- shiva_hashiwomi
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海の底って意外と暖かいんですね、組長。目の前数mすらも見えないほど真っ暗なので、サーチライトを点けました。それでも、そんなに遠くまでは見えません。果たしてこの調子で翔鶴を見つけられるのか、不安があります。四方を見渡し、暗い水中を照らしました。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 09:06:34どれくらい泳いだか分かりませんが、一向に翔鶴は見つかりません。まさか、もう沈んでしまっているのでしょうか…… そう思っていると、暗闇の中で青緑色に妖しく光るものを見つけました。初めて見るものですが、直感的にわかります。あれが、深海棲艦の根源です。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 11:29:17光は何かにまとわりつくように群がり、信号のように明滅を繰り返し、沈没する船のように下に下に動いています。あの中に翔鶴がいるのでしょうか。確かめるため、光に向かって泳ぎ、そして、光の群れの中心に探していたその姿を見ました。翔鶴は、目を瞑り沈んでいっています。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 12:55:53光の群れに飛び込み、翔鶴の腕を掴みました。光は私のことを敵か味方か計りかねているのか、近付いてきては離れてを繰り返します。奴らが惑っている隙に、振り払い、浮上を試みます。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 14:23:08翔鶴を引き上げて海面から顔を出すと、周りは一面大海原でした。辛うじて陸地を見つけることは出来ましたが、鎮守府からはかなり離れてしまったようです。よく泳げたな……帰るのは骨が折れそうなので、潜水艦二人が来てくれるのを待つほうがいいのでしょうか。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 14:43:44しかし、このまま浮かんでいても、流される一方なので、少しずつ陸地に向かうように泳いでいきます。あと見つけやすいように、対照灯も点けておきます。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 14:49:44大分陸地に近付いて、鎮守府も見えるようにってきました。これでこのまま帰り着ければいいのですが……どうにもそうはいかないようです。下の方にチラチラと光るものが見えます。ヤツらも諦めてはいなかったのです。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 15:17:51光は私諸共翔鶴を引きずり込むつもりらしく、囲い込むように広がっていきます。隙を見せれば、即座に持っていかれてしまうでしょう。さあ、どうしたものか。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 15:55:58あ、ヤバい。何かに足掴まれた。沈む。マジかよ。誰か助けに来てくんないかな。いや、勝手に飛び出した俺が悪いんだけどさ。ホント、大和、時雨、夕立……もうまるゆでも装甲空母姫でもいいからだれかたすけ #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:15:33「おい!生きてるか!?」もうダメかと9割9分9厘諦めていたところ、突然誰かに腕を掴まれ、すごい力で水中から引き上げられました。「ってうわぁ!?」そして勢いが付きすぎて腕は肩からすっぽ抜け、身体はまた水に叩きつけられました。「す、すまん!腕大丈夫か!?」 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:20:16引き上げてくれたのは、摩耶でした。「アンタ、本当に深海棲艦なんだな……びっくりしたぜ」改めて身体を抱えられて水の上に出ました。ついでに腕も受け取って、くっつけます。……そういえば翔鶴は……「翔鶴ならあっちだ。アイツがアンタらを見つけたんだ」 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:23:38摩耶が視線を向けた先には、気を失った翔鶴を抱きかかえた瑞鶴がいました。「翔鶴姉!翔鶴姉!」……君らは色さんのとこの……「ああ。そうさ。瑞鶴が翔鶴に会いたくて飛び出てったと思ったら、面倒なことになりやがってよお」あ、はい。すいません。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:30:19その後、提督は摩耶に、翔鶴は瑞鶴に運ばれ、無事に鎮守府に到着しました。何人かの艦娘には泣きながら殴られるはめになりましたが、今回ばかりは仕方ありません。騒動の発端となった翔鶴は、まだ瑞鶴の肩でぐったりとしていて、目を覚ます気配がありません。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:38:46医務室に運ばれた翔鶴は、瑞鶴に手を握られてベッドに横たわっています。妖精さんに診てもらっても、単に疲労などから気を失っているのか、身体と魂の繋がりが緩んでいるのか判断がつかないとのことでした。ただ、魂は持っていかれていないようで、その点は一安心です。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 16:59:05摩耶と瑞鶴に色さんからの連絡があり、瑞鶴は脱走の罰として翔鶴が目を覚ますまでの世話をしてくれることになりました。出撃させることは出来ませんが、姉妹艦がいることは翔鶴にとっていい影響となってくれる……はずです。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 17:48:53翔鶴の件では色々とありましたが、一段落ということで、居酒屋鳳翔でエゾテン提督から送られてきた酒を飲もう……と思ったら、提督が行った頃にはすでに全て呑まれていました。犯人たちは言わずもがなです。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 19:20:43千歳と隼鷹を叱ろうと思ったのですが、何やら今日はその二人の間に別の艦娘がいます。大和です。「あーてーとくじゃないれふかー」すでにベロンベロンです。どんだけ飲まされたんだ。「しょんらにのんれましぇんよー」卓には8つの燗が並んでいます。明らかに飲み過ぎだろ #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 19:37:17「てーとくもいっぱいどーぞ」大和。それは一升瓶だ。しかも中身もう空じゃねーか。「んあぃ?やまとのしゃけがのめないんれふかあ?」ダメだこりゃ。おい千歳に隼鷹。お前ら笑ってるが明日から掃除当番だからな。「てーとくーやまとのあいてしてくらしゃいよー」はいはい。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 20:06:31極限まで酔っ払った大和をおぶって、自室に向かいます。「てーとくーかえるんれすかー?」そうだよ。「おしゃけはー?」ないよ。「えー」諦めてもう寝なさい。「てーとくー」どうした。「てーとくー」なんだ。「てーとくー………………てーとくー…………」寝言か。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 20:38:47ほら大和。着いたぞ。「大和はまだねむく……あぁ……挟叉しました……」完全に寝てるじゃないか。布団は……敷いてありますね。一人分が。おい誰だこれ用意したのは。……枕の上に手紙があります。『気を付けてね 時雨』時雨なら許します。ええ。許しますとも。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 21:43:56時雨からの手紙の意味と、一緒においてあるこの小さな正方形のことは不問として、まずは大和を布団に放ります。「てーとくー……」どうした。また寝言か。「てーとくー……その……」なんだ。「それ……使いますか……?」おいこれ寝てるんだよな?だよな? #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 22:05:34「あの、その……てーとく、やまとでよろしければ、その、おあいてに……」それは、ほかのひとのセリフです。落ち着け。これは罠だ。考えてみれば、大和が酒を飲んでいる時点でおかしかった。年末年始の宴会でも飲まなかった大和が、なぜこのタイミングで? #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 22:24:37そう。これは仕組まれていたことだったんだ。恐らくは日向あたりがどうにかして『事実』を作って提督の弱みを握るための作戦だったんだ。「てーとく……?ダメ……ですか……?」落ち着け俺。精神はヘテロだが画は完全にレズだ。どうにかして大和を傷付けぬように脱出を…… #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 22:29:11「てーとく……やまとは……やまとは、てーとくのことを……その……」あかん。酒の勢いは怖いって前でも言われてたやんか。あかんで。「お、お……」あかん。もう逃げられんわ。 #ブルネイ泊地徒然日記
2014-01-26 22:33:22