犬リ小タグをまとめてみたよ

リレー小説のついーとをさっくりとまとめていきます。
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雪見だいふく @_08652_adt

@amane_te @vide_boite @flower_lamp @hinata_polo 結果発表ー。1:ケイさん→2:犬一(設定)→3:ひなちゃん→4:雨姐さん(テーマ)→5:のぞさん。になりましたー。

2013-11-18 20:56:38
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

1) 吐く息は白く、時々吹く風が唯一露出している顔をチクチクと刺すように襲ってくる。寒さで赤くなった鼻を啜りながら、顔を少しでも隠そうとマフラーを引き上げる。12月も終わりが近づくにつれ、より一層寒さがましてきたのが肌で感じられる。 #犬リ小

2013-11-23 15:54:22
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

2) 「にぃに、早く早く。ケーキが無くなっちゃうよー」 繋いだ手をグイグイと引っ張りながら、先を急ぐ年の離れた妹の立花(リッカ)に半ば引きずられるような形で歩く。 「そんなに急がなくたって大丈夫だって。そんなことより前見て歩かないと転けるぞ」 #犬リ小

2013-11-23 15:54:31
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

3) 夕方の駅前商店街はクリスマスだけあって、行き交う人々や色とりどりのイルミネーションや音楽で賑わっている。 店頭ではサンタクロースの衣装を着た人が客寄せをしていたり、ケーキの箱や大きな紙袋を持った人と度々すれ違ったり、商店街はいつもより賑わっている。 #犬リ小

2013-11-23 15:55:11
雪見だいふく @_08652_adt

1)ドンッ。不意に誰かとぶつかりよろける。「すみません」と振り返るとサラリーマンらしい男の背中が人ごみに消えていくのが見えた。 皆忙しいんだな。挨拶もない男の態度に少々ムッとするが、そう言い聞かせて納得する。追いかけても仕方がないし、今は妹がいる。揉め事は避けたい。 #犬リ小

2013-12-03 23:04:07
雪見だいふく @_08652_adt

2)立ち止った自分を怪訝そうに見つめる妹に 「なんでもない。それより急ぐんだろ?」肩を押して先を促す。目的のケーキ屋はもう目と鼻の先だ。 #犬リ小

2013-12-03 23:04:19
雪見だいふく @_08652_adt

3)店内はすごい混雑で、30分待ってようやくあと3人で自分の番というところまできた。 「いちごがいっぱい!このケーキだよね?ね?」レジ横のケースにならんだサンプルを見て立花が歓声を上げる。 「おかあさん、よろこぶねっ。いちご好きだもんね」 #犬リ小

2013-12-03 23:04:32
雪見だいふく @_08652_adt

4)「そうだな」適当に相槌を打ちながら、前の人の様子を見るともなしに眺める。あと2人。あ、そうだ。俺も引換券出さないと。 この盛況なので、クリスマスケーキは完全予約制になる。予約した時に貰った引換券と代金を渡して初めてケーキが貰える。 どちらも財布の中だ。 #犬リ小

2013-12-03 23:05:08
雪見だいふく @_08652_adt

5)ついでにお金も用意しとくか。そう思いながらコートのポケットを――ポケットを――――財布が、無い。 慌てて体中叩いてみる。無い。え、なんで?!パニックになった頭の中で 「これ食べたら、おかあさん、元気になるかなぁ」「次の方ー」 店員の明るい声と立花の呟きが重なった。 #犬リ小

2013-12-03 23:09:15
ひなた@削除します @hinata_polo

1)必死に記憶を遡ってみる。出掛ける間際、確かに財布をコートのポケットに入れた。長年使い続けてすっかりぼろぼろになったファスナーには、立花がくれたウサギのマスコットがついており、それが引っかかってにちりんと鳴った。では、いつ無くしたのだろう。#犬リ小

2013-12-16 23:16:51
ひなた@削除します @hinata_polo

2)思えばこの一年はついてなかった。春先に母が体調を崩し入院してからというもの、立花の保育園の送り迎えに、合間を縫っての家計を助けるためのバイト。くたくたになって帰宅してから、教科書を開いてみるものの、気づけば机に伏して寝てしまう日々だった。#犬リ小

2013-12-16 23:16:56
ひなた@削除します @hinata_polo

3)部活やらショッピングやらに連れ立って教室を出ていくクラスメイトを横目に、必死に毎日を過ごした。 そんな中、今日のためにこつこつ貯めていたというのに、諦めるしかないのか。ケーキも、立花へのクリスマスプレゼントも。#犬リ小

2013-12-16 23:17:00
ひなた@削除します @hinata_polo

4)きょとんとこちらを見上げる立花から思わず目を反らす。 「……すいません、ちょっと、出直してきます」 「にぃに? ケーキは? サンタさんは?」 不安げな立花の手を引き、その場を去ろうとすると、サンタ帽を被った女性定員が、にっこりと微笑んだ。#犬リ小

