10/8 #同題ssBSR まとめ お題「アキアカネ」

同題ss@BSR【改】 @ddibsr_s

10/8～10/11(22:00) 今回のお題は『アキアカネ』 提案者は若本馬鈴は超高校級の桑キチさんです。ありがとうございます。#同題ssBSR

ランプリイ @Lampray555

【アキアカネ/転生瀬戸内】「元親さ、あれ、記憶あるよ絶対。本人忘れたっつってるけど。『あれらは夏を山で過ごす。里に下りてくれば秋もたけなわよ』って、虫嫌いの姫若子が何で知ってる？それより何より、口調が…」空を横切るアキアカネ。ああ、前田の言う通り。教えたわ。昔…　#同題ssBSR

くちなわちゃん @ETetSS

【忠勝】寄ってきた秋の象徴に小さく排気した｡薄い羽を震わせ朱色は彼方｡安堵した｡安堵した？ 何も斬ることのなかった機巧槍を見つめ思考する｡強さの価値をよく分かっている主は､しかし弱さの価値も知る｡｢忠勝､赤トンボだ｣この歓声は､ずっと己の背から降る｡/アキアカネ #同題ssBSR

な @nadjagaga

【親就】一面に揺れる黄金色の稲穂。「まるで海のようだな」しかし毛利はその波には目もくれず俺を凝視していた。「動くでない」囁きながら顔を近づけてくる毛利に俺は動揺した。そして次の瞬間罵倒された。「阿呆ぅ貴様の眼帯に赤とんぼが止まっておったというに！」〈アキアカネ〉 #同題ssBSR

うえち @d2oub3lock

【明智】西日の橙よりも赤い蜻蛉が空を飛び回り、空の端は群青のすそご。燃え立つ赤が空を埋め尽くす、そんな景色に胸の獣が沸き立った。「美しいですね…」隣りで訝しむ、昼の光を浴びて舞う蝶には理解できまい。溢れる生の証に、忍び寄る死の影に見惚れる感性など。/アキアカネ #同題ssBSR

イグアナくん @nkgmbs

【学バサ二兵衛】「なぜじゃ、なんで合わないんだ」それは横の鍵3番が「アカトンボ」ではないからだ。「ア」で始まる五字の別の呼称が正解なのに、合っていた縦の鍵5番を消してしまうとはね。「君はつくづく鍵に縁がない」「やかましい」大丈夫、秋の夜はまだ長い。<アキアカネ> #同題ssBSR

ヒロト @hiro_kyd

「梵天丸様、むやみに生き物を取ってはなりませぬ。」傅役は怒りではなく命を慈しむ声で押し止めた。「これを取れば罰が当たるとの言い伝えもあります。」羽を摘んだ赤蜻蛉。離せばと空へ逃げていく。右目を失う以上の罰。想像して戦慄する。もしお前が居なくなったら/アキアカネ #同題ssBSR

かんすみれ @fuhailady

【烏城】動かないで、逃げないで、どこにも行かないでね…なんて心の中で唱えながら、そっと手を延ばしてみる。黒いお城と、真っ白なお坊さんと、ひとひらの赤。見惚れた僕は捕り逃した。「どうしましたか」ああもう動かないでよ、あと少しで捕まえられたのに！【アキアカネ】 #同題ssBSR

名無し @aiueokstnhmyron

【光→濃】紅葉と秋茜と夕焼けが、烏城を紅く染め尽くす。紅を見た僧は忘れて久しい過去を思い出した。名前を失って以来、思い返すことのなかった過去を、かの女の血の色を思い出した。僧の心を唯一締め付けたあの鮮やかな赤は、空を覆い尽くす夕焼けに似ていた。<アキアカネ>#同題ssBSR

かんすみれ @fuhailady

【天海】遠いような近いような過去の、同じ虫を捕らえては羽根を千切っていた無邪気な少年を思い出す。なにもかもが嫌いなガキだった。一方でこの現は気弱な少年が捕らえた虫を再び逃がす。同じ子供でも、時の流れとは不思議なもので。ああ平穏なり、今日この頃。【アキアカネ】 #同題ssBSR

さくらでんぶ@9/14垢削除 @skdn68

(元就) 秋になり、山は赤に染まった。秋風につられたかたくさんのとんぼが空を覆う。尊き光を全身に受けている姿が恨めしくも思えた。…もしや貴様ら、我を恨む者共に憑かれたか。 いや、くだらない。自分らしくない考えに一つ首をふり、彼は踵を返した。 <アキアカネ> #同題ssBSR

あおき @rca_aoki

【左近×勝家/BSR4】「まるで秋茜だな…」朱色を着流した左近の格好を見て、勝家が言った。「…って、赤トンボ!?ちょ、酷くね!?」「…ただの例えだ」そうは言いつつも、勝家は目を反らした。手を伸ばせば逃れる蜻蛉、秋に咲いては散る命。似てなど、いない。<アキアカネ> #同題ssBSR

