舞鶴漣日記まとめ１２

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

昨日の液体の成分についてだが、前置きをすると、待ってましたと言うように夕張が前のめりになる。「どうします？上に報告して、大きな不正とか暴いちゃいます？それともこれで一稼ぎします？」夕張さんドラマと漫画の見過ぎ。上には報告しないし、別に稼ぎもしない。 #舞鶴漣日記

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ただあれが艦娘にどんな影響があるのか、あとは…昨日言ってた他にどういう効力を持つのかっていうのは、知りたくはある。「他に？」単にあれを少し摂取してしまった加賀と時雨のことが気になるだけだ。よろしくな。「はぁ、まぁ。ぼちぼちやりますけど」 #舞鶴漣日記

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比叡ちゃんが工廠から出て来たので、気になっていたことについて聞いてみる。前に話してた艦娘の練度についてのことだ。「練度について、ですか？」現状一番うちで練度が高く、最新の改造が施されているからな。データ保持量云々からすると、君に聞くのが一番良いかと思って。#舞鶴漣日記

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あぁそれなら、と比叡ちゃんは納得したような顔で頷く。「先日お話ししたように、私くらいの練度になれば妖精さんたちから司令にお話し出来ることの七割くらいは解りますよ」そんなに解るのか。いや、むしろそれは妖精さん側から一般人の提督に対して話せるレベルの七割ってことか。 #舞鶴漣日記

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ほぼ、っていうのは？「単に私の練度が上限まで達してないので、憶測です。が、大型建造で出来た他の…例えば『私』のコアを見た限りでは、性能に差があるようには見えませんでした」いつの間に同モデルバラしんだこいつ。比叡ちゃんの言葉に薄ら寒いものを感じながらも先を促す。 #舞鶴漣日記

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例えば、と続けようとする比叡ちゃんだが、ふとあたりを気にするように見回す。どうした。「…いえ。…続けますね。熊野さんは練度10にも満たない内に私や、夕張さんの知らない情報を提示して見せました。…鈴谷さんでもわからなかったことを、です」 #舞鶴漣日記

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最上でも、ではなく。「ええ、元々最上型の中でもあの二隻は形式が違う為、鈴谷型と呼称したこともあったそうで…詳しくはご自身でお調べ下さい」へい。それで、熊野が知っていることは鈴谷なら知っていてもおかしくないと。「その通りです——」つまり、と比叡ちゃんが小さく促す。#舞鶴漣日記

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あの液体についての情報は、あの熊野固有の記憶である可能性が高いと。そういうことか。「…司令、もう少しはっきりと仰っていいんですよ？熊野さんがどこかで仕入れた記憶に間違いない、とか」根拠のないことを断言出来る程気が大きくなくてね。「…慎重ですね、と言わせて頂きます」 #舞鶴漣日記

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まぁでも、これでひとつ確信が持てた。遅くに済まないな。ありがとう。「いえ、お役に立てたようならなによりです。…司令」なんだ、他に何かあるか。「…いえ、特には…。そうですね、あまり漣さんに心配をかけないように、とだけ」…それについては善処させてもらう。 #舞鶴漣日記

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外出から戻り、郵便受けを見ると奥の方に何か挟まっている。封筒の切れ端のようだが、勢い良く引っ張ったのか角の部分を残して千切れてしまっていた。受け取った手紙で破けているものはなかったし…ダイレクトメールかな？ #舞鶴漣日記

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上からのメール。正しくはこちらに任務を仲介するナビゲーターにあたる部署からのそれは、工廠の点検と改築についての日程を知らせるものだった。先日の加賀の件で比叡ちゃんに薦められたので、一応依頼しておいたのだった。 #舞鶴漣日記

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この日に補佐官が行きますので、外出はしないでくださいねという柔らかい文面に事務的でない体温を感じる。まぁこれを送って来てるのは艦娘のはずだが。掃除くらいはしておいて貰おうかな。#舞鶴漣日記

