
薬の誕生秘話 ~血圧降下剤・サリチル酸・アスピリン・ニトログリセリン~
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sleep_sheep2010
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今日は薬一般の話を呟きます。最初からちょっと刺激的ですが「薬はそもそも毒」だという話をします。写真はクコの木ですが、葉を食べると虫は失神してしまいます。クコが身を守るために血圧降下物質を葉に蓄えたからで、これが血圧降下薬の始まりです。 http://t.co/6T3ueQ68WL
2013-11-15 19:02:19

クコの葉を、人が食べても大きな影響はありませんが、植物からとった精油(ちなみに精油とは植物に含まれる天然の油成分で、アロマテラピーなどにも使われています)などには高濃度の有機物質が含まれるために、人体にも影響します。昔から健康食品として珍重されていました。
2013-11-15 19:04:05
コクの葉のようなものの抽出物に含まれる有効成分をさらに化学的に解明し改良したのが血圧降下薬なのです。ということは、血圧降下薬の始まりは、もともとは害虫から身を守るために植物が進化の過程で持ちえた毒なのですね。
2013-11-15 19:05:34
ヒポクラテスは紀元前に活躍した医師であり、われわれ医師にとっては「医学の父」という尊敬の対象です。彼はセイヨウシロヤナギの樹皮を鎮痛薬として使ったと言われています。後にその鎮痛作用がサリチル酸であることがわかりました。 http://t.co/tMDeEj0E2i
2013-11-15 19:10:59

サリチル酸には強烈な吐き気を催す作用があります。セイヨウシロヤナギが害虫から身を守るために、それを使っていたのです。そういう意味では、鎮痛作用はセイヨウシロヤナギにとってはサリチル酸の副作用(要らない作用)であったわけです。われわれ人間は、そちらを利用させてもらっているわけです。
2013-11-15 19:13:56
ドイツ人のF. ホフマン(写真)の父親は、リウマチのために、セイヨウシロヤナギから抽出されたサリチル酸を服用していましたが、いつも激しい嘔吐で苦しんでいました。ホフマンは、父親の嘔吐を何とかしたいと考え、研究を重ねました。 http://t.co/y6mDgL2ltB
2013-11-15 19:16:28

ついにホフマンは、1897年、サリチル酸の水酸基をアセチル化したアスピリンを発明しました。これによりサリチル酸の強い吐き気に悩んでいた多くの人々が救われました。 このように、薬は副作用を少なくするように開発されてきています。が、それを皆無にすることは不可能なのです。
2013-11-15 19:18:57
今日の呟きの最後に、ノーベルの薬にまつわるエピソードをご紹介します。ご存知のように、ノーベルは自らが発見したニトログリセリンが兵器として用いられたのを嘆き、手に入れた財産を自らの死後平和につながる研究のために寄付しました。しかし、ニトログリセリンは薬にもなっているのです。
2013-11-15 19:21:38
ニトログリセリンは甘い味がするので、戦場で甘い物に飢えていた兵士が上官の目を盗んではよく口にしていました。そのことによって、偶然にニトログリセリンが心臓発作の痛みを和らげることが発見されたと言われています。運命のいたずらか、ノーベル自身も狭心症で苦んでいました。
2013-11-15 19:22:43
ノーベル自身もニトログリセリンを服用し狭心症の苦しみから逃れられたのです。写真はノーベルが友人にあてた手紙です。その中で彼は、ニトログリセリンが悪名高いために、トリントロンと名前を変えて売り出されていることを嘆いています。 http://t.co/s9gCFg0VBl
2013-11-15 19:27:37

今日は、代表的な薬の誕生について呟きました。アスピリンの元になった薬は、もともと植物の葉に含まれる毒物の副作用を利用して鎮痛薬として用いられるようになった。狭心症の薬は元々爆薬であった。つまり、薬は危険な物なのです。でも、ご安心ください。ニトログリセリンは体内では爆発しません。
2013-11-15 19:34:40