空想の街　2014 花の目覚め・海の目覚め編

ハコ @amenohakoniwa

右手と耐熱グローブでシャーレを受け取り左手で蓋を外す。蓋を置いて窯の戸を開くと右手を窯の中まで入れ、さっと氷を硝子に落とす。氷が硝子につく前に右手を引き抜き窯の戸を閉めた瞬間、ばちばちと漏れる電光と雷音。 @ueto_rika #空想の街 #原料屋 #地下の硝子屋

十浦　圭 @ueto_rika

さっとハコが腕を引き抜くと同時に、窯の中でばちばちばちっと激しい音がした。強く大きい音で、本当ならあまり耳にいい音ではないはずなのだが、冬に硝子屋を訪れるたびにこの音を聞くのが窓也は嫌いではなかった。　@amenohakoniwa #空想の街　#原料屋　#地下の硝子屋

ハコ @amenohakoniwa

その間に大小様々の瓶と小箱がずらりと並ぶ。 「良かった。今年もちゃんと発色しそうです。ありがとうございました。これ、お代です。また来年も、よろしくお願いしますね。」 ハコがお辞儀する。彼は会釈を返すと地上に戻っていった。 @ueto_rika #空想の街 #原料屋 #地下の硝子屋

十浦　圭 @ueto_rika

机の上に並んだ瓶や小箱を眺めてハコがほっと表情を緩めた。いつもの通り、お代です、と差し出された何種類もの硝子の破片を、つづらへ仕舞う。「こちらこそ、来年もよろしく。いい春を」軽く会釈をして窓也はドアを開けた。　@amenohakoniwa #空想の街　#原料屋　#地下の硝子屋

ハコ @amenohakoniwa

海の目覚めの硝子。海呼鳴の雷が落ちた直後の光る氷を色が褪せる前に硝子に焼き付けて発色させる。一枚の板の中に万華鏡のような彩りが広がる。 #空想の街 #地下の硝子屋 http://t.co/Zb3xmAEfQB

拡大

ハコ @amenohakoniwa

@tos #空想覚書 よしじゃあ気まぐれ屋さんに行こう。

ハコ @amenohakoniwa

お店の場所も気まぐれ、メニューも気まぐれの気まぐれ屋。今日は中央区に開くと聞いてハコと時計座の店主は夕飯に連れ立った。 「こんばんは。オムライスとなんか甘いお酒、頂きたいな。」 @shino40 #空想の街 #気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座

ゆずる @yuzu5172

「いらっしゃいませ。」お次は二人のお客人。#空想の街 #気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座 @amenohakoniwa 「オムライスと甘口のカクテルですね。」オムライス。あ、もしかしてオームライスの方かしら。リンは少し迷って、オームライス作りに取り掛かる。だって中身は一緒。

ゆずる @yuzu5172

リンがオームライスを作る間に、シンがカクテルを担当する。今回はレシピから。#空想の街#気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座 @amenohakoniwa ふむ、これにするか。シンが選んだのは≪桃の初恋≫と≪朝霜の賛美歌≫。

ゆずる @yuzu5172

グラスにロックアイスと朝霜を3滴、≪桃の初恋≫は気持ち多め。それから静かにソーダを注ぐ。#空想の街 #気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座 リンのオームライスも出来たようだ。桃の香りたつそのカクテルをテーブルに置く。@amenohakoniwa 「≪ピーチ・コーラス≫です。」

ハコ @amenohakoniwa

「これこれ！」ハンツピィの宴の料理コンテストの時に食べ損ねてたオームなオムライス。躊躇わずにスプーンでざくり。おいしい〜！！ それから素敵なカクテルも。朝露の賛美歌と言う名前ですでにおじさんは感動している様子。 @shino40 #空想の街 #気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座

ゆずる @yuzu5172

「お味はいかがですか？」リンは尋ねようとしてやめた。なぜなら必要がなかったから。あんなに美味しそうに食べてくれると、こっちまで嬉しくなっちゃうよね。#空想の街 #気まぐれ屋 #地下の硝子屋 #時計座 @amenohakoniwa 気まぐれ屋の夜は陽気に更けて行く。

ハコ @amenohakoniwa

@tos #空想覚書 締めな。

ハコ @amenohakoniwa

通じ合うなんて空想の中だけのこと。 それでも。 落雷のようにとつぜん。 繋がることがある。 その意思を、その受容体を "こころ"と呼ぶのだろうか。 #空想の街 #地下の硝子屋 #時計座

ハコ @amenohakoniwa

「ハコ、お誕生日おめでとう。」 #空想の街 #地下の硝子屋 #時計座 #仕立屋 #現実の街

ハコ @amenohakoniwa

終わったー。