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出がけに赤城さんが無言でタッパーを差し出してくる。なんだ。「言わないとわからない貴方でも…ないでしょう？」ウェハースならあとで足しておくから普通に留守番してて下さい。「仕方ありませんね…今回は許してあげます」この一航戦ほんともう。 #舞鶴漣日記

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ふとよこに熱を感じて目を覚ますと、目の前に閣下が居た。猫の至近距離はゼロ距離に近いので本当にびっくりする。鼻の先が僅かに触れて、す、ぴす、と小さく鼻息に撫ぜられる。鼻が湿っていないところを見ると飯をねだりにきたのではなく、布団を占有しに来たようだった。#舞鶴漣日記

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あと少しで早い連中は起き出してくるが、最古参たる閣下の安眠を妨害することは自分には無理であります。仕方ないのであります。言い訳をしながら、閣下の鼻先を軽く爪でくすぐってやってから、再び目を閉じる。鼻先うるせぇ。#舞鶴漣日記

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そのうち閣下はぶぅぶぅ喉を鳴らしながら、改めて丸くなるとそのまま枕の半分を己の領土としたようだ。艦娘と添い寝するよりは安全だし程良く暖かい。いい気分で再び睡魔に身を任せる。ありがとう閣下。#舞鶴漣日記

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「…何、こちらも暖を取らせて貰ってるのは同じだ。礼を言うことはない」……なんだ今の。 #舞鶴漣日記

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思わず目を開けるが、そこ居るのは冬毛を膨らませて眠るグレーのデブ猫だけで執務室には誰も居ない。だのになんだ、今の声は。まさか閣下が口を利けるわけでもあるまいし、こええ。おばけなんてないさとiPhoneから適当な音楽を流しながら、三度目を閉じた。#舞鶴漣日記

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二度寝したからか、やや寝すぎた。まぁ外出予定がない時はいつもこんなものだが、比叡ちゃんのこちらを見る目が段々優しくなってきててつらい。 #舞鶴漣日記

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工廠の前で閣下を見かけたので撫でさせて頂く。以前は漣と赤城さんにしか触らせてくれなかったのに、随分と気を許しているように思う。いや気を許したからって猫が喋るのはおかしいだろ。しかもあの声結構なオッサンだったぞ。#舞鶴漣日記

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「…ご主人様、さすがに猫に話しかけてるのは見ててちょっとアレです」振り返ると漣が半笑いでこちらを見ていた。ち、ちげーし独り言だし。ところで工廠の掃除ってもう終わった？「はい、これから起こしに行くとこでした」解った、最終チェックだけすればいいかな。「お願いします」#舞鶴漣日記

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工廠に入りモニタ室、建造ドック、と順に確認して行く。確認と言っても素人の提督には危険物と私物が落ちてないかの確認しか出来ないが。棚に雑誌やノート類が放置されているのは七割比叡ちゃんのだが回収する。あとで元に戻すか本人に返せばいいだろ。 #舞鶴漣日記

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問題は開発室と解体ドックである。ここ入るの嫌だなぁとまごまごしていると、中から夕張とイムヤ達が出て来た。布巾で口元を覆って同じく布巾で髪の毛をまとめたお掃除スタイルだ。イムヤ達は水着エプロンだ。#舞鶴漣日記

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「あっ提督、おはようございます」はいおはよう、そっちは終わった？「この子達が手伝ってくれたので！最終確認だけお願いしますね」あっやっぱりそうだよな。わかりました。片付いてるから平気平気と扉を開けようとすると、イムヤ一号が口を開く。「…司令官、イムヤ達頑張ったのよ？」 #舞鶴漣日記

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…お前が口利くの随分久々だな。「…うん」解ったよ、ちゃんとやってくれたんだからちゃんと確認して褒めるよ。「じや、お願いしますねー」夕張の呑気な声に押されて、開発室の扉を開ける。 #舞鶴漣日記