- necomaru21
- 1457
- 0
- 0
- 0
【演奏会情報】第60回記念定期演奏会 2014年1月11日(土)14時半開場15時開演 彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール 立原道造の詩による男声合唱作品・選/16世紀パリジャン・シャンソン/多田武彦 男声合唱組曲「東京景物詩」/新実徳英 芭蕉の句による「月に詠ふ」(委嘱初演)
2014-01-03 21:00:16今日でいよいよ1月11日の演奏会まで1週間!年末年始の充電を挟んで練習も再開いたしました。 1週間前ということで今回の演奏会の曲目について色々ご紹介していきたいと思います。 #コルアカ60th
2014-01-04 22:32:33【1ステ紹介①】 第一ステージは「立原道造の詩による男声合唱作品・選」夭逝の詩人立原道造の詩を共通項に、6人の作曲家がそれぞれ全く異なる場で作った6曲をオムニバス形式でお届けします。 実は2014年は立原道造生誕100周年のメモリアルイヤーでもあるのです。 #コルアカ60th
2014-01-04 22:33:59【1ステ紹介②】 まず注目は、人気急上昇中の作曲家・田中達也先生の「さびしき野辺」です。2005年に単独の作品として作曲されたもので、男声版は今回がなんと初演です! 詩人のさびしい独り言にも似た詩に、憂いをむしろ優しく包み込むような響きが添えられた、名曲です。 #コルアカ60th
2014-01-04 22:35:39【1ステ紹介③】 長谷部雅彦先生のホームページで楽譜も公開されている「みまかれる美しきひとに」という曲は、この上なく印象深い作品。 「あなたのしづかな病と死は 夢のうちの歌のやうだ。」 変拍子と調性の曖昧な和声が、詩のまぼろしのような情景と絶妙に共鳴します。 #コルアカ60th
2014-01-04 22:37:50【1ステ紹介④】 その他にも、5年前の六連合同ステージで北川昇先生に委嘱初演させていただいた組曲『あの日たち』より「空と牧場のあひだから」、大中恩先生の知る人ぞ知る名曲「ひとり林に」など、いずれを語っても140字以内には収まりそうにありません。 ただ…(続く) #コルアカ60th
2014-01-04 22:39:19【1ステ紹介⑤】 (続き)ただ、今回の選曲では無造作に同一詩人の6曲を集めたわけではありません。 立原道造が自身の詩集『萱草に寄す』をひとつの楽曲に見立て、詩の配置に心を砕いたように、今回の6曲も、順に通して聞くと詩人の世界が深く見えてくる作りを目指しました。 #コルアカ60th
2014-01-04 22:44:20【1ステ紹介⑥】 詩は読み手によって見せる表情を変えるものです。同じ詩人の言葉でも、6人の作曲家の方々の感受性によって、生まれてくる音楽の色合いはこんなにも豊かなバリエーションを見せる――そんな発見の感動を、このステージで皆様と共有できたらと思います! #コルアカ60th
2014-01-04 22:45:52【2ステ紹介①】 第二ステージは、コルアカ定番のルネサンス世俗曲です。 今年はフランスのシャンソン。独特の発音に苦労させられました。 実は数百年の間にフランス語も変化しており、たとえば"oi"は現代では"wa"と読むところですが、今回は当時に倣って"we"という発音で歌います。
2014-01-05 22:47:26【2ステ紹介②】 そしてルネサンス世俗曲の魅力と言えば、解放的でストレートな歌詞でしょう。Clément Janequin作曲の"Au joli jeu"(「すてきな遊び」)などはかなりキワドイ表現もあります。パンフレットには攻め気味の訳も掲載しましたので、そちらもお楽しみに。
2014-01-05 22:48:10【2ステ紹介③】 Pierre Passereau作曲の"Il est bel et bon"(「うちの旦那はお人好し」)は非常に人気の高い曲。巧みな作りのポリフォニックなかけ合いが醍醐味です。 4人で演奏されることも多い曲ですが、30名弱で息を合わせてピタリと決めにいきます。
2014-01-05 22:48:55【2ステ紹介④】 前回好評だったソプラノからバスまで4種のリコーダーの伴奏は、"La, la, la, je ne l'ose dire"と"Douce mémoire"で再登場します。団員4人でリコーダーの特練などもしており、伴奏も含めて前回よりもハイレベルな演奏を目指します。
2014-01-05 22:49:15【2ステ紹介⑤】 今回のルネサンスのステージは例年より短めですが、その分密度も濃く、それでいて気軽に楽しく聞けるような構成となっております。 ご期待ください! 次回はいよいよOB合同ステージ、『東京景物詩』の紹介に行きたいと思います。 それではまた明日! #コルアカ60th
