「名探偵の殺人防御率」から「事件を未然に防ぐ名探偵」へ
- mokugyo_note
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「マイノリティ・リポート」は、『ポスヒュー』のSFミステリ論で取り上げるのを断念した作品だったりするのですが、渡邉さんの映画論で論じていただき、ちょっと安心したことを思い出しました。
2013-11-30 02:37:03話題を戻すと、探偵役が未然に事件を防ごうという『虚無』の英雄的行動(?)を引継ぎつつ、あらたな装いとしたのが『匣の中の失楽』だったのではないか、ということを以前論じたことがありました。
2013-11-30 02:47:45『君の望む死に方』が面白いのは何故だ? あれは「犯人」視点だっけ、それなら探偵が行うことが事件を未然に防ぐことだけでも、犯人と探偵の対決が成立するからかな。
2013-11-30 02:37:07@K_misa_maguro 「未然に防ぐ」ということは犯行前に重点が置かれるわけで、倒叙とは相性がよさそうです。『君の望む死に方』では、もう一人実行犯が登場するのもポイントでしょうけれど。
2013-11-30 02:46:15@youmoutei 事件自体は終わってから推理を始める探偵と違って、犯行計画を進行中の犯人と真っ向勝負させられるってことですね。倒叙と相性が良いというか、倒叙で書かないと何が起こっているのかさっぱり分からないということなのかも。
2013-11-30 03:02:47皮肉な話だけど、常に事件を未然に防げてしまったら、部外者からは絶対に、その人は「名探偵」とは呼ばれないですよね。見かけ上は何も起こらなかったのだから、関わった人間に光が当たることはない。
2013-11-30 02:50:40江神さんも未然に事件防いでたな。普通の人は見逃すような点に違和感を覚えた探偵役がより大きな破局に至る前に食い止める話、と捉えると、日常の謎とも相性良いような。
2013-11-30 02:54:35@mokugyo_note 背後に実は大事件が、という作品を「日常の謎」カテゴリに入れるかは賛否あると思いますが、少なくとも日常の中で謎を発見し、日常の謎の範囲を出ないうちに食い止めた、という捉え方はできますね。
2013-11-30 03:11:31@K_misa_maguro 「日常の謎」の中でも、円紫さんシリーズみたいに人間の悪意を取り上げた作品なら、そのまま放っておけば刃傷沙汰になったかもしれない物件がありますしね。
2013-11-30 03:17:43@mokugyo_note 普通は見逃すくらいに些細だけど不可解な状況の裏に、事件に繋がりかねない悪意が存在した、と指摘して終わるから円紫さんは「日常の謎」なんだと思います。起こり得たかもしれない事件の方が物語の焦点なら、まさに事件を未然に防いだ探偵という認識になりそうです。
2013-11-30 03:29:49名探偵が自他共に認める名探偵たりうる為には最低限「被害者」が必要なんだな。被害者が出て初めて、そこに「問題」「事件」が存在すると部外者からは認識され、同時にその事件を解決した者に注目が集まる。名探偵の誕生。
2013-11-30 03:41:14事件を未然に防ぎ一人も被害者を出さない探偵は、起こった事件を解決する探偵よりも人の役に立っているかもしれないし、探偵としては優れているかもしれない。けれども被害者が出なければ事件にはならないし、問題にされることもない。探偵の活躍は不可視であり、「名探偵」と呼ばれることもない。
2013-11-30 03:49:11どんなに重大な事情や問題があっても、それが事件化しないように努力している人がいるうちは問題とは認識されず、事件が起こり被害者が表に出てきて初めて問題が可視化されるというのは、なにもフィクションの世界に限ったことではなく、大抵の社会問題にはありがちなような。
2013-11-30 04:05:21現実の問題だと、事件に至らないよう未然に防ぐ能力を持った人というのは、事件を防ぐという点では人の役に立っているけれども、可視化されないと解決しない問題の場合は、問題が可視化することを阻んでいると考えると害悪にもなるのかも。それだと起こった事件を解決できる人の方が役に立つ。
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