欺瞞動画の会社
@naclaqns
サイドカーから見上げると、相棒の影はいつも雄大な山のようだ。今夜はそれが少し暗い。アースクエイクの知能指数は実際高く、その考えを読む事はできない。だが彼が何を感じているかだけは分かる。ニンジャ第六感は常に正しい。相棒は疲れている。筋肉で鎧った体躯の奥底に深い疲れを隠している。 1
2013-12-03 01:16:49
欺瞞動画の会社
@naclaqns
「ヒュージ」不意の呼びかけに、ヒュージシュリケンはそれが山塊でない事を思い出した。「ヒュージ。少し休まないか」見たことか。そう言うだろうと思った。「休む?いいけどよ、このへんにはモーテルの一つも」「違う。もう少し…もっと長く。休まないか」「休暇か?このシュラバに」 2
2013-12-03 01:18:29
欺瞞動画の会社
@naclaqns
ハイウェイ灯が大男の姿を一瞬だけ照らし、すぐに後方へと流れて行った。ヒュージシュリケンは寒気を覚えた。巌のような相棒の顔に、死相が浮かんでいた。「休暇だ。長い、スゴイ長い…」「アア、分かった。今はドサンコもいい季節だしな。それとも思い切ってオキナワでも行っちまうか?」 3
2013-12-03 01:18:44
欺瞞動画の会社
@naclaqns
「それも悪くない。だが」いつもそうだ。アースクエイクはもう決めている。今の会話に意味など無い。意見を求めたのは形ばかりの対等を演出するために過ぎない。そのくらいは、ヒュージシュリケンにも分かる。そしてそれも見透かされている。「悪くないが」「何だよ、もったいぶりやがる」 4
2013-12-03 01:19:03