日生劇場 ライマン《リア》を観よう!

11月8,9,10日に日生劇場でライマン作曲《リア》というオペラが日本初演になります。すこしずつ作品紹介をしていきますので、興味をもっていただけたらぜひ劇場へ!シェイクスピア関係の方にも、面白いアダプテーションのひとつとして観ていただけると思います。 http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2013/04/program-674.html
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Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!14】コーディリアはある意味すべての事件の発端。正論の人なのだけれどもう少し結果を考えて動いても……ようやく父と再会できる時には父は正気を失っていて言葉は届かない。湿った月夜のような音楽を背景に、コーディリアの困惑と悲しみの深さを味わいたい。

2013-11-02 18:34:22
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!13】次女リーガンは夫コーンウォールと共に、逃げたリアをかばったグロースターの目をくりぬいて放逐する。興奮の末のこの行為は確かに異常だが、その行為後、長く尾を引く彼女の笑いにはそれぞれの演出がリーガンを(特にその弱さを)どう描きたいかが凝縮されている。

2013-11-02 18:34:10
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!12】総領娘ゴネリルは権力欲も愛への欲も強烈。妹を陥れてまでエドマンドを求めようとし、夫オルバニーの譴責にもひるまない、まさに通常の人間のスケールを超えて欲望が肥大していく第二部での彼女の歌はすさまじい迫力。だがなぜそうなってしまったのか?

2013-11-02 18:33:54
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!11】そんな訳で、姉妹が本音で父への不満と世代交代について語り合う二重唱には注目。今回は以前コンヴィチュニー演出《サロメ》のヘロディアスとサロメだった板波と林が姉妹役であるように、ゴネリルとリーガンには強烈な声とテクニックで父の権威と渡り合うことが求められる。

2013-11-02 18:33:23
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!10】ただ、姉娘たちはただの怪物ではなく、抱えている親との葛藤が特にやっかいな人々なのであり、娘側の言い分も考えることでドラマが立体的になる。友人のシェイクスピア学者によれば、演劇でもよく、リアとお供の娘の館での好き勝手振りが彼女らの反撃の引金となるのだそう。

2013-11-02 18:32:45
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!09】だが現代でも生前贈与は慎重にと言われる通り(笑)リアは二人の家を百人の供と客として行き来するはずだったのに、「召使はそんなに要らないですよね」「もう無力なのを認めなさい」と姉妹に追い詰められる。怒りと混乱で邸を出て荒野を彷徨うリアは狂気に足を踏み入れる。

2013-11-02 18:32:31
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!08】財産分与に際し、長女ゴネリルと次女リーガンは調子よく父をほめていい気分にさせ、三女コーディリアは、親として父は大事だが、それ以上その場限りのお世辞を言うのを拒否、怒ったリアにより財産は長女と次女だけで分割され、三女は無一文でフランス王に嫁ぐことに。

2013-11-02 18:31:48
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!07】ライマンのオペラ《リア》ってどんなオペラなの?ということで、今日はリアの家の三姉妹、ゴネリル(小山由美/板波利加)・リーガン(腰越満美/林正子)・コーディリア(臼木あい/日比野幸)について。 http://t.co/0rGqE6Yrec

2013-11-02 18:31:27
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!06】親と子、それぞれに言い分はあれど、なぜこんな惨劇になってしまうのか。まずは全体の骨格と、父ふたりの見せ場でした。

2013-11-01 15:58:57
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!05】盲目となったグロースターは、トムと身を偽る追放された息子エドガーと共にリアと再会する。この子どもたちと心が行き違い捨てられた父ふたりの再会の場面は心に迫る。直前の「自殺」未遂とともに、リアの狂気を悲しみつつ羨むこの場面はグロースターという人間の見せ場。

2013-11-01 15:58:28
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!04】リアには二つの狂気の場面が。一回目は追い出され荒野を彷徨う、咆哮するオケと共に世界が壊れるほどの荒々しい狂気。二回目は言葉も怪しく弱り切った老人のうつろな、どこか哲学的な狂気。「この阿呆どもの舞台に登場せねばならぬ故に、我々は泣きながら生まれてきた。」

2013-11-01 15:57:21
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!03】もう一人の父はリアの臣下グロースター。非嫡出子として蔑まれる理不尽に怒るエドマンドは、父に嘘をついて嫡出の長男エドガーを陥れ追放。騙されたグロースターは、窮状にあるリアを助けようとしたのをエドマンドに密告され、リアの娘に目を潰されやはり荒野に彷徨い出る。

2013-11-01 15:56:17
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!02】《リア》は二人の父と子どもたちの物語。リア王は、三人の娘たちに財産を譲ろうとしてお愛想を言えない末娘コーディリアを除けてしまい、美辞麗句で孝行を誓った姉ふたりに手のひらを返され、自らの尊厳を保つ術を失ったと感じた彼は狂気に陥り放浪の旅に。

2013-11-01 15:55:22
Miho Morioka 森岡実穂 @MoriokaM

【《リア》を観よう!01】11月8,9,10日と日生劇場でアリベルト・ライマン作曲の《リア》というオペラが上演されます。せっかくなので見どころを日々少しずつ紹介してみます。面白いかな?と思ったらぜひ劇場へ! http://t.co/0rGqE6Yrec 

2013-11-01 15:55:04