ノルンのレース四方山話 その3 「はいここテストに出まーす ―MotoGP2014年シーズンの傾向と対策―」

ノルン・K・アルトレーネ @Norn_K_Altlene

今夜も #ノルンのレース四方山話 のお時間なのです。今回はryosukeさんからのリクエストで、「はいここテストに出まーす ―MotoGP2014年シーズンの傾向と対策―」と題して、早いですけど来年のMotoGPの見どころを出来る限り分かりやすく解説するのです!!

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さて、来年のMotoGPの見どころなのですが、まずは今年ルーキーで最年少チャンピオンの記録を30年ぶりに更新したレプソル・ホンダのマルク・マルケス選手が来年どのくらい活躍するか、だと思うのです。http://t.co/2CG0DMv1Ez #ノルンのレース四方山話

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昨日の四方山話でも「世界一バイクを速く走らせるプロが集まっている」とお話しましたけど、そんな中で去年のチャンピオンのロレンソ選手やペドロサ選手、ベテランのロッシ選手を押しのけて勝ったわけですから、注目されるのも当然なのです。#ノルンのレース四方山話

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そこで注目なのが、去年までマルケス選手が走らせていたMoto2クラスのバイクと、今年走らせたMotoGPクラスのバイクではエンジンのパワーなどの強さだけでなくて、電子制御による走りへのアシストがあるかないかという大きな違いがあるということなのです。#ノルンのレース四方山話

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実はこの高度な電子制御による走りのアシストというのはMotoGPマシンならではなのですけど、今までそういうものに触ったことのないライダーというのは、走りの感覚の違いに一年目はだいたい戸惑うのが普通なのです。#ノルンのレース四方山話

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具体的にどういうアシストをしているかといいますと、たとえばコーナリングしているときに後輪が滑りはじめるのを感知するとエンジンのパワー調整に介入して滑らないギリギリのパワーに調整するトラクションコントロールがまず挙げられるのです。#ノルンのレース四方山話

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トラクションコントロールは最近のスーパースポーツでも採用されていたりしますけど、MotoGPで使われているのはもっと高度なコントロールを行ってより速く走れるようにアシストするすぐれものなのです。#ノルンのレース四方山話

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どのくらい高度なのかといいますと、普通のトラクションコントロールは前輪と後輪の回転速度の違いで滑りを検知するのですけど、MotoGPマシンはマシンの傾きなどからコースのどこを走っているのかを把握して、それに合わせたエンジンコントロールをしているのです。#ノルンのレース四方山話

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この機能を最大限に活かすにはライダーがその仕組みを感覚として理解して活用できる走りをしないといけないわけなのですけど、マルケス選手は自分の走りのスタイルを崩さずにマシンに順応した、という点がまさに天才的なのです。まだ20歳なのです。末恐ろしいのです。#ノルンのレース四方山話

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そして今年は最大のライバルだったロレンソ選手とペドロサ選手がレース中に骨折するなどしてポイントを落とすということも重なったのでよりマルケス選手有利になったのですけど、正直それを差し引いても強いのです。ルーキー最多勝記録達成してますから……。#ノルンのレース四方山話

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ただ、最後までタイトルを争い続けたロレンソ選手がオランダGPで骨折した時は、スペインにもどって手術したので欠場するのかと思ったら、そのまま戻ってきてレースに出て5位に入りましたからね……。まさに鉄人なのです。#ノルンのレース四方山話

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というわけで来年はチャンピオンとして追われる立場になるマルケス選手と、それを追うロレンソ選手・ペドロサ選手、そしてロッシ選手とのバトルが見どころの一つだと思うのです。#ノルンのレース四方山話

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二つ目の見どころ、といいますかよりレースが分かるように来年からの新しいレギュレーション。ルールの説明なのです。#ノルンのレース四方山話

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まずは、来年からはMotoGPクラスに参加できるマシンが「プロトタイプマシン」と「オープンクラスマシン」の二種類に分かれるのです。#ノルンのレース四方山話

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プロトタイプマシンというのは、マルケス選手が乗っていたホンダRC213VやヤマハYZR-M1、ドゥカティのデスモセディチ(ワークスチーム仕様)などのことなのです。とりあえずはエース級のライダーに与えられる最強クラスのバイク、と思ってもらえればいいのです。#ノルンのレース四方山話

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このマシンは来年からはエンジンをコントロールするECUという装置を、主催者指定のメーカー(マニエッティ・マレリ製)のものを使うことが義務付けになるのです(実は自前で開発しているのはホンダくらいなのですけどね) #ノルンのレース四方山話

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ただ、そのECUを動かすプログラムはメーカーで自由に書き換えられるのでそれぞれのマシンのエンジンに合わせたきめ細かい制御ができますけど、代わりに燃料タンクの容量が20Lに制限されるのです。#ノルンのレース四方山話

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プロトタイプは今年より使える燃料が制限されるので、燃費をよりよくして、なおかつ今よりタイムを落とさないようにしないといけないので開発は大変だと思うのです。今も研究所ではあれこれトライが続けられていると思うのです。#ノルンのレース四方山話

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もうひとつのオープンクラスは、MotoGPクラスに少しでもたくさんのマシンに参加してもらうために用意されたリーズナブルなMotoGPマシンのためのクラスなのです。#ノルンのレース四方山話

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これは今年までCRTと呼ばれていた市販用バイクのエンジンを改造したマシンのクラスの代わりとして用意されたものなのです。いくら改造されているとはいえ、純粋なレース用エンジンと市販車用エンジンでは戦闘力の差が激しすぎたのです。#ノルンのレース四方山話

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オープンクラスでは、ECUはプロトタイプと同じメーカーのものを使いますが、中のプログラムはプロトタイプと違って書き換えができないようになっているのです。#ノルンのレース四方山話

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今回はホンダがRC213Vから高価なパーツを取り除いた仕様の"RCV1000R"、ヤマハはYZR-M1のエンジン・フレーム・後輪とサスペンションをつなぐスイングアームのパーツ一式を安く提供するなどのサポートを行っているのです。#ノルンのレース四方山話

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それとドゥカティ・デスモセディチのECUをオープンクラス用に置き換えたマシンと、今年CRTクラスで活躍していたレース専用のフレームにカワサキのZX-10Rの改造エンジンを積んだマシン、アプリリアRSVシリーズの改造エンジンを積んだマシンが参加予定です。#ノルンのレース四方山話

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あと、プロトタイプとオープンクラスでの大きな違いは、年間に使えるエンジンの数の制限がプロトタイプでは5基に対して、オープンクラスでは倍以上の12基使えるという違いもあるのです。#ノルンのレース四方山話

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ただ、いくら使える燃料の量が減るとは言っても、メーカーが本気で開発を続けているプロトタイプ勢には勝てないんじゃないか、と思うかもしれませんけど、これがそうとも限らないのがミソなのです!! はいここテストに出ますよー!! #ノルンのレース四方山話