2013-12-16 23:17:03
ひなた@削除します @hinata_polo

5)耳の下で二つに結んだ髪が、軽やかに揺れる。 「大丈夫。ちゃんと良い子にしてた子のところには、サンタさんが来てくれるよ」#犬リ小

2013-12-16 23:17:07
雨音 @amane_te

1) 「はぁい、どうぞ。」  彼女は、抱えていた「試食品」と書かれた紙の貼られたボウルから、割れたクッキーをひとかけ手にとり、立花の口元へと持っていく。 「星野、か?」 「やっほー大崎君。この子妹さん?可愛いねぇ。」 「うん、立花っていうんだ。」 #犬リ小

2013-12-20 18:17:13
雨音 @amane_te

2)  格好は教室でみかけるいつもの制服姿ではないし、今日の俺たちの立場は店員と客なのに、彼女の俺に対する口調も態度も普段のクラスメイトに対するものそのままで、なんだかすごく安心してしまった。そういえば店の名前、「パティスリー・ホシノ」だったなと、そんなことを思い出す。 #犬リ小

2013-12-20 18:17:27
雨音 @amane_te

3) 「大崎君、ずっと並んでたじゃん、帰っちゃうの?うちのケーキ買って行かないの?」  問われ、言葉につまる。咄嗟にうまく誤魔化す言葉が思い浮かばず、財布を忘れたことを正直に白状した。星野は「お母さんと相談してくるからちょっと待ってて」と、店の奥に入っていった。 #犬リ小

2013-12-20 18:17:59
雨音 @amane_te

4)  立花の手を握ったまま待つこと数分、すぐに、星野は小走りで俺たちのところへ戻ってきた。 「あのね、大崎君、よかったらなんだけど、今から少しだけうちのお店手伝う時間、なぁい?」 「は?」  彼女の口から出た意外な言葉に、俺は随分間抜けな声を返した。 #犬リ小

2013-12-20 18:18:30
雨音 @amane_te

5) 「今日うちのお店人手が足りなくって。ちょっとね、高いとこから物を上げ下ろししたり、重いの運んでもらったり、ていうだけなんだけど、ダメかなぁ。もちろん終わったらケーキも持って帰っていいし、バイト代もちょっとだけど出すよ、って、お母さん言ってるの。」 #犬リ小

2013-12-20 18:19:35
燈乃 @flower_lamp

1)どうかな?と星野は微笑んだ。 腕時計を見る、今は16時を少し過ぎたところ。母が入院している病院の面会時間にもまだ余裕があるし、何よりここでケーキを諦めるわけにはいかない。 「にぃに…」 コートの裾をつかんだ立花が不安そうな声で僕を呼んだ。 #犬リ小

2013-12-21 14:31:44
燈乃 @flower_lamp

2)「大丈夫だよ」 しゃがんで立花と目線を合わせた。 「にぃに、ちょっとお店のお手伝いを頼まれたから行ってくるよ。立花はここで待ってくれるか?」 口の端に付いたクッキーの食べかすをそっと払い落としてやりながら、小さな妹が安心するようににっこりと笑いかけた。 #犬リ小

2013-12-21 14:31:55
燈乃 @flower_lamp

3)「じゃあ立花ちゃんにはこっちお願いしようかな」 星野はカウンターの奥からトナカイの角の付いた髪飾りを取り出し立花の頭に付けた。 「サンタさんのお手伝いといえばトナカイさんだよね」 ショーケースに映った自分の姿を見て笑顔になった立花の様子を見届けて俺は店の奥に入った。 #犬リ小

2013-12-21 14:33:10
燈乃 @flower_lamp

4)入ってすぐのところで星野のお母さんが待っていて、そのまま備品室まで案内された。 「ここにある段ボール箱を調理場まで運んで欲しいの」 そう言って、よいしょとラックから段ボールを引っ張り出す。見た目より重そうなそれをためしに一つ持ち上げてみた。まぁこれなら大丈夫そうだ。 #犬リ小

2013-12-21 14:33:38
燈乃 @flower_lamp

5)「ケーキ、お母さんのところに持っていくの?」 星野のお母さんの言葉に、抱えたばかりの段ボール箱を落としそうになった。 あれ、俺、星野にそのこと話したっけ? 「あ、聖くんのお母さんね、私の中学の同級生なの。バースデーケーキは毎年うちで注文してくれてたの知らなかった?」 #犬リ小

2013-12-21 14:33:50
ケイ@鈴村だった者(低浮上中) @vide_boite

1)そう言われて、今年の誕生日ケーキのことを思い返してみると、さっき見たショーケースの中に同じケーキがあった気がする。視線を落とすと、手に持ってるダンボール箱の中に見覚えのある箱があった。 どおりで星野に話したことがないはずのうちの事情を知っているのか、と納得した。 #犬リ小

2014-01-03 00:40:12