１月２１日のエンカログまとめ

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ざ、ざ、じゃり、と砂地のグラウンドを踏み締める音がする。続いて何かに当たってボォンと跳ね返る音。

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大貴】跳ね返ってきたバスケットボールを片手で受け、ダム、ダム、と地面につく。３Pはまだなかなか決まらない。きっと、砂地だから滑るんだ、そう言い訳を考える。コンクリートのコートでやるのもいいが、足の負担がきっとそれなりにかかるだろう。

杉浦　透 @kasutado_tis

真紅】自転車へ乗って、家への道を目指している。かごには学生かばんが乗っている。薔薇型のヘッドホンから流れるのは音楽ではなく英語のリスニング。メガネはつけて居ないが、しっかり制服を着込みぱっと見は真面目そうな学生に見えるだろう

杉浦　透 @kasutado_tis

真紅】本当はこの時間に単語の１つでも覚えればいいのだが、自転車に乗っているのにこれは危ない。ヘッドホンから流れる音も本来はいけないはずだが今の時期だけは許してほしい。単語帳を見ない代わりに、ぶつくさと小さな声で流れる英文とその意味を復唱していた

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大貴】「・・・」ボールが地面にぶつかる音がする。パシ、と両手で持って息を整えてもう一度。……、……ボォン。また失敗だ。ふん、と鼻で笑う。なぜなら、兄のようにそう簡単に全てをこなすことができたら、あんまりにつまらないから。

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大貴】自分の兄を自慢するつもりはないが、顔より、スタイルよし、勉強もでき運動もできる。ただ性格には少し難あり。……まあ、総合的に見れば人に紹介しても恥ずかしくは無い兄だ。ただあまりに天才的すぎて、正直、好きにはなれない。弟だが、そう思う。

杉浦　透 @kasutado_tis

真紅】やがて、とある公園が見えてくる。少し前までなら遊んでいたがそんな様子はない。残念そうに公園の内部をじっと見て……そこにいる少年が見覚えがあり、キキ、と音を立てて自転車を止める

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】音楽プレイヤーを操作してリスニングを止め、ヘッドホンを下へずらす。「よお、こんなとこでバスケか？」ちょうどゴールが失敗したらしい彼へ声をかける。失敗したのに笑っていて、相変わらず卑屈そうだと苦笑する

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@kasutado_tis 大貴】声をかけられた。聞き覚えのある声、だが久しく聞いていなかった声。ちろりと横目で声の主を見る。「…うん、見てわかるでしょ。ミヤシタ君は？学校の帰り？」

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「おうよ、受験直前だからな」今もリスニング聞いてたとこ、と答えながら自転車をとめて彼の方へ歩み寄る。彼とはずいぶん久しぶりな気がする。一日くらい、久しい友人と談笑しても構わないだろう。→

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「なんだお前、バスケってけっこー普通なことしてたんだな。いっつもふらふら危ないことしてんのかと思ってたわ」彼の持つバスケットボールを見て笑う。学生服の袖をめくり、腰をかがめる。「よっし、どうせだから練習相手になってやるよ」

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@kasutado_tis 大貴】「ミヤシタ君受験生だっけ。…最近知り合った中学生に教えてもらっただけ。アブナイコトはいつもしてるよ」ふ、と口元に整った笑みを浮かべながら、ダンッ、とボールをつき、ドリブルをしながら宮下のほうへと走る。ゴールは彼の後ろだ。

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「おう。今中３。……へえ、大貴お前でっけぇし、スポーツ向いてるよな」と、言った後、聞こえてきた言葉に驚いて反応が少し遅れる。「っておい！！危ないことすんなってだから！！」一瞬出遅れ、慌ててボールを弾こうと手を伸ばす。だが本気ではない。→

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】手加減しているのではなく、この方向へ行くのがフェイクだった場合を考え、そうなった時瞬時に対応できるようにするため

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@kasutado_tis 大貴】ダンッとボールをうち自分の股のしたを潜らせ相手の反射神経はいかほどか、思いながらすぐさまゴールへ向かってシュートを放ってみよう。

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】右か、左か、と身構えていたが実際に来たのは…「どあっ！？」全く予想外の動き。股下にボールをくぐらせあっさりと追い抜かれてしまう。だが「させるか！」すぐさまこちらも跳び上がりボールへ手を伸ばす。ブロックには間に合わなかったがなんとか指先で触れることが出来た

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@kasutado_tis 大貴】「ん、」彼の指先がボールにかすり思っていた軌道からボールはそれ、シュートははずしてしまう。跳ね返ってきたボールを、トン、トト、と数歩大股で走って片手で受け止める。「…ミヤシタ君なかなか反射神経いいんだね」

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「まーな！しっかしお前つええなあ。絶対向いてるぞそれ」ふふん、と胸をはって得意げに笑う。よくこけるのがなあ、と周りから言われていたことは言わないでおく。「んじゃもっかいやるか？ゴール出来たらなんか奢ってやるぞ」→

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】今度は逆側にあるゴールを示し、ゴールを背に身構える。次は完全にブロックしたい

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@kasutado_tis 大貴】「…じゃぁ焼肉ね」くす、と笑う。きっと彼はむきになっている、そんな気がする。もう一度勝負、なら次は自分が勝つ。圧勝してみせる。ダン、とボールを地面についた。

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「はっ！？おいそこはもうちょっと安いもんにしろよ！！」てっきり、コンビニで何か買う程度だと思っていた。それなら何があっても負けるわけにはいかない。中学生の財布に焼き肉の奢りは重すぎる。「っ……こいよ……！」身構えて、声を低くして彼を見据える。

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】何処から来ても対応できるよう、頭の中でシミュレーションを繰り返す

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@kasutado_tis 大貴】冗談のつもりだったのだが彼は本気だと受け取ってしまったらしい。「・・・・」表情を消して、走りだす、→

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@kasutado_tis 大貴】かと思いきや、その場からシュートを放つ。スリーポイント。入る気はしない。ただ、この相手だからこそ、打ちたいと、なんとなく思った。

杉浦　透 @kasutado_tis

@M_Tstory 真紅】「なっ……！？そこから、だと……！？」初心者がそんなところから入るわけがない、と思いつつ、すぐさま前へ踏み出し跳ぶ体制へ入る。が……完全にこちらへ来る大貴を迎え撃つ体勢だったからか体が宙に浮くことはなく、盛大にこけてしまう。ボールにかすりもしなかった