[ツイノベ]煙草は仕事中吸わない方【腐】

ホモ臭い何か。RK×RG臭。 ↓にまとめたよ http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3138736
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虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 藍から紫、茜。そこから残光を残して白み夜空へのグラデーションがやけに綺麗な夕暮れ。小さな切り欠けみたいな細い月を見上げながら、仕事中は吸わないように奥にしまっている紙巻き煙草とオイルライターを取り出す。癖で背を丸め、人差し指と親指で摘まんだ煙草に灯をともす。

2013-12-06 17:08:32
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 吸い込みながら、移った火が消えぬようにライターを持つ手で風を遮る。タールの甘い匂いに目を細める。仄かな残照を遮り影となって顔が見えぬが、見覚えのある背格好のRGがグリフォンから降り従え、俺の方へと歩み寄って来るのを尻目にゆっくりと肺の奥まで紫煙を吸い込むと→

2013-12-06 17:22:34
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 同じくゆっくりと長く肺の全てを吐き出す様に燻らせた。「ああ、やっぱり○○クンだ。休憩?サボり?」RGからRKに声を掛けるのは結構珍しい。軽い口調で笑みを含ませながら話し掛けてくるが、特に特殊な相手で歳は親父くらい離れている。普通のRGなら身構える所だが想像→

2013-12-06 17:38:53
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 通りの相手だったので無表情から愛想のいい営業用の微笑みを浮かべて返す。「こんばんは、ダールベルクさん。人聞きが悪いですね…仕事上がりですよ、今日は直帰ですから」冷やかすように目を細めて意地の悪い笑みを浮かべ、再びゆっくりと紫煙を吸い込む。「ごめん、ごめんw→

2013-12-06 17:46:53
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 気分を損ねたなら謝るよ。キミは若いのに真面目だもんね」悪戯っぽく笑いながら返すのに、目を細めて閉じて再び紫煙を燻らす。煙草は吸わない人だったが嫌がる事はなかった。ゆっくり目を開いて微笑み直すと何か言いたげな表情をいつもの様に浮かべていた。「僕は真面目ですよ、

2013-12-06 18:09:52
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL いつも…。ダールベルクさんも一服如何です?」断られるのを知っていながら、俺はいつも通り尋ねる。「あ、いや、オレは吸わないよ。いつも言ってるじゃないかwただ、いつもキミは美味しそうに煙草を吸うから…」少し気まずそうに戸惑う姿、何らかの意味がありそうな仕草で→

2013-12-06 18:20:17
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 惹かれる。「美味しいですよ、吸ってみたらいいじゃないですか…聖騎士でも喫煙する方はいくらでもいらっしゃるでしょう?」試すような見透かそうとするような表情を浮かべて、意地悪く口の端を上げて笑う。「僕の表情を見ていて過去にいい仲だった人でも思い出すのでは?→

2013-12-06 18:24:51
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL いい加減教えてくれても良いのではありませんか?こんなに何度も聞くのに…」気まずそうに視線を逸らしてから、今更取り繕いで茶化して笑う。「おじさんの恋バナなんてそんなにしつこく聞いてどうするのw」「そりゃあ、興味があるからですよ。私はいつでも真面目ですからねぇ」

2013-12-06 18:34:04
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 真っ直ぐ真剣そうな表情でじっと見つめて、それから緩やかに笑って見せる。年嵩の癖に表情に出やすいタイプなので誤魔化しが見て取れる様子で視線を更に反対へ逸らされた。「じゃあ、昔そういうこともあったって事にしておくよ」以前と少し回答が変わった。口の端で煙草を咥え→

2013-12-06 20:12:10
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 戯けた調子で小首を傾げた。「聞きたそうにしてもダメだよ、何せ恋人にも話したことがない話なんだから…」流石に俺も動きが止まって間抜けに戯けたまま固まってしまった。相手は躱す為にしれっと言った癖に恥ずかしいのか慌てて背を向ける。「じゃあ、帰るよ。○○クンも寒い→

2013-12-06 20:17:34
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL から、風邪ひかない様に早く帰りなね」言葉と共にグリフォンに跨がると手綱を引き寄せた。「あ、あと、吸い殻はちゃんと持ち帰りなよ」振り返りウインクしたのを見て、どっと疲れたような気がして口に咥えた煙草を指先で抓んでひらひらと手を振った。話し込む内に随分短くなった

2013-12-06 20:23:47
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 煙草を一蒸かしした後にお行儀良く言われたとおりに携帯灰皿に放り込んだ。「お気を付けてお帰りください」棒読みに言って返すと不思議そうな顔をされたので、いつも通り営業スマイルを浮かべながら二本目に火を灯す。脈があればなどと粉をかけていただけに非常に複雑な気分→

2013-12-06 20:26:25
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL だった。本気で落とそうと思った訳ではなかったがそれはそれで少し寂しい様な気持ちになった。夕闇がそうさせるのだと考えつつ、再び深く紫煙を吸い込んだ。「あれぇ?センパイ!サボりっすか?」煙草美味いなぁと和んだ所で脳天気で感傷に触る声が響き、俺は声がした方を睥睨し

2013-12-06 21:32:47
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 背を曲げてそいつの顔に自分の顔を寄せると、その低脳そうな面に思いっきりぷはぁっと勢い良く紫煙を吐きかけた。「うぇへっ…げはっ…け、けむっ…」有害物質たっぷりの煙の煙を吐きかけると、いつも煙いだけの煙草を吸う癖にそいつは噎せて藻掻いた。良い様だと笑みを浮かべ→

2013-12-06 21:41:30
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL かけた所で失念していた重大な事実を思い出して、うんざりとした表情で眉根を寄せた。そして、更にただでも悪い人相をいつも相手にしている怪しいお仕事の奴等みたいな表情を浮かべて恨めしそうな声を上げる。「ワタシとした事が、アナタの不快な声を聞いてうっかり自分でも→

2013-12-06 21:43:37
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 驚愕するような失態を犯してしまいましたよ。いつも声を掛けるなら、静かに挨拶からする様に言っていますよね…ただでもあまり利口ではないのですから、記憶力を鍛えましょうよ、ねぇ?」自分より身長が低くあったが、俺相手でなければ怖がられそうな図体の後輩が怯える様子に→

2013-12-06 21:49:17
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 満足げににたりとこれまた怯えるであろう笑みを浮かべてから、改めて気分転換の一服を吸い込む。「何なんすか…煙いし、更に怒られるし…「死ね…」聞こえるか聞こえないかだが、確実に聞こえたであろうタイミングで台詞を言い終える前に殺気を孕んだ声で囁く。「はぁ、しかし…

2013-12-06 21:52:45
虚無僧の柘榴石 @toxic_ruby

@sousakuTL 寒いですねぇ」妙にしんみりしてしまった。が…「家帰ればいいじゃねぇっすか」「灰皿にされたいですって?」「……」今日は彷徨いてるとろくでもない事しか起きそうにない。まだ吸えたが、早々に携帯灰皿にしまい。火を消すと背を向けた。(終)

2013-12-06 21:57:26