RGD・・・とある車中の会話

リカ=アナグラム @rika_anagram

リチャードは悲しそうに首を振って答える。

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「いやそのまさかなんだ。炊事は子供のお料理よりひどいレベルね。目玉焼きですら玉に失敗する。」

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サイラスの表情が固まる。 リチャードは畳み掛けるように続ける。

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「仕事が忙しいのはわかるんだが、部屋の床は色んな物でほとんど埋まっているわ、衣類も出しっぱなしだわ、とね。」

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サイラスもショックを受けつつ何とか笑顔を作り上げる。

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「…悪化してたんだな。兄貴としちゃ心配にもならぁな。」

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「祐司の事も心配なんだが、現状を考えると不安になるんだ」

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「使用人…アメさん流に言えばメイドだったか？雇うような旦那探さねえとな。あいつの手料理を食わされる旦那が早死にしない為にも…」

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「あぁ本当にね。あとは家事万能で夜の女にも理解のある…いやそんな立派な御仁とは知り合う機会がなさそうだ」

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「難しい条件ばかり重なって相手を探すのも大変だな。お兄ちゃん。」

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「ん？そこの角を曲がらなくていいのか。」

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「やべっ、行き過ぎた。…少し遠回りすることになるけど大丈夫かね？」

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「私は構わないよ、そこまで一杯は食べられないからね。」

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サイラスの顔色が明らかに変わった…

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「待てよ。いっぱい食べられないってことは、もしかして今日の集まりって…まさかパスタ会だったりしないよな？」

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「分かっていて確認するな。私の分はわけてやらないからな。」

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「ひでぇな。幼馴染は大事にしようぜ。」

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「それとこれとは別だ。ローズのパスタは絶品だからな。私もしっかりと食べたいんだ。」

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「そこを何とか！美味いお茶をいつも淹れてやってるだろ。」

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「うーん…そこを突かれるときついな。仕方ない、少しだぞ。きっとローズのことだから多めに用意してくれているだろうし、食べ切れなくて残してしまうことになったら申し訳ないからね。」

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「さっすがリチャード、ウェインの小僧と違って話がわかるぜ。」

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「勿論食後には美味い茶を淹れてくれるんだろう？」

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「当たり前だろ。今までで1番美味い茶を飲ませてやるから期待して待ってな。」

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そうこうしているうちに二人の車は目的地に辿り着く。

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「車を置いて来るから先に行っててくれ。パスタの件よろしくな。」