5つのお題に挑戦したったー
@sousakuTL それを聞いた二人がニッと笑って、流木を振りかぶった。「じゃあ、もうちょっと旅してもらおうかな」「いけるところまで、いけばいいんだよ」そのまま、流木を投げた。
2014-01-11 16:09:20@sousakuTL ガス、と流木が砂浜に突き刺さった。「…ねえ、あんたたち本当に旅してもらうつもりあったの?」女が右手で口を押さえてくすくすと笑った。二人は女に振り返って「うるせえ。ちょっと手え滑っただけだろ」と恥ずかしそうにはにかんだ。ただ、流木は拾わない。
2014-01-11 16:10:30@sousakuTL 「きっとこいつもここに居たいから」「投げられたくなかったから」二人がパンパンと手を払ってから波際から離れていく。「ここって案外居心地がいいから」「流れ着く先には丁度いいのかも」肩をすくめた二人が、女の肩をぽんと軽く叩いて「帰ろ、そろそろ」と声を揃えて笑った。
2014-01-11 16:12:19@sousakuTL (終劇)双子とサラでした。双子も言うて陸地からこの海のある町に流れ着いてきた子なので…と思ったけれど、あんまり絡ませられないまま終わりました。
2014-01-11 16:13:55インアスつかっての「流木」でした。
まあ、よくあるネタかと。
忘れがちですか、彼らのいてる町は小さな港町です。
そしてこいつらの運動神経の悪さが相変わらず過ぎて私は微笑ましいと思っています←
次は「星屑逃げる」ですね。
@sousakuTL えええと。次は「星屑逃げる」ですね。誰にしようかな RT Nicolaさんにご提案するのは、「永久機関」、「流木」、「星屑逃げる」、「忘れ薬」、「秋の夜明けにうたう鳥 」の五つのお題です。 #5odai http://t.co/5DleGzm7km
2014-01-11 16:20:32@sousakuTL 【星屑逃げる】「馬鹿ですか!貴方はどこまで馬鹿なんですか!」「そ、そんなに怒らなくても!」「今ので怒らないわけがないでしょう!?どうしてあんなことをしたんですか!この馬鹿鳥!」「鳥じゃなーい!」「今の論点はそこではありません!鳥頭!」「鳥じゃないってばー!」
2014-01-11 16:26:30@sousakuTL ガミガミと怒鳴っていた青年ががしっと少年の頭を掴んだ。そのままギリギリと腕に力を込めていく。「痛い痛い!ちょ、ちょっと力込めすぎ!」少年が目に涙を浮かべて悲鳴をあげるが、青年が力を緩める様子はない。「学習能力というものがないんですか!貴方には!」「痛ーい!」
2014-01-11 16:28:34@sousakuTL 青年は指先に力を込めながら「どうしてあんなことをしたんですか!」とキツイ口調で本日何度目かになる質問を繰り返した。少年は「と、とりあえず離して!」と頭を掴んでいる青年の手を引き剥がそうと必死に力を込める。ただ、青年の手はびくともしない。
2014-01-11 16:31:08@sousakuTL 「お前さ!ちょっと暴力的すぎ!」思わず少年が叫ぶと青年がギリ、と更に力を込めて「は?私のせいですか?」と周囲の温度を幾分か下げそうなほど冷たい声を放った。ぞくり、と少年が背筋にはしった悪寒に身を震わせる。「え、俺のせいなの?」「そりゃそうでしょうよ」
2014-01-11 16:33:46@sousakuTL 青年は重い溜息をついて「貴方が急に私の腕を掴んで羽ばたいたりしなければこんな目には合いませんよ」と淡々と吐き出す。少年は「うぐぐ」とうめいてから「だってね、だってね」と唇を尖らせた。
2014-01-11 16:35:50@sousakuTL 「だって、なんですか」青年が眉間に皺を寄せる。「だってね、流れ星だったから」「…はい?」「流れ星!捕まえたかったんだよ!」少年が叫ぶ。青年があまりの回答に思わず力をゆるめ、その隙に少年が青年の手から逃れる。むっと頬をふくらませている。
2014-01-11 16:38:01@sousakuTL 「流れ星ね、捕まえたらいいことあるんだよ!知らないの!?」「聞いたことありません」ズバっと青年が言い切ると少年が言葉に詰まる。「流れ星が消える前に三回願い事を唱える、というのは聞いたことがありますが」「それだー!」
2014-01-11 16:47:29@sousakuTL 少年がいきなり大声で叫んだので、青年が少し驚いて瞬きをした。「なんですか、急に」「それだよ!願い事かなうやつ!」「えっ、さっきの流れ星を捕まえる云々は…?」「覚え間違い」あっさりと間違いを認めた少年に青年はまたため息をつく。
2014-01-11 16:48:53@sousakuTL 「…じゃあ飛んだ意味は」「なかったね!」「ああもうこの馬鹿鳥は!」青年ががしっと少年の肩を掴んで、耳元に顔を寄せた。低く低く呻く。「――次、意味もなく飛んだら、その羽根引きちぎりますからね」
2014-01-11 16:50:41ニコセシで「星屑逃げる」でした。
ぎゃあぎゃあうるさい二人の話も書きたいなーと思って。本当にニコが「セシルのために」星を欲したんだけど、普通に書き忘れたため、何のオチも含みもない終わらせ方になりました。ほんと馬鹿。
セシルが怒って低く唸ってくれたのでよしとして下さい(良くない
次は「忘れ薬」です
@sousakuTL ええと次は「忘れ薬」!どんどん行きます RT Nicolaさんにご提案するのは、「永久機関」、「流木」、「星屑逃げる」、「忘れ薬」、「秋の夜明けにうたう鳥 」の五つのお題です。 #5odai http://t.co/5DleGzm7km
2014-01-11 16:53:52@sousakuTL 【忘れ薬】悲鳴を上げて泣く少年の頭を何度も何度も撫で付けながら、青年は「大丈夫、大丈夫だから」と何度も何度も呟いた。「もう大丈夫だからな。オレがここにいるから。大丈夫だから」それでも少年は涙を流して青年のシャツを濡らしていく。
2014-01-11 16:56:47@sousakuTL 少年はしばらく泣いた後、荒くなった息を落ち着かせるように大きく深呼吸を繰り返した。青年は泣き声を押し殺し始めた少年の背を何度もさする。「大丈夫、大丈夫…。オレはここにいるよ。お前をほうって行きはしないよ」何度も繰り返す。
2014-01-11 16:59:48@sousakuTL ふう、と震えながらもゆっくりと息を吐いた少年の背中をポンポンと軽く叩く。「落ち着いたか?」と青年が尋ねると、少年は小さく頷いた後「ごめん」とだけ言って青年から離れた。少年の瞳が部屋の中を彷徨う。夜中だというのに明かりのついた部屋に、少年が安堵の息を漏らす。
2014-01-11 17:02:14@sousakuTL 酷い嵐の夜だった。ドカン、と大きな雷が落ち、驚いた少年と青年が飛び起きた瞬間、僅かな明かりを付けていた部屋が真っ暗になった。停電だった。とっさに青年が少年の方へ闇をかき分けて動いたが、それよりも少年が闇に悲鳴をあげるほうが先だった。
2014-01-11 17:04:45@sousakuTL そして灯りが復旧して、少年が落ち着いて今に至る。青年は少年に水を飲ませてから「びっくりしたなあ」と気楽に声をかけた。少年は無反応のまま空になったコップを握りしめている。
2014-01-11 17:07:22