「非日常が日常化」した福島から何をどう伝えるべきか 自問が続く」①

雑誌に掲載された福島中央テレビ報道製作局長による、自問の文章を、 宗教学者 島薗進氏が連続ツイートで紹介しました。 「福島」と外部の報道の断絶を、的確に描き出しています。
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島薗進 @Shimazono

1佐藤崇(福島中央テレビ取締役)「「非日常が日常化」した福島から何をどう伝えるべきか 自問が続く」①(特集:2014年を展望する)『ジャーナリズム』14年1月「福島市内では,進み具合は決して早くないとはいえ、市街地の除染作業が続いている」庭などは芝生や表土を3センチほど剥ぎ取る。

2014-01-18 09:10:35

『Journalism 2014.1 no.284』
特集 民主主義にとって最大試練の年
2014年を展望する
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=15570

◎「非日常が日常化」した福島から
何をどう伝えるべきか 自問が続く
佐藤崇(福島中央テレビ取締役報道制作局長)

島薗進 @Shimazono

2佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①『ジャーナリズム』1月 号 http://t.co/U8KP4DTqGE 「しかし、その剥ぎ取った庭土はどうするかというと、自宅の庭に深さ1メートルほどの穴を掘って、特殊なシートにくるむようにして埋める。あるいは穴を掘る敷地のない」

2014-01-18 09:11:37
島薗進 @Shimazono

3佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「家やマンションなどでは、直径1メートルほどのコンクリート筒で囲って地上に保管することになる」「これは、汚染物質を長期間貯蔵する中間貯蔵施設ができないために、その前段となる市町村単位の仮置き場が確保できいないからだ。だから、自宅で」

2014-01-18 09:12:04
島薗進 @Shimazono

4佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…①「保管することを了解しない限り、除染作業はしてもらえない。放射性汚染物質を自宅で保管する、そんな地域が福島以外どこにあるだろうか」「そんな「非日常が日常化した」福島の日常は、除染が始まった時に一度二度伝えた後は、もうメディアは伝えない」

2014-01-18 09:12:38
島薗進 @Shimazono

5佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「福島のメディアも何度もは伝えない」「福島では、伝えられずともそんな「非日常的な日常」になっていて、また福島以外では伝えられないまま、知られないのが日常になっている」この文章は読みごたえがある。難しい事柄を何とか伝えてくれている。

2014-01-18 09:13:52
島薗進 @Shimazono

6佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「福島のローカルメディアは、東日本大震災・原発事故以来もうすでに3年近く、何をどう伝えればいいのか、テレビも新聞も自問し続けてきた。自宅が避難指示区域にあって避難を強いられた人たちや原発から100キロ離れた会津地方の人たちを除けば」

2014-01-18 09:14:12
島薗進 @Shimazono

7佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「原発事故後も県内に住み続けることを決めた人たちの多くの心情を代弁するなら、「折り合いをつけながら住むことにした」ということかと思う」「なので事故から1年半ほどの期間は、視聴者が一番知りたい情報として、福島に住む上での「リスク」と」

2014-01-18 09:14:30
島薗進 @Shimazono

8佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「「リスクを抑えるための努力」を伝えることを心掛けた」「とはいえ、事故1年目には「リスク」や「本当に福島に住み続けて大丈夫なのか」に向き合おうとしても、専門家の意見にも大きな開きがあったように、県民の受け止め方にも大きな幅があって」

2014-01-18 09:14:44
島薗進 @Shimazono

9佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①『ジャーナリズム』「地元メディアとして言い切って伝えることなどは困難だった」「2年目も、「学校給食に県産食材」というニュースを放送すれば、母親らしい女性から「子供たちに安全かどうかわからないものを食べさせるのか」という意見が寄せられ」

2014-01-18 09:15:11
島薗進 @Shimazono

10佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①『ジャーナリズム』2014年1月 http://t.co/U8KP4DTqGE 「「県産食材の学校給食は強制するものでなく、保護者の判断で」と伝えれば、生産者から「安全を確認して出荷しているのに、農家を殺す気か」と抗議が来た」

2014-01-18 09:15:37
島薗進 @Shimazono

11佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「そして3年目、というより当初からのことではあるが、福島に住み続ける190万人余りが福島の復興に向かう、その原動力になるようにとニュースを放送することが多くなった。もちろん、「リスク」や現在の原発の状態のニュースが視聴者や読者が」

2014-01-18 09:15:58
島薗進 @Shimazono

12佐藤崇「「非日常が日常化」…福島…」①「一番知りたい情報であることには今も変わりない」「今もニュース項目の7割ほどが何かしら原発事故に関係するものが並ぶが、3年目は報道に復興支援の色合いが強まったように思う」「復興支援の色合いが強まるのは、心情的には被災地のメディアとしては」

2014-01-18 09:16:31
島薗進 @Shimazono

13佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「当然のことだろう。宮城や岩手でも同じではないかと思う。しかし、福島では、たぶん宮城や岩手以上に、厄介な課題をまた抱えることになる」「前に述べたように、福島の今が外に伝わっていない中では、福島で伝わる福島と県外海外で伝わる」

2014-01-18 09:16:50
島薗進 @Shimazono

14佐藤崇「「非日常が日常化」した福島…」①「福島との乖離がさらに拡大していく。どちらが誤解しているのか、私たちが福島県民に誤解させているのか?」「テーマの2014年の原発報道」に対して、前置きがあまりにも長くなったが、地元メディアの非力のせいもあって福島の姿が十分に伝わらない」

2014-01-18 09:17:18
島薗進 @Shimazono

15佐藤崇「「非日常が日常化」した福島から…」①「ことや。拡大するズレ、復興支援ニュースのあり方、農業や漁業の再生など、いわばこの前置きすべてが、今年の私たちの原発報道の課題であり、状況は変わっていない」。以下、「帰らない、帰れない」状況での住民同士の反目への危惧などに展開(続)

2014-01-18 09:17:39