<迷探偵ミラー:MILLAR THE DETECTIVE> Season-1: The Buried Machine(呪いのマシン)
「ベルンハルト・アイゼル。32歳。男性。住所:西ワラビー通り62番地。職業は自称発明家ですが、カルバンクラインとRaphaで下着のモデルをしていた裏を取りました」 「死因は?」 5
2014-02-10 13:54:34「透けジャーを着せられて後ろ手に縛られ、口にカルバンクラインを突っ込まれての窒息死との鑑識からの報告です」 「匂うぜ...変態の痴情の縺れがな」 7
2014-02-10 13:56:49<<迷探偵ミラー: MILLAR THE DETECTIVE>> Season-1 : The Buried Machine(呪いのマシン) 8
2014-02-10 14:02:48「所轄!」 ウィギンス警部がバーバリーの襟を立てながら指を鳴らすと、スコットランドヤードの警官、ボアッソンとサンディオが黄金の玉座を部屋に運び込んだ。 長い足をわざとらしく上げながら玉座に座り、無表情でブイサインをしつつ座るウィゴ警部。 9
2014-02-10 14:06:56(出たぜ。スコットランドヤードの懐刀。剃刀ウィゴの推理タイムだ) ボアッソンは崇拝の目で跪いた。 「目撃者は?」 「現場にはガイシャの飼い犬がいただけです」 「犬畜生じゃぁ、ものの役に立たねぇgyぉゆほh0ふぉd!」 アイゼルの愛犬フルーミーに跳び蹴りを喰らう警部。 10
2014-02-10 14:10:11「気を付けてください。フルーミーは英国英語を理解します。数年前にはマイヨジョーヌも獲った天才犬ですよ」 「そんなもんオレだって獲った事あるわっ! ...で、その犬は証言出来んのか?」 「フルーミーは英国英語を解する事は出来ますが話せません」 「役立たずめっ!」 11
2014-02-10 14:12:53「物盗りの線はどうだ?」 「大家の女将によると部屋はもともと乱雑だったそうでまだ調査中です」 「ガイシャの経済状況は?」 「チームSkyを引退してから経済的には困窮していたようです。部屋から割られた豚の貯金箱が256個発見されています」 12
2014-02-10 14:19:19「ただ、Skyの元チームメイト達に、"もうすぐ皆が驚く発明が完成するよ。これが成功したら宇都宮に引っ越すんだ"と語っていたそうです」 「その発明とは何だ?」 「設計図のキャビネットがありました。が、めぼしいものはありません」 「警部!これを見てください!」 13
2014-02-10 14:22:15「なにを見つけた?鑑識のドンブロウスキー」 「廊下の巨大なコアラ像のお腹の部分が金庫になっています。そして、金庫は破壊され、中身は空..」 「これが原因か?」 「そしてもう一つ.] ドンは眼鏡を指であげながら頬を紅葉させてウィギンス警部に報告した。 「この部屋は密室でした」 14
2014-02-10 14:26:24「消えた謎の設計図..。そして密室」 スコットランドヤードSky分署の面々が顔を見合わせている時、部屋の壁に貼られたポスターのキャプテンアメリカの目が、じっとその光景を見下ろしていた。 「うっひょーーー!またまた美味しそうな事件でげすな!さっそく兄貴にたれ込まないと!」 15
2014-02-10 14:30:02「この事件、またまたのろまなSky署を出し抜いて、このナードのザブ様と我がミラー探偵事務所が頂くでやんす!あっ、その前にTokyo Manga Storeに寄って進撃の最新刊ゲットするでげす!」 16
2014-02-10 14:33:09「密室殺人...消えた謎の設計図....」 ウィゴはニヤリと笑いながらバーバリーのコートを翻した。(現CEOの元でチャラくなってからの鋲付きモデル。黒) 「久しぶりにワクワクさせるヤマになりそうだ。ヤードに帰るぞ!それと、ボアッソン!」 「はっ」 17
2014-02-10 19:13:09「この狂犬をなんとかしろ...」 ウィゴの尻にフルーミーがセミのさなぎのように喰らいついていた。 「フルーミー!大人しくなさい!ハウス!だめ!」 18
2014-02-10 19:15:15<同時刻、ベーカー街221番地> 「クリスチャ〜ン!」 扉を空けた面長の眼鏡の男は、ベーグルを咥えてオリベッティのタイプライターを抱えながら情けない声を出した。 「その発音だと私はチャイニーズのようだな..」 「事件は?事件はないのか?クリスチャン」 19
2014-02-10 19:20:39「スコットランドヤードとのホットラインは6月の湖水地方のように静かだ。デイリーテレグラフの一面は、バスケを観戦していたベッカムがチアリーダーの尻をチラ見して嫁に羽交い締めにされているシーン、FTの一面でさえキャメロン首相のほくろ診断。世界は探偵を求めていないよ」 20
2014-02-10 19:24:14「なんだよ!ここは英国だろう?変死体とケバブが路地裏に普通に転がっている街だぜ!」 ミラーは目を見開いて訴えかける。 「ジャック・ザ・リパーの時代の話かね...」 「Raphaの社長がオレに経営権を譲って密室で変死体で見つかったとかないのか?」 「あったら容疑者はお前だよ」 21
2014-02-10 19:27:39「あぁぁぁ、オレは暇で死にそうだよ!」 「伝記の続きでも書いたらいいだろう?」 「のんきに編み物をしながらラジオを聞いているお前が羨ましいよ!」 「暇な時にこそ人間の器の違いが出るものだぞ?デイビット、チョコチップスコーンが間もなく焼き上がる。一緒にどうだ?」 「くれ!」 22
2014-02-10 19:31:35"ピンポーン" 二人「依頼人だ!!」 ザブ「なっ!なんでげすか!二人して眼を血走らせて!」 「なんだ....お前か、ザブ」 「クリスチャン、燃えないゴミの日はいつだった?」 「そんなイケずをこのザブ様にしていいと思っているんですか?今日はとっておきのネタでがすよ」 23
2014-02-10 20:25:20「クリスチャン、ザブがこの顔を最後にしたのはいつだった?」 「17日と11時間前。フーターズの無料パスとかいう紙切れをもって来た時だ」 「衛生局を呼べ。駆除しちまえ」 「事件でがすよ!それもとびきり鏡の兄貴好みの!」 「人前でペンネームで呼ぶな!」 「まて、本当か?ザブ」 24
2014-02-10 20:29:59