大罪戦闘企画

第十公演《秋風の誘い》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

−−りぃん…… 聳えるほど高い棚。紅と黒の背表紙の本が収められた本棚。 周囲に浮かぶは本の群れ。ぺらりと独りでに捲れては、文字の森を踊らせる。 「……かつて、」 大罪は八つであった。奪い合い、潰し合い、消え去ったのは、『憂鬱』と『虚飾』。座を獲得したのは、七つ。 少年は嗤う。

2013-11-21 22:03:08
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

演者は選ばれたよ! ああ楽しみだなあ! こんどはどれだけ僕を楽しませてくれるのかなあ! あははははははっ!

2013-11-21 22:03:45
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第十公演》 【色欲】ラフスー (@Yukimi_7ds) vs 【強欲】アプレースティア (@ratan_ruten)

2013-11-21 23:46:27
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……11月22日0:00より……第九公演、第十公演、第十一公演、第十二公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-11-21 23:47:26
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

準備はみんな整ったかな? それじゃあ楽しい劇の時間だ! みんな殺し合って!奪い合って! その箱の中で惨めに踊り狂ってよ! 君らは愉快な操り人形なんだからさ! あははははははははっ! さあ、始めよう! そして、 . . 死ね。

2013-11-22 00:00:18
カーデ @ratan_ruten

「ここは……」 振り戻る感覚。揺さぶられたような心地と不思議な意識の覚醒。 ざぁと頬を撫でるわひんやりとした秋風。 いつの間にか何もない荒野に立っていた。 「そうか……また戦えってんだな」 指を開閉する。そこに微かに残るは人間の微かな肌の残滓。

2013-11-22 00:12:38
カーデ @ratan_ruten

「おい、誰かいるか」 ただ広い荒野に投げかける。 あたりを見回さず、ただじいっと動かず。 盛り上がった筋肉と、そこに付属するタンクトップを微調整。深く呼吸をする。 「……戦うのは御免なハズなんだがな」 ポケットに手を突っ込み、欠伸。そのまま枯れた草木に寝転ぶ。

2013-11-22 00:17:18
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

——さり、と、その枯れた草を踏む音を立て。 さりさりと、問いに応えるように、足音を隠しもせず。衣装に垂れる連珠が擦れ、ちりちりと鈴のようになる音も、在るまま鳴るまま響かせて。 涼しい風に靡いた衣装を押さえる事も無く、女は、寝転んだ男のその顔を覗き込んだ。 「——呼んだ?」

2013-11-22 00:25:56
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

膝に手を当て、腰を曲げ、白い髪を靡かせて。 まるで声が聞こえたから来ましたと言わんばかりに音を紡いで、女は双つの緑を瞬かせた。一つ、間を置いて。 ——『こういうの』は、久々かも。 そんな事を、表情の奥に隠し、思う。

2013-11-22 00:25:56
カーデ @ratan_ruten

「……呼んだ」 女の登場に動転。自分で呼んだが、こんなにも速く訪れるとは思わなかった。 ついでに、女だとも。 「あんた、面白い雰囲気してる」 寝転びながら、相手に指を指す。 他人に指を指すな、という母の言いつけはとうに忘れた。

2013-11-22 00:32:16
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

「面白い、かしら? 初めてだわ、言われたの」 面白いものを探しに来たのは自分の方なのだが。突きつけられた指先には軽く首を傾げて、自分の右手の人差し指の先を、つ、と合わせる。 「私も、こんな所で平和におやすみしてる人がいるなんて、意外だけれど」 やはり見下ろしながら、女は言う。

2013-11-22 00:36:34
カーデ @ratan_ruten

「そうか、俺も……言ったのは初めてかもしれない」 出来るだけ女と顔を合わせないようたじろぎながら答える。 どうも、女性というのは苦手だ。 「寝てたのは待ってたからなだけだ。今すぐ起きてやるよ」 怠気に半分まで身体を起こす。 その際、タンクトップについた木の葉を払い落とす。

2013-11-22 00:39:47
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

さっさと外されてしまった視線にあら、と胸中に声を零す。手を引いて、上体を起こした背中を見やり。 ——くすりと、彼には聞こえないように、笑みを浮かべ。 「まだ付いてるわよ、ほら」 指を伸ばす。わざと背に手を、ゆるり、這わせるように——そのまま、枯れた一枚を指先で掬い上げた。

