昨日発生していたサイトログインできない不具合は修正されております(詳細はこちら)

龍の青年と捨てられた娘【テドイア】

重音テッド×IAの物語。 龍族の青年であるテッドさんはある時たった一人でいた幼い子供を見つける。 『イア』と名乗ったその少女を引き取り、育てていくそんなお話。
0
大崎巧実(裏) @mboxtw2

龍族は高い山の上に住んでる。切り立った崖も多くて危ない所なんだけど、龍族は翼があるから特に不自由は無い。餌を取りに降りる時以外はずっと山の上で暮らしてる。 ごつごつした岩ばかりの場所で、洞窟が彼らの巣。大きな龍の身体が入る位に結構でかかったりもする。

2014-02-02 17:35:53
大崎巧実(裏) @mboxtw2

龍族は人間の姿に擬態、つか変態?する事が出来るんだけど、餌の少ない冬場くらいにしか人間にはならない。大きな龍の身体では消費する餌もまた多くて、省エネの為に人間になって暮らすのね。何故人間なのかは不明。どうしてそんな事が出来るようになったのかも、今の龍族にはわからない。

2014-02-02 17:37:20
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その日も、いつものようにテッドさんは狩りをする為に山から下りてきてた。 基本的に龍族は肉食で、熊を捕ったり鹿を取ったり、魚取ったりとかしてる。その時も仕留めた獲物を持って帰る所だった。 でも雨が降り出して、一時避難とばかりにとある社の中へと入り込むのね。

2014-02-02 17:39:05
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その社は麓にある人間の村で造られた物。神様を奉るその社にはいつも食べ物があって、餌が取れない時はそこから拝借したり、休憩したりとかに使ってた。 何を奉ってるのかまだは龍族のテッドさんにはわからないけれど、まあ便利だから。 で、雨宿りしてたら奥に人の気配がするのに気がつくのだ。

2014-02-02 17:40:37
大崎巧実(裏) @mboxtw2

寒いから火をおこして、あとちょっと餌をつまんでたらそれに釣られて奥から出てきたらしい一人の少女。 まだ凄く小さくて、そんな彼女はお腹を空かせてた。で、テッドさんは自分が食べようとしてた餌をその人間の女の子にあげるのです。 で、名前は?って聞いたら「イア」と答えるのです。

2014-02-02 17:43:35
大崎巧実(裏) @mboxtw2

それを聞いたテッドさんはビックリ。何故なら「イア」と言うのは龍族にとってとてもとても大事な名前。 人間のように神を信仰してはいないけれど、例えるなら龍にとって神様の名前。 その名前を聞いて、テッドさんはほっとけなくなるのでした。龍にとって『イア』はそれだけ大事なものなのです。

2014-02-02 17:45:18
大崎巧実(裏) @mboxtw2

迷子なのかな、って思ったテッドさんはこのまま社に置いていても、小さい子供なんて山犬なりに食べられてしまう。 大事な『イア』の名前を持つ娘をそんなふうには出来ないと、テッドさんはイアを連れて人里に降りていくんですね。 親がイアを探してるかもしれない。そう思って。

2014-02-02 17:47:34
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアを抱いて人に降りたテッドさんは、どうしてイアがそこにいたのかをその時に知るのです。 人は山の上に住む龍族を神様だと思って信仰してる。あの社は龍神様を奉るために造られた物だったのです。そして、人里では今、病が流行り、人は龍神様に救いを求めた。

2014-02-02 17:49:11
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人は『イア』を供物として神に捧げようとしたんです。まだ幼いイアを社に置き去りにして。 小さいイアは村に戻る事も出来ず、誰かが迎えに来てくれると信じてずっと待ってた。社に備えられた食べ物を食べて飢えを凌ぎ、寒さに耐えながらじっと待つ事しか出来なかった。

2014-02-02 17:50:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

捧げられた供物をテッドさんが持ってきてしまい、イアが逃げ出したんだと思った村の人は竜神の怒りを恐れて、またイアを社に連れて行こうとするのです。 当然、イアはそれをこばむけれど大人の力には敵わない。それを見たテッドさんは、俺が元の場所に戻してくるからって言ってイアを受け取るのです。

2014-02-02 17:52:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアはまた一人置いて行かれるのかと不安になるんだけど、テッドさんが大丈夫、って優しくなだめてくれるんですね。 龍にとって『イア』は大事な物。それと同じ名前を持った娘だったからこそ、生け贄に選ばれた。親はきっと、龍の守りを得てほしい、とそんな気持ちでつけただろうものだったのに。

2014-02-02 17:53:59
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうしてイアをつれてテッドさんは龍族達が住む山の上に帰ってくるのです。テッドさんの巣である洞窟にイアをつれてきたは良いものの、オスであるテッドさんは子供を育てた事がない。 そして龍族にはずっと子供が産まれなくて、若い龍族もいなく子供を見た経験もまたないのです。

