do_dlingさん『逆光』をつぶやく

トマス・ピンチョン『逆光』(新潮社刊)からの引用など
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do_dling @do_dling

【逆光】50 下巻p158まで。もっと読む時間がほしい・・・!ところで、上巻の(おそらく下巻も)奥付のページにあるロゴは、「AD」ではなく「ATD」であるべきじゃないだろうか。背表紙は(先行のチラシだと「AD」となってたけど、現物では)「ATD」なわけだし。

2010-10-12 02:24:47
do_dling @do_dling

【逆光】51 人物関係はとんとん拍子に整理が進み、しかし話がまとまってきたとは私には言えない。とにかく、並像鏡の複屈折と〈時間〉の外とリーマン幾何学でもって(ひとつもわからない)あれもこれも複数化だ。そっちのほうで収束させるのかなー、って、そっちがどっちで何がどうなるのやら。

2010-10-12 02:26:25
do_dling @do_dling

【逆光】52 下p28「ピサ大学のスベーリ教授」は、上p383「ピサ大学のズヴェリ教授」とは別の人なんだろうか。役割は似てる。表記が違うんだとしたら、何だろう、訛りの再現とか?あるいは、そこに出てくる秘密道具の実演なの?(名前が変わっちゃったら機能が違ってしまう気も)やっぱ別人?

2010-10-12 02:28:40
do_dling @do_dling

【逆光】53 それにしても、上p582で消えた人物が下p140で出てきた!なんてのは、ふつうに気付けることなのか。私にはメモなしでは無理だった。でも、だったら気付かなくていい、とは思い切れずにいる。ピンチョン小説の読み方がどうこうというより、忘れちゃったら登場人物に悪い気がして。

2010-10-12 02:29:45
do_dling @do_dling

【逆光】54 印象的だったのは、いろんなものがダダ漏れになってるベニスの町。しかもそこでの話に、ペンテコステの「炎の舌」が出てきたので腰を抜かした。聖書由来のこのエピソードは『競売』でとても大事だったというか、大事に見えた(一応、これ。http://ow.ly/2RGSI)。

2010-10-12 02:30:54
do_dling @do_dling

【逆光】55 ここからはっきり言えるのは、ピンチョンがこの『逆光』でもって過去作を織り直している、とか、集大成をもくろんでいる、とかではなくて(そんな高い視点にはとても立てません)、ああ、よっぽど好きなんだな「炎の舌」が、ということ。

2010-10-12 02:33:04
do_dling @do_dling

【逆光】56 マールとダリーの関係に『ヴァインランド』の影を見たり、下p89のガス管通信からトライステロの残響を聞いてしまうのは、むしろ読んでる自分のほうがピンチョン作のパラノイア人物(ステンシルとかエディパとか)になってしまっているようで愉快。

2010-10-12 02:35:41
do_dling @do_dling

【逆光】57 最後。《ロシア人は町に溶け込もうとしていたが、見え見えの手がかり――毛皮の帽子、ぼさぼさのあごひげ、町なかでいきなり彼らにしか聞こえない音楽に合わせてコサックダンスを踊り出す癖など――によって正体がすぐにばれた。》下p70 もっと引用にふさわしい箇所は確実にあった。

2010-10-12 02:37:02
do_dling @do_dling

【逆光】58《彼女は登山スーツ姿のままクルミ材でできたホテルのバーにもたれかかって、ペプフリ=スパッツォレッタの判読不能な紋章が刻まれたボヘミアングラスのずっしりしたタンブラーから年代物のスコッチウィスキーを飲み、にこやかに、しかし彼女独自の忍耐レベルで兄弟を見据えた》下p189

2010-10-14 02:02:49
do_dling @do_dling

【逆光】59 第三部後半から慌ただしく人物再登場が増える。ノートをあっちこっちめくり返し、それから上巻を拾い読みしたりしていると、脳内で快楽物質がジュワッと分泌される感。これぞ長篇小説の楽しみ、とか言ってるのでなかなか進まない(あと、キモい)。まだ下p250まで。

2010-10-14 02:03:44
do_dling @do_dling

【逆光】60 でも、べつに、細かくメモしていかないと読めない本ではないと思う(そんな小説はない、と考える)。むしろ人名さえメモせずに読んだときに、この小説の内部がどんなふうに見えるかに興味津々。だって、それはメモしちゃってる私からはもう見ることのできない光景なので。(逆は可能)

2010-10-14 02:04:57
do_dling @do_dling

【逆光】61 下p227からの第四部はいよいよ「逆光」と題されている!そこまでの山盛りエピソードはぜんぜん消化できていないが、消化しないまま面白がっている(アルプス地下の未確認生物とか)。ちなみに第三部のタイトルは「分身」で、あ、分身!?と、いま改めてビビることしきり。