2013-11-22 00:42:59
カーデ @ratan_ruten

「…………!!」 慌てて女の手を振り払い、立ち上がる。 背中にはゾワゾワとした寒気が走り、男……アプレースティアを震わせる。 「……あ、いやすまねえ」 両手を挙げ悪意がないことを示す。 いきなり振りほどいて、少し罪悪感は感じる。

2013-11-22 00:47:02
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

手と手のぶつかる軽い音、軽い衝突。『驚いた顔』を作る。内心には予想と重なる反応——ああ、これは、『面白い』……。 「いえ、急にごめんなさい? びっくりしたかしら」 眉尻を下げる。弾かれた手を、もう片方の手で押さえるように胸元に。仕草につられて紗が揺れて、玉がちりんと音を立てた。

2013-11-22 00:52:19
カーデ @ratan_ruten

「いや、そういうわけじゃないんだが」 眉尻を下げ、どこか妖艶な仕草を取る女にしどろもどろになる。 やはり、この手の手合いは苦手だ。 「あんた……名前は」 やはり目を逸らしたまま疑問をぶつける。 肩を慣らし、視線は合わせない。

2013-11-22 06:43:52
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

「そう? なら良かった」 ほう、と、胸を押さえて柔らかく笑みを浮かべる。視線を外されての問いには首を傾けて見せ。 「私は、ラフスーよ。貴方の名前を聞き返してもいいかしら」 呼びかけもできないわ。そう続けて言って、追いかけるように下からその顔を覗き込む。いちいちの反応が、楽しくて。

2013-11-22 08:55:30
カーデ @ratan_ruten

「……アプレースティア」 追いかけてくる女の視線を避けつつ答える。 ちらりちらりと映る緑の瞳と、銀の残滓がアプレースティアを惑わす。 「強欲だ」 手を伸ばし、女の視線を遮ろうとする。 ふわふわとした雰囲気に流されまいと心に決める。

2013-11-22 09:08:54
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

「――『アプレースティア』」 反芻、復唱、吐息混じりの僅かにさざめく声音でそう繰り返す。遮るように、遠ざけるように隔てる為の手が突き出されるのを見て、笑んだ。 「『強欲』に会ったのは、初めてだわ」 手を伸ばす。強欲の指に指を絡める――引き寄せるように、誘うかのように、やんわりと。

2013-11-22 10:50:24
カーデ @ratan_ruten

「そう言うあんたは、『色欲』か……?」 声を押し殺す。 流れる雰囲気と、そのふんわりとした話し方。 それだけだが、確信はある。 「……おい、やめ……」 絡められた指を振りほどこうとして、思い留まる。 また失礼になったら困る。

2013-11-22 12:15:51
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

くすりとわらう。今度は、隠さず。 「そう、『色欲』よ。……やっぱり分かっちゃうのかしら?」 後半には苦笑を混ぜ込む。振り払われなかった手を、まるで恋人がするかのように握り締める。それでも軽く手を振れば、それで離れて行くだろう。彼を真っ直ぐに見上げた緑を、ほんの僅かに細めて。

2013-11-22 12:32:36
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

「アプレースティア、貴方は、此処で何をしていたの?」 半歩、距離を詰める。紗の衣擦れと玉の鳴る音。秋風が微かに髪を揺らして麝香が緩やかに広がる。 ——彼はこれでまた、身を引いてしまうかしら。思いながら、もう半歩、進み出て。

2013-11-22 12:32:38
カーデ @ratan_ruten

「……何をしなくちゃいけないんだろうな」 弱く結ばれた指はほどかず。 いよいよ嫌になるのならばすぐにでもほどいてしまえば良いと割り切り、諦める。 しかし、指の隙間から映る緑の宝石と銀の糸にまたもや心を揺らされる。 動揺を隠すように、がりがりと頭を掻く。 「あんたは何をしに」

2013-11-22 14:04:46
ゆきみかなめ@準備中 @Kaname_role

首を傾ける。なら、彼は目的があってここに来たのではないのか。——そうは言っても、こちらも。 「私は、送り出されちゃったのよね。何をするでもなくて『面白いものがあるかもしれないから』、って」 するり、手を離して、そして代わりに自分の頬に手の平を当てた。どうしたものかしら、そう呟く。

2013-11-22 14:41:23
カーデ @ratan_ruten

「面白いものなんてないだろうよ」 離れた手をすぐさまポケットに収納する。 微かに残る体温の余韻。それを早く消したくて。 こんな経験、初めてでどうすれば良いのか分からない。そんな感情を胸に滲ませる。 「どうしたもこうしたも、やることは一つじゃねえのか」

2013-11-22 20:10:34