2014-02-02 17:55:59
大崎巧実(裏) @mboxtw2

とりあえず、人間が食べれるものをわけてやって、寒がるイアを卵を抱くように自分の懐にいれてやって、そして眠る。そんな日々を過ごす。で、そんな暮らしは数日後、テトさんにイアが見つかるまで続くのです。 当然驚くし、なにやってんのアンタ?!って感じで怒られるのだけれど。

2014-02-02 17:58:16
大崎巧実(裏) @mboxtw2

でもお前は『イア』を捨てられるのか?!って言えばテトさんも「う゛っ」と言葉に詰まるのです。 例え人でも『イア』の名前が付いた物。かさねーずの二人は顔をつきあわせてどーしよーか、って悩むのです。 そしてイアはテトさんに引き取られる事になるのです。

2014-02-02 18:00:01
大崎巧実(裏) @mboxtw2

メスであるテトさんはテッドさんより子育ての知識がある。つかオスは餌を取り、巣を作る役目。そしてメスはオスの巣の中で子供を育てる。そんな慣習、つか習性があるのでテトさんのが良いだろうとなったんですね。 でテッドさんはイアの為にせっせと巣作りするのですがw

2014-02-02 18:01:41
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアの為に柔らかい草とか取ってきたり、イアの分の餌も取ってきたりとかつねーずの二人でイアを育てるんだけど、一つ。傷害が発生するのです。 イアたんの声が出ないんですね。村でのショックとかで声を失ってしまい、しゃべる事も笑う事も何も出来なくなってしまうのです。

2014-02-02 18:04:17
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんが聞いたイアの声は自分の名前を言った時だけ。それ以降は喋れなくなってしまい、声を聞いてない。 かさねーず達はどちらが先にイアが名前を呼んでくれるのか、と言う勝負をしたりして疑似家族みたいなものができあがるんですね。

2014-02-02 18:05:45
大崎巧実(裏) @mboxtw2

他の龍族達も、『イア』の名前を持つ娘と言う事で邪険に出来ず、かさねーず達がせっせと子育てしてるのを手伝うようになるのです。 あんまり群れると言う事を龍族はしないのだけれど、人間とはいえ久しぶりの子供と言う事もあって受け入れられていくのです。

2014-02-02 18:07:20
大崎巧実(裏) @mboxtw2

かさねーず以外の龍族は年を取ったものが大半。そして切り立った崖の上である龍族の巣に外敵が来る事はまず無い。と言う事でイアたんはすくすくと大きくなっていくんですね。 龍族達も優しくて、イアは声と笑顔も取り戻していく。ころころと良く笑うイアは更に可愛がられていくのです。

2014-02-02 18:09:23
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そうやってイアも大きくなっていって。その裏で、かさねーず達は年寄り連中に責められてる。 年寄りの多い龍族の中で唯一の若い龍であるテッドさんとテトさん。このままでは滅んでしまう龍族の為にツガイになってはどうかと言われるのです。 イアの為の疑似夫婦じゃなく本当の夫婦にって。

2014-02-02 18:11:10
大崎巧実(裏) @mboxtw2

まだイアが小さい頃はそんな事考えられない、って突っぱねてた二人だった。イアに手がかかって、その話は後にしてくれと。 でもイアが大きくなって娘になって。手も離れてきた頃だから、年寄り連中がまた騒ぎ出したんですね。一度子育てしたんだから、今度は龍の子を育てては?と。

2014-02-02 18:12:27
大崎巧実(裏) @mboxtw2

人間になれる龍族なんだから、相手が龍でなくても子供は作れる。だからテトさんは片割れじゃなくて人間の男から種をもらえばいいじゃないかって言うんだけど、人間の姿で交尾すれば孕む子供は人間になってしまい、龍の子供は産まれない。だからそれは駄目だと言われてしまうんですね。

2014-02-02 18:14:48
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんもテッドさんで、イアが可愛くて仕方なくて。綺麗に育ったイアたんに無意識下で惹かれ始めていて、それもあってテトとツガイになるのはなー、って拒否してる。 自分達しか若い龍がいないから、いつか迫られるだろうとは二人とも思っていて、本当はずっと悩んでいたのです。

2014-02-02 18:16:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

このままでは龍族は滅ぶ。今でもメスの龍が産んだ卵は大半が孵らないと言う危機的状況で。だからテトさんに物凄い期待がかけられてるんですよ。 龍族に卵を産めるメスはテトさんだけ。そして種をつけられるオスもテッドさんだけ。そうして、まわりの重圧の中、二人は決断するのです。

2014-02-02 18:19:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

どうしようか、って二人でずっとずっと悩んでて。で、出した結論は龍族の為に子供を作る事。ツガイにはならない。駄目だったらもう諦めて二人を縛らない。その条件を飲ませる代わりに、卵を産む事を決めるんです。

2014-02-02 18:22:07