「男女間の友情は成立しない」という言い方と「友達以上恋人未満」という言い方を考える。
前置き:「好き」や「愛」を理性的なものとみなすことはできない、と言えるのだろうか。
理由なき「好き」と理由ある「好き」、どちらが価値の高いものと思っている人が多いのだろうか。また理由ある「嫌い」と理由なき「嫌い」どちらを納得いかないと感じられる人が多いのでしょうか。
2013-12-24 21:52:01フィリアー/エロースの区別が念頭にあるのですが、両者の区別が、ひょっとしたら揺らぎうるかもしれないという見解です。
前置き2:契約結婚
そういえば、ボーヴォワールは源氏物語の熱烈な読者だったらしいし、サルトルは谷崎潤一郎の「細雪」とか「鍵」とかを激賞しているし、やっぱりこんくらいぶっとんだ人でないと契約結婚なんて無理ぽよだろ。
2013-12-25 22:02:00何でサルトルが谷崎好きだったのかわからん。細雪とかむしろブルジョワ的な風俗小説じゃん。せっくそシーンも趣味的なもので、ちっとも思想的じゃないし。
2013-12-25 22:03:40契約結婚を考えてみると、フィリア的な関係を恋愛に持ち込むことは十分に可能なようにも思えてくるのだが、それはさしあたりの議論には関係がないのでこれ以上は触れない。
・「友達以上恋人未満」「恋人から友達に戻る」という言い方について
友達以上恋人未満という言い方を一枚めくれば、「友愛が恋愛に劣っている」という価値観が隠されていて、もしかしたらそこには理性ではなく狂気に近い熱狂的な直観によってのみ人間の大事なものは認識されうる、といったプラトニズムが脈打っているかもしれない。
2013-12-25 22:39:11そのくせ、こういった場合友達をとりますか恋人をとりますかとか聞いてくるから腹立たしい。勝手にしろ。勝手だろ。ちなみにわたしはどっちもとりますはい
2013-12-25 22:42:06友愛が恋愛より価値が低いものだという言い方には納得しがたい。何かの徳がある人同士、お互いの優れているところを知っているところに成立する理性的関係が友愛であり、恋愛は精神的(または身体的)な美しいものを求める傾向性だ。そもそも両者を同じ土俵で比べるのはカテゴリーミステイクである。
2013-12-25 22:46:42この意味で「友達以上恋人未満」という言い方は不自然である。同様の理で「友人至上主義だから!(キリッ)」などと宣言することも頓珍漢な態度に思える。それがキャリアウーマンの鑑などと思っているのも笑止千万である。
2013-12-25 22:51:36ただ個人的には、権利問題として友愛と恋愛の間にはに一切の交通はありえないが、事実問題としては両者は連続的であると思っている。価値の問題として友人と恋人を比較するのはナンセンスであるが、どのようにして恋愛や友愛といった関係が取り結ばれていくか、という点に関しては程度の差だろう。
2013-12-25 22:55:54※友愛と恋愛には権利問題として「交通」がありえないとは言い過ぎかもしれない。ただ、どちらの価値が高いかを測るような物差しは存在しないだろう。一方で、事実の問題としての両者は、明確に分けることはできないもしれない。
一般的に友人より恋人が大事だと考えられているのは、通常は恋人は一人しかいないからで、結局希少性の問題に落ちるのではないだろうか。事実、大昔は側室やら愛人がたくさんいると、どんなに愛している寵姫でも戦略上他国に献上するといったことは普通ではなかったか。
2013-12-25 22:57:59たった一人しか友人がおらず、かつその人はたった一人しか恋人がいない、そのような人を考えてみよう。彼に「どっちか一人殺さないとお前を殺す」と命令したとき(彼は私に逆らえないこととする)、彼がどちらを選ぶかの予想に十分な説得性を与える理由は簡単に思いつかない。
2013-12-25 23:02:08つまり、恋人と友人に価値の序列を付けるための原理は一見した限りでは見当たらない。このような状況では、合理的な理由によってどちらか一方を選択するということは不可能に思える。
・閑話休題