢れたネオンが灰色の街を照らし出す。さながら、夜な夜な集まる蛾を照らすボンボリのように。 1
2013-10-26 21:06:45「実際安い」「お客様がブッダ」「出血多量バーゲンでオタッシャだ」などの看板がオマツリのようにひしめく。日々の生活から快楽までを一手に引き受ける混沌の坩堝たる街はあらゆる人種を飲み込んでいく。 2
2013-10-26 21:09:11ハンチング帽を被ったトレンチコート姿の男というありふれた身なりでここで目立つことは容易ではないだろう。その男、フジキド・ケンジは大売り出しでごった返す人並みを影のようにすり抜け、ごく平凡なスシ・カウンターへと入っていく。 3
2013-10-26 21:11:26恐るべきアンタイニンジャ・ウィルス「タケウチ」のワクチンは未だ見つからず。師・ゲンドーソーは未だ一進一退の寝床にあり、日ごとに焦りが募る。 4
2013-10-26 21:13:59数時間前。自宅でアグラメディテーションをしていたフジキドの元に、唐突なノーティスがIRC通信機に入った。 6
2013-10-26 21:17:14# WABISUKE :ycnan : 不審な電子情報重点 || # WABISUKE :morita : 詳細を || # WABISUKE :ycnan : 特定方角から4643コードの定期発信 || # WABISUKE :morita : 次の標的か || 7
2013-10-26 21:19:54# WABISUKE :ycnan : yes || # WABISUKE :morita : 了解した || # WABISUKE :ycnan : 詳細はこちらの場所で改めて || 8
2013-10-26 21:22:43かくして、フジキドは指定された回転スシ・カウンター店に入る。最も目立たぬ奥の壁際の席に座るや否や、流れてきたタマゴ・スシの載った皿を無造作に手元に運ぶ。「イヨォーッ!」皿の移動を感知して電子スモトリ音声が威勢のよい掛け声を発する。 9
2013-10-26 21:25:51控えめで庶民的な店内は、さして裕福でも貧乏でもないありふれた人間を吸引することと消費経済に大きく貢献する。つまり、ほとんどの人間が目立たずに佇む事の出来るスポットである。 10
2013-10-26 21:28:42タマゴ・スシを食べ終え、続けざまに無表情にマグロの載った皿を手元に運ぶ。「イヨォーッ!」実際、界隈の飲食店はどこも似たり寄ったりではあるが、何故あえてこの店を待ち合わせに指定してきたのか…。そうフジキドが思案しかけた所で新たな客が入ってきた。 11
2013-10-26 21:31:19その客…控えめで地味な厚着と帽子で周囲に紛れる程度に目立たなくしているが、時折見え隠れする金髪でナンシー・リーが訪れたと知れた。その体は豊満であった。「ドーモ」ナンシーはフジキドの隣に座り、トビッコの載った皿を手元に運ぶ。「イヨォーッ!」 12
2013-10-26 21:35:28「なぜここに?」「向かい側の建物」「ゲームセンターか」「最近、あそこのとあるゲームで正体と出所不明のキャラが暴れている。そしてそのキャラの出現時間が例の電波の周期と一致したの」「成る程、つまりそやつを操っている者の居場所を突き止めてタケウチの情報を探るわけか」 13
2013-10-26 21:38:55「ええ。今度こそ突き止めてみせる」フジキドが再び怪訝な顔を浮かべる。「どうやるつもりなのだ」対するナンシーは悪戯っぽい笑みを見せる。「簡単なことよ。私もそのゲームにチャレンジする」 14
2013-10-26 21:41:55「ちょうど今日、そのユーレイさんがお出ましになる日なのだけど、どうする?」「善は急げ、という。センセイのためにも一刻も早く情報入手せねばならん」「決まりね」 15
2013-10-26 21:43:57ズズズズズン、ビュビュビュビューン、ズズズズズン、ピュイピュイピュピュピュイピュイ…。今宵もまたゲームセンター「精神山脈」では世界を轟かす電子音が鳴り響く。熱気で高揚したゲイシャパンクスやギークが泳ぐここはさながら陸上の熱帯水族館。 17
2013-10-26 21:48:04四方から溢れ出る電子音の洪水と多種多様な人間の間を泳ぎながら、ナンシーは決断的にある筐体に近づいていく。 18
2013-10-26 21:51:17トークンをその筐体に入れ、両手を然るべき位置に合わせながらナンシーが言う。「他のゲームでも現れることもあるけれど、話題のユーレイさんはこのゲームがとてもお気に入りみたいなの」フジキドは黙ってナンシーの後ろに立ち、事態を見守る。 19
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