３、渇き

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

（深い、宵を抜ける。不明瞭な声に導かれて、耳を傾ける、呼ばれるままに、応える為に、目指してゆく）（徐々に鮮明になる呼び声に、宵から輝きを見つける、早まる鼓動が、とても、とても懐かしい）（いつしか光に飲まれて、降り立つ、風を受け、双眼を開く）（乾いた喉から発する）貴方が我が……――

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

……（続く言葉は途切れ、意識が覚醒する）（気づけば見慣れた天井を見上げて、妙に重い身体を起こし）嫌には、っきりとした夢だな（眉間を揉んで、思い返す）（抜けた宵、光の先に、確かに見たのは）（金の髪、青い衣、それより澄んだ碧眼、それは）……キャスター（するりと落ちる、仮初の名）

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku （男が横たわるベッドの傍らにある椅子に坐したまま現界し）マスター、呼んだか？

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku ……（まだ気怠い身体で、声のする方へ視線を動かし）（一度、ゆっくりと瞬いてから、じっと己のサーヴァント見つめ）……いたのですか（解れて垂れた前髪を掻き上げて、小さく咳き込み）水を、頂けますか。とても喉が渇いています。

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku （此方を見つめる琥珀色から視線を外し、サイドテーブルの上にガラス製の水差しを見つけ、グラスに中身を注いで渡し）こんな時間にうたた寝とは、全く隙だらけだな。パスから流れる魔力も何処か弱々しい。…心配せずとも、不本意だが警護をしてやるからちゃんと寝なおせ。

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku （素直にグラスを受け取れば、軽く頭下げ、欲するままに水喉へと流し込めば、不思議と瞬く間に身体が楽になり）（口を手の甲で拭い、少し考える仕草をしてから、口を開き）夢を、見ました。貴方に呼ばれる夢だ、キャスター。

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku 呼ばれる夢？（検討もつかぬ男の発言に首を傾げ）…其れで？マスターとサーヴァントというものは精神に深い繋がりを持つと聞く。私の夢を見たところで何ら可笑しい事はない（立ち去ろうと椅子から立ち上がり）

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku 貴方が魔術師として俺を召喚する夢ですよ（話題から逃げるように立ち上がる相手に、はっきりと言い放ち）……貴方は、俺のことを知っているような素振りもしてらっしゃいましたしね。何か隠してることはありませんか？（疑念で鋭くなった瞳で問いかけ）

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku …私が貴様を召喚する？ハッ…冗談は止したまえ。何の因果があって今世でも繋がりを持たねばならんのだ（愉快そうにくつくつと）いやはや、酷い悪夢を見てしまったようだな。可哀想に…子守唄でも歌ってやろうか？……隠していることなど…私はもとより何も持ってはおらんよ。

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku そうですか、生前のことを突けば覚えてないのかと取り乱した姿は記憶に新しいのですがね（こちらも鼻で笑い、寝台から降りて）貴方は二本足で立って言葉使い、感情の起伏を見せてくるので暫く人と会っていない俺には、まるで人の様に見えますよ。何も持っていないというのに。

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku 貴様は私の知り合いに似ていたのでついな。他人の空似であったが…。其れはそうであろう？何せ前世は人間様だ。感情の起伏もある…笑うし起こるし泣く事も出来る。（器用に口角を上げ）……（瞬間、山の麓に張った結界に異変を感じ、即座に窓から外を警戒して）

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku 他人空似？自分で言うのもなんですが中々無い顏だと思いますよ（純粋に他意なく言えば、上げられる口角に腑に落ちない顏をし）貴方が呼び出した英霊も、元は人間だったでしょうに……（琥珀仄暗くし、零れ落ちそうになった言葉は、サーヴァントの異変に遮られ）……何か？

逃亡のケイネス@企画終了 @nethkikaku

@aorikikaku （男が漏らした言葉を『また』取り零し、意識は完全に山から上がってくる強力な魔力に集中させ）……如何やら、こんな辺鄙な所まで我々を嗅ぎつけたドブネズミがいるようだ…頂上に着く前に迎え撃たねば拠点を失うことになる。…出る用意をしろ、南東の麓だ（霊体化し）

柩のランサー＠泥人形 @aorikikaku

@nethkikaku そうですか、久しぶりの客人ですよ（抑揚のない、平坦な声で応え）（先程潤った喉、いつの間にかまた渇きを覚え始め）貴方が本当に見ているものはなんなのですか（自分という存在が、まるで素通りされていくような感覚に、喉は乾き、色を濁した琥珀の瞳で屋敷を後にし）