ヘイトスピーチ問題等に関する地道なルポ

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「1200万はいくら何でも高すぎる。これは減額になるでしょう。大方の弁護士はそう見てますよ。橋詰裁判長はいつもそうだから。すごく男らしい判決をする。でもこの問題は女々しい、細かい判断をしてほしかった」。法廷を出れば一緒にサッカーを楽しむ仲だという橋詰氏に苦言を呈した。(17)

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徳永弁護士の報告に続き桜井会長による決意表明が行われた。「皆さん、民族差別って何でしょう？実はすごく簡単なことなんです。ゴキブリが急にがさがさ出てきたらワッとなるでしょ。朝鮮人が出てきてもワッとなる。理由なく人を嫌うのが差別なんです。我々は理由があって抗議してるんです！」(18)

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京都地裁判決に対し、「理由なき人種差別ではなく理由ある抗議活動」であると主張した。さらに「どの報道も我々が突然、学校を襲撃して差別したように言う。前提を全く伝えない」とメディア批判を繰り広げた。敗訴に加え世論を敵に回しながらも「反省することは何ひとつない！」と言い切った。(19)

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桜井会長の雄叫びに会場はこの日一番の拍手に包まれた。「謝罪した人もいるみたいだけど知ったこっちゃない！最高裁までいく！この闘いは在特会や行動保守だけの闘いじゃないんです！」。会場を出ると寒さで思わず身震いした。この闘いが終わる時、私は何を思うだろう。そんなことを考えていた。(終)

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桜井誠在特会会長@京都朝鮮学校裁判を支える会発足集会 http://t.co/UzkqdW9AXU

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私的取材ルポ#14【カウンターは死なず@板橋・大山】14.1.5 正月休み最後の商店街が場違いな空気に包まれた。東武東上線大山駅。池袋から電車で10分程の下町で行動保守の街宣デモが行われた。主催者は瀬戸弘幸氏。「有田芳生にお年玉街宣」と銘打って在日批判を繰り返した。(1)

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有田議員はかつて大山に選挙事務所を構えていたという。反差別活動を続ける有田議員のお膝元とも言える場で瀬戸氏は今年の“デモ始め”を行った。大山駅北口前の一角を占めるデモ参加者。ざっとみて20人程だろうか。揺れる日章旗を背に弁士たちがマイクを手にそれぞれの主張を訴えた。(2)

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だが結論から言えば彼らの声はほとんど聞くことができなかった。道を挟んですぐの対面で50人超のカウンター勢が彼らの声をかき消していたからだ。ヒトラーを崇拝しているという瀬戸氏に対し「ナチスは帰れ！ナチスは帰れ！」の大合唱。横断幕には「ナチス=KKK=在特一派」の文字が踊った。(3)

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昨年も繰り返された光景だが、街宣はいつしか行動保守VSカウンターの罵声の応酬へと変わった。街行く人は好奇の目を向けるだけ。軍配はカウンター側に上がっていた。私には、今日この場で確かめたいことがあった。それは男組を始めとするカウンター勢が昨年の勢いを失っていないかどうかだ。(4)

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男組代表の高橋直輝氏と木本拓史氏が昨年逮捕、起訴された。行動保守メンバーである冨成一秋氏への暴行がその発端だ。公安は両氏の逮捕後も引き続き男組への警戒を緩めていない。いつ第二、第三の逮捕者が出てもおかしくない状況だ。それでもツイッター上でカウンターを呼び掛け実行に移した。(5)

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当然と言えば当然だが、高橋、木本両氏の姿は大山になかった。保釈条件に「カウンター活動の禁止」が入っている可能性は高い。ある公安警察は「来れないでしょ。また戻ることになっちゃう」と話した。司令塔を欠いた男組。依然リスキーな状況にも関わらず、彼らは反差別の声を上げ続けた。(6)

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両氏の逮捕を受けて、男組の解散や活動自粛を予期する声が多く聞かれた。行動保守、カウンター双方からだ。しばき隊からの流れをくむ男組の活動はヘイトスピーチ問題を考える上で無視できない。「カウンター」という概念を定着させたのも彼らの活動が大きい。その火はまだ消えてはいなかった。(7)

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警察に取り囲まれるキーマンに両氏起訴の影響を尋ねた。元しばき隊リーダーの野間易通氏だ。髪を大きく刈り上げたニューヘアで反差別を訴えた野間氏は「影響？特にないでしょ。実際、変わってないし」とカウンター勢に目をやった。「むしろこんな小さな街宣でここまで来るのも久し振りでしょ」(8)

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反差別の横断幕を掲げるカウンター勢 http://t.co/MM1esOIMQS

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野間氏は保釈された後の両氏と連絡は取っていないという。「男組解散」の噂にも「ネトウヨでしょ。ネトウヨ情報でしょ？逮捕される心配は常にあるけど前とやってること変わらない。違法行為はしてない」と受け流した。その上で徐々に広がりを見せる「草の根カウンター」の成果を改めて強調した。(9)

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「前にも話したけど、仮に俺が逮捕されても何の影響もない。二人を逮捕しても変わらない。そもそもがピラミッド型の組織じゃないんだから。個人個人の意志でみんな参加してるわけだから。誰かの号令じゃなく、みんなで動いてる」。そう話すと野間氏は再びカウンターの輪の中に戻っていった。(10)

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約1時間の街宣終了後、私は主催者の瀬戸氏に話を聞こうと歩み寄った。「報道ですが」と名刺を差し出したが「いい、いい」と言って受け取らなかった。隣の男が「作ったような名刺だなあ」とカメラを向けてくる。構わず街宣の感想を尋ねると、瀬戸氏は「ひどいねぇ」と溜め息をついた。(11)

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有田議員を糾弾する瀬戸弘幸氏 http://t.co/yg8LumL9Yv

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街宣をかき消したカウンター勢に対し「ひどいねぇ。我々は法にのっとって言論の自由を表現してるのに。彼らは法を犯してるんだから」と苛立ちを露にした。その中核をなす男組に対しては「解散要求を裁判所にする」と宣戦布告した。(12)

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行動保守カレンダーを見てみれば今年も変わらず土日にデモが組まれている。行動保守VSカウンターの戦いはまだまだ続くのだろう。今年の抱負について野間氏は「特にない」と言った。だが、同じ流れを続けるのか？の問いにウンと頷いた。男組は現場にいた。カウンターは死んじゃいなかった。(終)