米国の変化と日本の針路(NHKラジオ第1放送ビジネス展望10月18日放送分 )まとめ

藤原直哉氏の世界経済予測のまとめ(2013年10月)
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藤原直哉 @naoyafujiwara

NHKラジオ第1放送ビジネス展望10月18日放送分、テープ起こし 米国の変化と日本の針路 Q:米国政府の一部閉鎖は解除されましたが。 A:政府議会で話し合いが成立して政府閉鎖は解除された。次は同じ問題が来年の1月15日にまた繰り返される。問題は先送りされた。

2013-10-18 06:56:29
藤原直哉 @naoyafujiwara

Q:米国の政府閉鎖はどのような影響をもたらしましたか。 ・冷戦崩壊から20年が過ぎ、ひとつの時代が終わったという感が強い。

2013-10-18 06:56:47
藤原直哉 @naoyafujiwara

米国が世界で唯一のリーダーであった時代は終わり、米国国内も矛盾に満ち、その矛盾が治安の悪化とか貧富の格差とかさまざまなところに現れ、連邦政府の運営についても国論が分裂してついに政府閉鎖にいることになった。

2013-10-18 06:57:00
藤原直哉 @naoyafujiwara

・今回の政府閉鎖で最も大きな影響を受けたのが国防総省だ。軍に働く民間人が何十万人も一時帰休になっただけでなく、軍と契約している企業にもお金が払われなくなる事態が起きた。日本の場合は基地で働く従業員や軍用地主には日本政府の思いやり予算からお金が出ているから問題は起きなかった。

2013-10-18 06:57:20
藤原直哉 @naoyafujiwara

しかし米軍と直接契約している企業には影響が出た。横須賀に来た米国のヘーゲル国防長官は水兵の前で、米国はあなたたちに働き続けてほしいと思っている、米国はあなたたちが働くことを必要としていると言っていた。いかに現場の兵士に動揺が広がっているかだ。

2013-10-18 06:57:33
藤原直哉 @naoyafujiwara

・そもそも米国盗聴機関の盗聴の実態が次々に暴露されたり、シリアの内戦でロシア外交が勝ってオバマ大統領のシリア攻撃論が引っ込められたり、

2013-10-18 06:58:04
藤原直哉 @naoyafujiwara

あるいはかつてイラク戦争で米国が意に沿わないと言ってトップをすげかえた化学兵器禁止機関がノーベル平和賞を受賞したりということは、いかに米国の外交の権威が失墜したかだ。

2013-10-18 06:58:09
藤原直哉 @naoyafujiwara

・これまでオバマ大統領の言動を見るとかつての民主党クリントン大統領と同じように国防総省と軍、および軍産複合体のリストラを強力に進めつつある。

2013-10-18 06:58:33
藤原直哉 @naoyafujiwara

同時にオバマ大統領は現在の金融システムを根本的に改めて、銀行と証券を分離し、投機が行き過ぎてリーマンショックのような国家破綻につながる危機が二度と起きないようにルールを変えつつある。

2013-10-18 06:58:37
藤原直哉 @naoyafujiwara

TPPの秋の会合も結局オバマ大統領は欠席した。この重要な会議に欠席したということは米国は事実上TPPから降りたということだろう。米議会の極めて強力な反対を抑えることは最初から無理だったと思う。

2013-10-18 06:58:51
藤原直哉 @naoyafujiwara

・一方で今回は共和党の強硬派がオバマ大統領が始めた国民皆保険制度を止めるべきだと言って強力に抵抗し、それが直接的には政府閉鎖を長引かせた。もはや米国の議会も話し合いの余地がないぐらいに意見の差が広がり、政府の機能停止に陥り始めているということだ。

2013-10-18 06:59:07
藤原直哉 @naoyafujiwara

・また今回の政府閉鎖で多くの米国人が大変な影響を被った。公務員の給与が止まっただけでなく、品質検査機関が止まったために製品を出荷できなかったり、国の試験が実施できなかったり、住

2013-10-18 06:59:28
藤原直哉 @naoyafujiwara

宅ローンの政府保証が出来なかったり、思わぬところに影響が出た。同時に政府がこれで立ち直るわけでもなく、米国人は次第に政府の影響を受けないライフスタイルを構築していくことになるだろう。

2013-10-18 06:59:32
藤原直哉 @naoyafujiwara

・しかし逆から見ると米国は無理やり政府を止めてでも債務の肥大化を止めようという良心をまだ持っている。かつて政府丸抱えの高福祉国家だった英国や北欧も一時期債務の拡大で金利が高騰して国家破綻の危機に追い込まれ、無理やりに債務を減らすと同時に国の形を変えていった。

2013-10-18 06:59:47
藤原直哉 @naoyafujiwara

ところが日本だけは幸か不幸か昭和40年に戦後初めて建設国債を発行して以来、国債の発行が限度を超えて金利が急騰し、財政が崩壊したという経験がない。それを良いことに時の政権はあらゆる理屈をつけて国債発行と予算を膨らませ、足りないから消費増税で賄うというようなことをまだ続けている。

2013-10-18 07:00:01
藤原直哉 @naoyafujiwara

むしろ米国のように無理やりにでも政府を止めて抜本的に国を創り直すぐらいのことをしたほうがよいかもしれない。結局今のように政府支出に頼る人を増やしていくと国も企業も軟弱になり、最後にいよいよ財政が破たんした時に自立できない人ばかりになってしまう。

2013-10-18 07:00:16
藤原直哉 @naoyafujiwara

万事事なかれ主義の日本のリーダーの最も悪い影響が出ているのが止まらない財政の肥大化ではないか。

2013-10-18 07:00:30
藤原直哉 @naoyafujiwara

:これから日本はどのように生きていけばよいのでしょうか。 ・先日も訪日した米国の国務長官、国防長官がそろって千鳥ヶ淵の戦没者墓苑を訪問した。

2013-10-18 07:00:49
藤原直哉 @naoyafujiwara

これは米国側の意思によるものであり、米国ワシントンのアーリントン国立墓地に対応するものは千鳥ヶ淵であるということを明確に日本側に示す意図があったのだろう。

2013-10-18 07:00:53
藤原直哉 @naoyafujiwara

・振り返れば1995年ぐらいから米国は日本に軍事的な世界貢献と市場原理改革を行えと言い続けてきた。そのため今の安倍内閣でもまだこの2つの方針を進めようとしている。しかし米国はこの2つの方針から今明確に決別しつつある。そのことをまだ日本はよくわかっていないのではないか。

2013-10-18 07:01:08
藤原直哉 @naoyafujiwara

軍事貢献と市場原理改革の時代を米国のオバマ大統領は終わりにしようとしているのである。というよりもうそれを続けることが不可能なのである。

2013-10-18 07:01:21
藤原直哉 @naoyafujiwara

日本はここで20年ぶりに大きな国策の転換をしなければならない。恐らく平成のはじめ、冷戦が終わって世のリーダーが一斉に交代したようなことがこれから日本でも起きるのだろう。

2013-10-18 07:01:36