ライナー・フーバーの新妻奮闘記 1

お隣の妻ライナー @tsuma_reiner

二人で買い物中、ベルトルトが「家事を任せきりでごめん」と謝るので「そんなもん気にしなくていい」と振り返ったら、裏がモップになっているスリッパを二度見している所だった

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俺があの製薬会社の企画部にいたらクリスマスイブっていう限定品を提案するな。こめかみを押さえるサンタクロースの絵柄だ。女性は特に限定ってのに弱いだろ？売れるな。 「ライナー、頭痛なら少し横になった方がいい。薬買ってきてほしいんだろ？」 「(ｺｸｯ)…」

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「…ああ、おう、…ハハッ……そうだな……ああ、恥ずかしい所見せちまったしな。……わかった、俺はそれで構わない。じゃあ明日な。……なんだ？言えよ。……ん？おやすみって言いたかったのか？ブハッ！なんだそりゃ！はいはい、おやすみ！もう切るぞ」 「珍しく長電話だったね」

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「そうか？」 「会社の人？」 「いや、ジャンだ」 「隣の？なんで電話なんか」 「電話ぐらいするだろ。メールだと余計時間かかるし、明日の予定決めてただけだ」 「予定？」 「明日飯食いに行くんだよ。こないだちょっとあってな。礼をしたいと思ってたら丁度向こうから誘われたんだ」

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「明日はクリスマスイブだけど」 「お前仕事で遅くなるだろ？毎年そうだったからてっきり…え？！違うのか？！」 「いや、仕事だ。帰り遅くなるよ」 「…ぬか喜びさせるなよ。まあ、毎年クリスマスには縁がねぇしな俺達。でもケーキくらい買っておくか」

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「いや、帰りの時間もわからないし君も食べてくるんだろ？ケーキはいいよ」 「お前がそう言うなら」 「(引くの早いな…)」 「久しぶりに外で飯だなあ」 「楽しそうだ」 「まあな。っと、お前仕事なのに悪いな」 「構わないよ。…明日早いからもう寝る」 「飯は？」 「今日はいい。おやすみ」

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「…風呂、待ってたんだが…。仕方ないか。年末年始は慌ただしいし、疲れてるだろうしな。一人で入ろう」 寝室 「(…はあ…疲れた……お腹すいた……………寝よう)」

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「き、今日は楽しかったぜラ、ライナー」 「なんだそりゃ、彼氏みたいな事言って笑わせるなよジャン。車降りてから変に黙っちまうしﾊﾊﾊ…いやこのどもり方、見合い後に初めてデートした男の別れ際の台詞とも思 「（か、彼氏…）茶化すなよ」 「悪い悪い、酔ってるんだ許せよ！」

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「まあ改めてよ、今日は楽しかったんだよ。ジムでも顔は合わせるけど…また野菜に虫がいたりとか…したら、呼べよな。お気軽にお声掛けくださいお願いします」 「もうあんなことで呼ばねえよ。あー！ほんとに恥ずかしいとこ見せちまったなあ！お前あれだろ、今後何年もこのネタ言いそうだよなあ」

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「(こっ今後何年もだと…//！)そばにいて、い、いいのか？」 「だから～いつも～そばに置いてねー♪」 「(恋の奴隷歌い始めた…酔ってんな…ﾊｧ)」 「悪い時は～どおぞぶってね～♪」 「…あなた好みの…！あなた好みの！おーとーこーにー！なーりーたーいー♪！！！」 「ふぁー。眠いな」

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「眠いし寒いな。いつまでも突っ立ってると風邪ひきそうだ。じゃあな」 \ｶﾁｬ、ｷｰ、ﾊﾞﾀﾝ。ｶﾁｬ/ 「……奥さん…(罪な男だ…)」

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\ｶﾁｬ/ 「ただいま…電気電気…(ﾊﾟﾁ)」 「(靴があったから、帰って来てる…当たり前か(ﾎｯ…))」 「……シャワー浴びて寝よう……う、うん？？？」 「(カーテンに変な膨らみが…足が見えているけど)」

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「…ライナー？(じゃなかったら怖い)」 「ライナー？(じゃなかったら怖い)何やってるんだ？」 ﾒｸﾘ 「(ﾑﾆｬ)うう…ま、まぶしい…」 「……何してるんだよ、裸でカーテンに隠れて…」 「サプライズを…うう…まぶしい…消してくれ」

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「電気を消さないと…瞼が焼ける(ﾑﾆｬ)」 「嫌だよ。それよりこの明かりの下でそこに脱ぎ散らかした服を着たほうがいい。風邪ひくから」 「…何故俺が裸でカーテンにくるまっていたか聞かんのか」 「もちろん聞くよ。とても興味あるよ。でも先に服を着たほうがいい」

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「ああほら、鳥肌立ってるじゃないか！一体どれだけの間こんな格好でいたんだよ！(ｺｽﾘｺｽﾘ!)」 「痛っ！いてえ！」 「暖房ぐらいつければよかっただろ(ｻｽﾘｻｽﾘ)」 「誰もいない部屋のリアルを追求したかったんだ。お前は勘がいいからな」

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「勘がよくなくたって気づくから、もうこんなことはやめてくれ(ｺｽﾘｺｽﾘ)」 「…」 「変顔したってだめだ」

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「ずいぶん冷えてる、冷たいなあ……(ｻｽｻｽ)何考えてるんだよまったく」 「何ってナニだよ。恥を忍んでこんな格好で待ってるんだからもうそれしかねぇだろ」 「そうだね。こっちが恥ずかしくなるよもう…(ｷﾞｭｯ)」 「(ｷﾞｭｰ)あー寒ぃ～早く寝室行かねえか？飯は食ってきたんだろ？」

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「ライナーは何食べたの？」 「ジャンはフレンチだか何だかの予約が云々って言ってたが断って、その辺の居酒屋で、えー、刺身とカニクリームコロッケと、馬刺しと、あー、タコ唐にレモンをたっぷり絞ってマヨネーズで食ったな。後は何だったかな」 「僕は牛丼。そこの通りの」 「わ、悪いな」