除菌/昼140夜120 @Ome_jk

親就/アキアカネ/「おう」「来たのか」「これ、土産」「置いておけ」会話の間も筆を止めない毛利は、俺をまるで葉先に止まった蜻蛉の如くどうでも良い風に捉えている。こいつは目に止まった虫を理由なしに叩き落とす癖があるので、いつかきっと、茜空の下、俺も殺されるのだろう。 #同題ssBSR

nol @Lakky_1o1

【孫市】 駆ける。 飛び交う銃弾の中を。 駆ける。 其処此処で挙がる狂声の合間を。 煙る硝煙の幕の上を、散り、広がり、染め上げるのは、血飛沫染めの秋茜模様。 ああ、 今、私は生きている。/アキアカネ #同題ssBSR

阿和佳＠樹海系伊達佐村民 @awaka322

【伊達佐】ぼんやりと眺めたその様が何かに似ている気がした。あァ、紅葉の途中の山にそっくりだ。頭は色付き裾はまだ緑。ならばこの心は蜻蛉のようだ。何時の間にか現れ、飛び回って簡単には捉えようがない。と思った所で橙が振り返り笑って手を伸ばす。そっと、捕まる/アキアカネ #同題ssBSR

このえ @konoe189

【親就/アキアカネ】空はすっかり秋めいて。その中を飛び回る物を幾つか見るようになった。「だぁぁっ捕まらねェ！」そして喚く鬼も。「騒ぎ立てる故捕まえられぬのよ」柵に止まっていた秋茜に近づき指を回す。それから羽を摘めば容易く手中に落ちたそれ。「みよ、簡単ではないか」 #同題ssBSR

ぷぅは褌をドロップする @puu0625

【三吉】刑部の草擦にアキアカネが止まった。朱塗りの拵えに秋の赤が目にも鮮やかだ。煩わしそうに追い払う刑部を見ていると、クツクツと笑い声が聞こえた。それが私の笑い声だったとは、暫く気付かなかった。蝶に蜻蛉か、共に捕えて飼育する大きな籠を設えねばな。【アキアカネ】 #同題ssBSR

ひかる @hikar_iks

【アキアカネ/親就】視界の端を掠める茜色に視線が取られる。泳ぐように進むそれを目で追っていると、背後から声をかけられた。「アンタでも季節を愛でるのか」視界の端でチラチラされて気が散っただけだと振り向いたら茜色に染まる鬼が立っていた。寒露も終わりに近づいている。 #同題ssBSR

千住なぎ @nagi_ddssbsr

荘厳な寺院を真っ赤に染め上げながら、炎が燃える。時折地面を揺さぶるような爆音と、更に強くなる炎の勢い。その様を眺める松永の肩に秋茜がついと止まった。「卿も、炎の色に染まったのかね」飛び去る秋茜を見送り、ゆるりと左手を掲げる。「さぁ、仕上げといこうか」/アキアカネ #同題ssBSR

しろく @srk_rs

【？と三成】時折吹く冷たい風の他に秋の便りを運ぶのは、庭を飛び回る秋茜だけだった。その内の一つが目の前で寝息を立てる男の鼻先を彩る。乱れた前髪の間から落ちる汗、常より僅かに開いた襟元。夏の名残に色めく肌にはまだ早いと、茜色を摘まみ上げ、空へ返した。/アキアカネ #同題ssBSR

白山りき@bsr用 @rikis_b

【忠家】秋風が薄野原をさわさわと揺さぶっていく。忠勝がふと持っていた槍を下げた。どうしたと訊ねれば、風に煽られた蜻蛉が誤って穂先にとまって怪我などせぬように、と。…その優しさが胸に迫る。手を伸ばし触れた身体は冷たかったが、心の中が静かに赤く染まった。<アキアカネ>#同題ssBSR

白山りき@bsr用 @rikis_b

【忠家】アキアカネの飛び交う中。美しい夕焼けが家康様の顔を赤く染める。冷たい風に触れぬよう風上に立つと、主がそっと身体に触れてきた。…あの、手の位置が丁度良かっただけなのは解っているのですが、その、其処は股間なのですが…。兜の下で思わず頬が染まった。<アキアカネ>#同題ssBSR

杜里 リュカ@水狂(ｽｲｷｮｳ)な奴。 @ryuka1735

【元親＋α】 「ガキの頃、恐くて触れなかったんよ」そう言って指先を空に伸ばす。 「貴方にも苦手な物があったのね」微笑むと紅藤色の着物の袖が風に揺れる。外はすっかり秋模様。 『アキアカネ』 #同題ssBSR

祀之 @shino_1009

【毛利】安芸の山野を、田畑の上を、多くの赤蜻蛉が飛んでいく。その色は豊作の茜。紅葉のように、熟れた果実のように、安芸の大地がその色に染まる。けして、戦火や血で染めるまい、と元就は改めて天を紅く染めている日輪に祈った。<アキアカネ> #同題ssBSR