《IF戦闘》ゲス対決

【強欲】アーネウス(@s_akiyui) VS 【暴食】ムロホ(@ratan_ruten)
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ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「全く……しつこいですねぇ、貴方」 軽口を叩きながらも、上手く立ち上がることが出来ない。苛立ち任せに、計十四発の弾丸を、ムロホへ向けて撃ち込んだ。

2014-02-10 02:11:00
カーデ @ratan_ruten

爆発。どうやら作戦は成功したようで、煙が上がると同時がらりとゴミが瓦解する。 あわよくば頭から落下して死んでくれはしないものかなどと思いもしたが別段そんなことはないようで黒い影がすっと消えるのを確認。 舌打ちをし、そちらにナイフを構えた瞬間。 「……ぐっ!?」

2014-02-10 23:20:36
カーデ @ratan_ruten

身体全体に重い衝撃。 腹にも脚にも肩にも残った右腕にも、合計数えられる余裕などないほどのショックが身体を突き抜けて行く。 何発も撃たれたのだと気付くのに、そうは掛からなかった。 とん、とつんのめりになりそうな身を支えようと右脚を出し……ボロリと崩れた。

2014-02-10 23:24:32
カーデ @ratan_ruten

腐り、壊死した脚は最早その機能を果たすことは不可能で。 何も支えるものもないまま頭からずさりと倒れこんだ。

2014-02-10 23:25:32
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「ふっ、ははっ……」 弾丸が切れる。引金を引けども引けども最早弾丸は出てこない。正面で、崩れゆく身体。腐り果て、自身の重さにさえ耐えられなくなったのだと気付いた瞬間、込み上げたのはどうしようもない愉悦だった。 「ははっ、あっはっはっはっはっ!!」 片手で顔を覆い、大声で笑う。

2014-02-11 00:11:04
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

空気が震え、引きつる腹筋に刺さったままのナイフが鋭い痛みを齎した。それでも笑いは止まらない。足が腐り、なす術もなく倒れたその姿の滑稽さを笑わずにはいられなかったのだ。 「はははっはははははっ!ああなんて愉快なんでしょうねぇ!!」 全身に響く痛みもどうだって良いほどにおかしかった。

2014-02-11 00:11:53
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

身体を愉悦が満たしている。心が満ちて震えている。人が腐る瞬間は、いつもそうだ。楽しくて楽しくて堪らない。 嗚呼、嗚呼!!この瞬間が欲しかった!!何よりも何よりも欲しかったのだ!! 「ああ本当に面白い!!こんなにも面白いことを私にくださったこと感謝しますよムロホさん!!」

2014-02-11 00:14:16
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

そうして笑い声を上げながら、空になったマガジンを捨て、新たな物に変えた。更に懐に隠し持っていたもう一丁の銃を取り出して、二つの銃口を倒れたムロホへと向ける。腕の痛みなど、知ったことではない。 「しかしまあ、貴方のその身体、持って帰っても役に立ちそうにないので?」

2014-02-11 00:15:03
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

もう少し綺麗なままだったら回収して実験にでも使うんですけどね、と明るく宣う。其処に浮かぶ笑みは悪徳に満ち満ちて。 「さようなら、死ね」 ——まあ、もう既に死んでるかもしれませんがね。 引き金を引いた。両方の弾丸が切れるまで、引き続けた。『腐れ』、『腐れ』。そう、嘲いながら。

2014-02-11 00:15:45
カーデ @ratan_ruten

「ええ」 声が、轟く。とても楽しそうで、とても愉快で。 きっと、心の底から楽しいんだろうななんて思って。 「僕も感謝してますよ。とても楽しかったです」 ただしただで死んであげません。呟き、最後の力で寝転ぶ。 映し出された灰の空はとても綺麗で。

2014-02-11 00:19:42
カーデ @ratan_ruten

寝転んだことで露わになった、彼の腐った腹とは真逆である。 しかし、露わになったのはムロホのボロボロの身だけではない。 それらを守るようにぐるりと巻かれた黒いか、鈍い銀の球体の数々。 夜店のようにずらりと並ぶは全て彼のお手製の爆弾。 勿論それは銃弾に刺激され。

2014-02-11 00:23:44
カーデ @ratan_ruten

「綺麗な花火を見せましょう」 破裂した。

2014-02-11 00:24:05
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

悦楽のままに銃を撃つ。弾丸は確かにムロホを捉え、全身を破壊して殺すだろう。ケラケラと笑いながら、撃ち続け。 視界が弾けた。銃が手から離れた。身体が宙を舞う感覚がした。熱が襲う。痛みが襲う。なんだ、と考える間も無く身体が叩きつけられる。そのあまりにも強い衝撃に、カハッと血を吐いて。

2014-02-11 00:57:01
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

嗚呼、爆弾か、と理解した。 「く、そ……」 息が苦しい。悪態をつく気にもならない。呼吸の度に、口から血が零れる。嗚呼鬱陶しい。骨が何箇所も折れたらしい。足が完全に動かせない。肺が潰れたような感覚がする。視界は霞み、思考が鈍る。 しかし、生きている。己は、生きている。

2014-02-11 00:58:14
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「あー……なんと、いうか……丈夫さが、役に、立った、感じ、です、か、ね……」 溜息を吐く。それだけでさえ、全身が痛い。生きていたのは良かったが、正直これは、洒落にならない。 「…これ、は…帰れそうに、ないです、ねぇ……はあ…」 なにせ、立つことはおろか、腕も満足に動かせないのだ。

2014-02-11 01:01:18
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

身体を起こす術も引きずる術もろくにない。周囲には人の気配などあるわけがないから、助けも呼べない。動く術が何処にも無い。これは、部屋に引きこもりがちのあの子がよく言う『詰み』という状況ではなかろうか。 「ああ……迎えに、来て…いただけると……あ、りがたい、んですが……ね……」

2014-02-11 01:03:21
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

はあ、とまた溜息。十分面白かったし、楽しかったが、これはいただけない。だいぶ疲れたし、妙な眠気が襲ってきた。瞼が下りそうなのを耐えようにも難しく。 「私の、ゴーマン…」 徐々に暗くなる視界。ハインリヒは少女の姿を思い描く。そして、ごほりと血を吐いて。 その瞼は、完全に閉じられた。

2014-02-11 01:03:42
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