2010-10-14 02:05:55
do_dling @do_dling

【逆光】62 下p180前後でばらまかれるエロ小話の類は、そのあとの父子エピソードを描くうえでの照れ隠しに見えた。なにせそっちも、霊媒まで介したややこしい構図になっている。ピンチョン、しょうもない下ネタだけでなく交霊会も好きだなあ(『重力の虹』の場合よりだいぶ明るいと思った)。

2010-10-14 02:07:05
do_dling @do_dling

【逆光】63 《「私たちは皆インチキという元素の中を飛ぶの」と彼女は言った。「そのおかげで私たちは空高く舞い上がれる。一度や二度インチキを使ったことがないっていう霊媒はいないわ」》下p190 ・・・礎石が四次元立方体になってる〈怪物博物館〉なんてのもあった。もういくらでもあった。

2010-10-14 02:07:54
do_dling @do_dling

【逆光】64 《キットは再び眠りに落ち、敵の心臓に向かって飛ぶ弾丸を夢に見た。何年も、何マイルも旅をした弾丸が時々何かに当たり、角度を変えて跳躍し、まるで行くべき場所を知っているかのように飛び続けるのだ。》下p197 ここまでならとてもカッコいい。が、そのあと、

2010-10-14 02:09:10
do_dling @do_dling

【逆光】65《四次元時空間におけるこのジグザグ運動は五次元におけるベクトルとして表現できるだろうと彼は思った。それが存在するのがn次元だとすれば、それを見、末端を結んで単一の合成ベクトルを作るには一次元上のn+1次元が必要だ》と続く。「彼」ことキット君は元イエールのベクトル主義者

2010-10-14 02:10:32
do_dling @do_dling

【逆光】66 最後。下p243うしろから3行めにたいへんなことが書かれている気が一瞬した。でも、これほどの長さがある小説をひっくり返すカナメの1文、なんてものは「ない」ことも知っている。まとまってもまとまらなくても、ぜんぶ読んでこその小説。よくわからないことを書いている。

2010-10-14 02:11:39
do_dling @do_dling

【逆光】67 なんと、この小説をもう2週間読んでいることになる。まじでか。《一瞬、彼らは見つめ合った。二人は互いの出現が相手の救いになったことが分かっていたようだった。「四次元の中なら // 時間差なんて問題じゃなかったでしょうけど」》下p257  私も四次元の中に行きたい。

2010-10-15 02:21:51
do_dling @do_dling

【逆光】68 これまでにも何度か、別個のライン上にいた登場人物が繋がってきた、と書いたが、下p251あたりからいよいよ本当に近づいてきた。いっぽう、エピソードはより断片的になってる印象で、彼ら彼女らに何が起きているのかよく見えない。すこし難しいコーナーを回っている感じか。私が。

2010-10-15 02:22:52
do_dling @do_dling

【逆光】69 しかし〈不都号〉はどうなった。ずいぶん姿を見ていない。でも、「○○はどうなった」式の質問はそれこそいくらでもできる。上p226以降の事件はどうなった(『ヴァインランド』のゴジラ状態?)。関係ないけど、「他人のことに頸部挿入するな」という台詞(下p278)をメモ。

2010-10-15 02:23:58
do_dling @do_dling

【逆光】70 背景としてヨーロッパはきな臭さを増し、構成として時間に関係する大ネタ(?)がチラチラ。かと思えば、はっきり人間の形をとる黒幕もいたりする。重心があちこちにあるみたいで落ち着かない。バランス、これから多少はとるのかなあ、で今日は下p290まで。来週までかかりそう。

2010-10-15 02:26:49
do_dling @do_dling

【逆光】71《書籍商がうなずいた。「それは一五五七年にリンプン・ンガワン・ジグダグが書いた『リグパ・ジンパイ・フォニャ』、すなわち、知恵を運ぶ使者というものです」》(下p337) え。もういちど言ってもらえますか。 p375まで読んだ。なかなか進まないが、小説内の距離移動は相当。

2010-10-16 02:26:13
do_dling @do_dling

【逆光】72 青年キットの世界大紀行。アメリカの鉱山町からイエールを経て大西洋を渡り、今日読んだとこではベニスからえんえんユーラシア大陸を東進、バイカル湖を見ていた。なぜそこまで。やや呆れつつも、ここ(http://ow.ly/2U7XQ)をくぐる瞬間が大変(下p343)。

2010-10-16 02:27:09
do_dling @do_dling

【逆光】73 その中央アジア行のなか、下p349で名前の出てくる呪術師が、上p218で既出だったことに、たまたま気が付いた。さらにその同じ上p218に出てくる医者も、下p214に再登場していたんだった。気付いてない再登場もたくさんあるんだろうなー。

2010-10-16 02:28:39
do_dling @do_dling

【逆光】74 ピンチョンの長篇は、伏線を後半でみんな回収してきれいなまとめ、ってつくりだったことはないはずなので、脇役の再登場は見過ごしてもいいと考えてる。車窓を飛び去っていく風景を眺めるみたいにその都度その都度楽しんでいれば、「これ前も見た!」とはわからなくてもいいんだと。

2010-10-16 02:29:26