2014-01-05 22:50:23【3ステ紹介①】 第三ステージは、こちらも毎年恒例、当団のOB合唱団であるアカデミカコールとの合同演奏です。一気に100名規模(!)にまでスケールを拡大して歌うのは、北原白秋作詩・多田武彦作曲の男声合唱組曲『東京景物詩』。 こちらは実は平成3年度に委嘱初演した作品となります。
2014-01-06 23:39:28【3ステ紹介②】 『東京景物詩』が初演されたのも、平成3年(第38回定期演奏会)の同じOB合同ステージの場でした。今回の選曲には、第60回という節目に立つにあたり、新しい委嘱曲に取り組むだけでなく、過去の我々のレパートリーを今一度見直してみようというねらいもあるのです。
2014-01-06 23:41:02【3ステ紹介③】 この組曲は、北原白秋の第三詩集『東京景物詩及其他』の詩を多く用いています。それらは白秋が故郷・柳河の幼少時代を主な題材にした第二詩集『思ひ出』と比べると、扱われるテーマは都会的で、大人びており、そしてどこか人間の汚れた部分を肯定するかのような印象さえ受けます。
2014-01-06 23:41:57【3ステ紹介④】 たとえば多田氏が組曲の軸としたという「冬の夜の物語」という詩は、男女が雪の降る夜に部屋で物語を語ったり、珈琲を淹れたり、穏やかに過ごす様を描いているだけにも見えますが、そんな中にも「ひとときのいつはりとは知れど、」という一言が現れるのがこの組曲らしさといえます。
2014-01-06 23:43:39【3ステ紹介⑤】 冬の物語もあれば、逆に真夏の官能を思わせる「八月のあひびき」という曲も。「八月の傾斜面(スロウプ)に、 美しき金の光はすすり泣けり」と低声ユニゾンから始まりますが、半音進行を織り交ぜて下降する不穏な旋律と「傾斜面」という言葉が、否応なしに恋の結末を予感させます。
2014-01-06 23:44:54【3ステ紹介⑥】 『東京景物詩』の中には、「カステラのふちの渋さよな」という言葉をひたすら繰り返す「カステラ」、少しおどけた調子でフォルテとピアノを行き来する「初秋の夜」など多田氏の遊び心が見えてくるような曲も入っており、シリアスな響きの曲と絶妙なコントラストを生んでいます。
2014-01-08 23:27:31【3ステ紹介⑦】 指揮の三澤洋史先生とアカデミカコールは、何度も多田武彦作品を演奏されていて(昨秋はオペラシティで『富士山』を演奏)、やはり表現が堂に入っていて、一緒に練習させていただいている時も大変多くのことを学んでおります。 三澤先生の流麗な指揮にも、どうぞご期待ください。
2014-01-08 23:29:50【3ステ紹介⑧】 世代を超え、各々が東京という土地に様々な経験を持って集まっている私達ですが、それでこそ『東京景物詩』から引き出せる魅力もあるのではないでしょうか。 演奏頻度はそれほど高くない組曲ですが、これを機に多くの人に良さを知ってもらい、広く演奏されていってほしいものです。
2014-01-08 23:33:00【4ステ紹介①】 第四ステージは、新実徳英委嘱作品、芭蕉の句による『月に詠ふ』の世界初演です。 この曲の特徴は、とにかく男声合唱とは思えない広い音域(!)です。 普段はルネサンス曲の演奏でカウンターテナーを用いる我々ですが、今回の委嘱曲ではそのサウンドを十二分に活かして歌います。
2014-01-09 23:39:27【4ステ紹介②】 また、伴奏一切なしの純然たるアカペラ作品ということで、表現にごまかしが利かない非常にハードな曲なのです。(やりがいのある曲を求めている男声合唱団には、是非再演していただきたいものです!) 曲は四つの章から構成され、いずれも非常に強いキャラクターを持っています。
2014-01-09 23:39:56【4ステ紹介③】 第Ⅰ章の冒頭の句は、「明けゆくや二十七夜も三かの月」。靄がかった空から徐々に光が増してくるように、クラスター的な音からじっくりと和音が広がっていきます。 明け方に見えた二十七夜の月(いわゆる逆三日月)を、宵の三日月の姿に重ねて詠まれた句ですが、実は…(続く)
2014-01-09 23:41:22【4ステ紹介④】 (続き)実は、この「明け方の月」はチラシのデザインのイメージ元になったとか。確かに頭文字のCが明け方の月そのものですね。 Ⅰ章は三日月の句をテーマに、予想を裏切る展開を続けます。最後の最後まで気を抜けない音楽です。 http://t.co/ArKYSiQ6xO
2014-01-09 23:42:22