茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【本物の、シャーロックがたくさんいる社会へ】連続ツイート

2014.1/2 茂木健一郎氏:連続ツイート第1131回【本物の、シャーロックがたくさんいる社会へ】 …今朝、起きて、ある技を使って、BBCのシャーロックの第三シリーズの第一エピソードの放送を、後半、同時に見た。シャーロックいいよね。あの、いっちゃっている感じ。それで、『シャーロック』を好きな人は日本にもたくさんいそうだから、この際訴えかけたいことがあります…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1131回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝、ふと思ったこと。

2014-01-02 08:03:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(1)今朝、起きて、ある技を使って、BBCのシャーロックの第三シリーズの第一エピソードの放送を、後半、同時に見た。シャーロックいいよね。あの、いっちゃっている感じ。それで、『シャーロック』を好きな人は日本にもたくさんいそうだから、この際訴えかけたいことがあります。

2014-01-02 08:05:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(2)どの国、どの文化にも、オタクというか、一つのことにのめり込んでいる人はいると思う。そういう人って、社会的にはぶざまだったり、不器用だったりするけれども、一つのことで突破するので、そのユニークな存在を通して、結局人類に大きな貢献をしたりする。だから、楽しい。

2014-01-02 08:06:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(3)問題は、一つのことにのめり込むオタクがいる時に、その人がどのような扱いを受けるかということ。どの文化でも、同化圧力というのがあって、そのオタクを、平均値の方に引き戻そうとする働きがある。これが強すぎると、みんなが平均化して、小さく前に倣えのつまらない社会になる。

2014-01-02 08:07:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(4)どの文化でも、同化圧力はあるから、オタクはそれなりの被害を受ける。オタクに対する「いじめ」(bullying)は、イギリスでも、アメリカでもある。その一方で、のめり込み系オタクを保護するというか、温かく見る、あるいは魅力的に感じるという文化も、ちゃんと存在する。

2014-01-02 08:08:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(5)アメリカの場合、特にIT起業家がロックスターのようになってから、ビル・ゲイツやスティーブ・ウォズニアックのようなオタクに対する理解、称賛が進んで、オタクたちを主人公にしたBig Bang Theoryのようなコメディもできた。そこで描かれるオタク度は、本物である。

2014-01-02 08:10:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(6)イギリスには、アメリカ以上の長いオタク称賛文化の伝統がある。もちろん、イギリスでも、ちょっとコワイ兄ちゃんたちの、オタク見つけるとbullyingするぞ、みたいな感じはあるんだけど、オタクたちがのめり込み競争をして、極めて高度なオタク踊りをする場所が、ちゃんとある。

2014-01-02 08:11:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(7)ぼくがシャーロックを見る度に思うのは、確かにシャーロックはいささか理想化され、過剰化され、戯画化されているけれども、real Sherlockは例えばケンブリッジやオックスフォードやUCLにいくらでもいること。あの密度と、容赦ない感じって、イギリスに普通にいると思う。

2014-01-02 08:13:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(8)日本でも、『ガリレオ』や『ハードナッツ』のような、オタクを主人公にしたドラマが出始めているけど、もっともっとのめり込んで、ガチのネタになれたらいいなと思う。日本では、特にメディアが猫なで声のわかりやすさ競争をしがちで、そのため、市井のオタクたちが被害にあっている。

2014-01-02 08:14:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

ほし(9)ポピュラー・カルチャーの中でオタクたちがどのような扱いを受けるかは、案外その国の文化に影響を与える。オタクの暴走をロックスター化せよ。シャーロックが好きならば、その後ろにあるオタク文化の豊饒に目を向けて欲しい。単なるカンバーバッチ萌は、普通過ぎてつまらない。

2014-01-02 08:17:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1131回「本物の、シャーロックがたくさんいる社会へ」でした。

2014-01-02 08:17:34