映画『ゼロ・グラビティ』感想

ムー @muu

映画『ゼロ・グラビティ』感想。大筋は予告編で観てて「宇宙に投げ出された二人だけで「物語」になるの？どんなんだ？」という興味が尽きず、観に行くことに。3D吹替にしたのだけど、3Dは良い思い出がないので相当迷った。でも何となく「今度こそは」という予感があり決断したが、これが大正解！

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間違いなく、3D映画最適の題材！3Dで観るべき映画にやっと巡り合えた！これまでの3D映画、っていうか映画って、基本的に「地上」の物語で、たとえ超アクションがあって空飛んだりしてても「地上に降り立つ」シーンがとりあえずあって、その瞬間画は「静」になる。その時3Dは不要になるんだよね

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不要と言うと大げさかもだけど3Dの必要性が少ない。これまでの3D演出は、「静」のシーンでは形を潜めている癖に「動」のシーンでここぞとばかりに「3Dでっせ！」とアピールかましてきてたのが、とにかく興醒めだった。物語そのものよりも映像技術のお披露目会につき合わされてる気分になってさ

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しかしゼログラは無重力宇宙空間の話で、常に「動」の3D。あらゆる物体が留まることなくゆっくりでも高速ででも縦横無尽に漂うし動いている。遠くに見える背景も然りで、上も下もない。無重力空間を、（基本的に）一貫して、観客に体感させてくれる。重力のある地上をしばし忘れさせてくれちゃう

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3Dメガネの視界に客席を映さないよう、前のめりにスクリーンを凝視してしまう。照明を落とした劇場内で、精一杯宇宙空間に酔い痴れたくなる。破片が飛んでくるシーンでは、思わずのけぞってしまったし、小さい声で「ひっ」とビビったりもしてしまった。身構えてるのに、だ。極上の3D体験ですよ！

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二人の物語と思ったのも束の間、マット（ジョージ・クルーニー）はあっけない退場を迎える。ここでセンチな回想だの深い因縁だのは描かれず、再会して二人でのハッピーエンドなんて展開もない。そのあっけなさが、より一層、残された者の孤独感を際立たせる。不安定な無重力体感との相乗効果が凄まじい

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残されたのが宇宙に不慣れなライアン（サンドラ・ブロック）のほうってのも不安感一杯になる。さっきまでアメリカンジョークがめんどくさく煩わしかったマットの存在が、実は有り難いものだったと思う。画の動きは「動」と書いたが音に関しては「静」過ぎで、無音の状況だと彼のおしゃべりが恋しくなる

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マット再登場シーンは「良かった！」という安堵とともに強烈な違和感があって、ライアンがメット装備していないのにハッチ開ける？雑過ぎるない？でもこれがマットのキャラってか？戻って来れた理由「信じられない話」はよ言え！など。いやー、オチが判るまでの胸のざわつきと言ったら！

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で、ライアンの見た幻というオチなんだけど、ありがちな展開かも知れない。でも殊この映画においては、孤独⇒再会！⇒残念！やっぱ孤独でしたー！というありがちな揺さぶりだけでも結構クるんだよね！ダメ押しの現実！しかし、だからこその、ここからの奮起！死力を尽くす！展開でもあるわけで、アツい

ムー @muu

大気圏突入から徐々に地上へと引き戻されるライアン。観ている自分もまた重力のある世界に軽く眩暈。海から上がり力強く大地を踏み締めるライアンが超かっこいい。宇宙でも美しかったけど、脚がまたグンバツで。改めて、「人間の脚」とは、「地上で生きるための機関」であるということを実感し、震える

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ラストにドーンと「GRAVITY」の文字。これ最初「ゼロ・グラビティ」の世界から「グラビティ」の世界に戻ったという意味かと思って粋に感じたんだが、エンドロールでも再び「GRAVITY」と出てピンと来た。「…原題はゼロ無しで『GRAVITY』だな、さては！？」と。実際その通りだった

ムー @muu

まあ日本人には「ゼロ・グラビティ」って言ったほうがわかり易いのかも知れん。ある言葉を思い浮かべる時、それを「有るもの」として捉えるか「有ったり無かったりするもの」として捉えるか、語学的な感覚の差異があるんだろう。でもだったら劇中でも一貫して『ゼロ～』表記にして欲しかったかなー…

ムー @muu

邦題の扱い方に些細な不満を抱えたけど、そもそも製作国のモンだというのはわかってるしね。「驚いたことにマルディグラの話は初耳だ」って変な直訳にしか聞こえないし、毛むくじゃらのチビの話のオチも興味湧かないし、中国語のパネル観てすんげー絶望するのも英語圏のライアンだからだろうしねー

ムー @muu

んでも、繰り返すけど、3D映画として最高な映画だと思う！遊園地とかで「宇宙空間体感アトラクション」みたいなのあるけど、なかなかこの映画には勝てないんじゃないかな。登場人物ほぼ2人でストーリーが単純な分、頭使わなくても良いし、座って観てるだけでも十二分に体感できちゃうしね、宇宙！