舞鶴漣日記まとめ２

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

執務室の電気が壊れた。解体される直前に工廠から逃げてきた艦爆が扉を突き破ってそのまま天井に突き刺さったのだ。潰されるアルミ缶のような音を立てて鳴くそれは、生臭い油を撒き散らしてほんの数分で静かになった。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

妖精さんたちが逃がした責任をとすぐに絨毯やら机やらを綺麗にしてくれたのだが、電気系統だけは部品の発注に際して本部に予算を申請しないといけないらしく、しばらく我慢してくれと言われた。ハンドサインで。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

しかし部屋がこう暗くては部屋の出口以外の場所がおぼつかない。夜だからカーテンを閉めていたのが良くなかった。手探りで進んでいると、漣が手を引いてくれるのがわかる。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

普段は憎まれ口ばかりだが、こう言う時は優しいなぁと思っていると漣が足を止める。握られた手が冷たい。おかしい。艦娘の体温は人間のそれよりも高いはずだ。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「いやだわ提督、間違えるだなんてあんまりよ？」漣だと思っていたのは龍田だった。すまない、と謝ると 「漣ちゃんには内緒にしておいてあげるわぁ」握られた手は離れない。冷えた鉄に触れたかのように痺れ切っていて、張り付いてしまったかのようだ。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

目が覚めた。いつの間に眠ってしまっていたのだったか。酷く暑いのに冷凍庫にでもいたかのように体が強張っている。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

白湯でも飲もうと起き出すと、執務室の机に灯りが灯っていた。不機嫌そうな顔で机の下に座り込んでいるのは漣だ。どうしたそんなところでと尋ねるとますます頬を膨らませて、 「あのですね〜ご主人様？もっと危機感ってやつを持ってくれないと、漣困っちゃいます」と言う。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「ここ、なんで灯りがつけっぱか忘れてません？」そういえば執務室の入口だけは豆電球のような、小さな灯りが常に灯るようになっている。なんでだっけと聞くと漣は深いため息を吐く。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「私達が何と戦ってるかお忘れになりました？あれですよ？」と、漣が指す方向、執務室の入口を見るとそこには扉などなく、部屋を塞ぐのは深海棲艦のものと思われる残骸だった。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「鎮守府になぜ艦娘だけではなく人が必要かご存知ですか？」よくよく見れば、 漣が座っていたあたりを境に出口側はあちこち焼け焦げ、破片が散乱している。「統制の為、というのもありますが…」漣がのろのろと立ち上がると、僅かながら負傷しているのが見えた。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「鎮守府という最前線の防衛システムの起動には、基本的に人間がそこに居るというのが大前提です。居るだけで起動する地脈を利用したでっかい虫除けです」暗くて気付かなかったが机の影には天龍が大の字で倒れてすやすやと眠っているし、その隣には龍田と妙高さんも居た。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「人間相手の戦争当時なんかは英傑と呼ばれる方々がごろごろ居たもんですが、今は違います。そして、そういう人材であればせいぜい十人くらいでこの虫除けは起動するんです」立ち上がった拍子に折れた骨が人口皮を突き破って 顔を出す。慌てて手を貸そうとするが制止される。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

あぁそうか、漣の言わんとしていることがようやく理解出来た。提督になる前の経歴を明かさない奴なんてごまんといるし、そういう奴でも精神鑑定のペーパーテストで異常無しを貰えれば提督になれる。つまり自分達はほとんど使い捨てなのだと彼女は言っている。言い聞かせているのだ。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「司令部は、人間が居ることである程度の微弱な防壁が発生します。健康な、意識のある人間です。眠っているとその効果は弱まりますから」だからあの豆電球があると言うわけだ。「そうです。だからご主人様は執務室の電気設備がやられた時点で部屋を移るべきだったんですよ？」 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

危機感を持ってください、と漣は繰り返す。「ここから人間が減れば、それだけシステムに穴が空きやすくなります。他の司令部との距離は遠くないですが、ここから崩れる可能性もあるんです」 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

意識を失う間際に触れた、あの龍田の冷たい手を思い出す。あれはきっと、天龍のすぐあとに鎮守府に来た最初の龍田だった。「あれはそういう脆いところを見逃しません。保管してある艦の残骸や、あいつらの残骸だって使います」だからねご主人様、と重ねて言う。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

うんざりしたように、諦めたように。危機感を持ってくださいと。「私達だって気に入ってる寝床くらい、守りたいんですよ、ご主人様？」 解ったらさっさと執務室移設してくださいね？と、自分よりも幼いはずの彼女に叱られたような形になり、自然と正座でごめんなさいと謝っていた。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

元の執務室の復旧は無理そうだったので、ひとまず残骸を解体して使えそうな資材だけよけておくように妖精さんにお願いする。他の部屋ならば元の部屋と同じような電気設備があるので、掃除さえすれば使えると言われる。ハンドサインで。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

漣、艦これカフェに漣のメニューが無いから頭の中で漣たちが一生懸命よそってくれてるんだと思うことにしたよ！って言ったら話してる間に漣が執務室から居なくなってた。#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

執務室を移設して電気設備点検も終わって一安心と来たら実家からそちらに仕送りをしたとの連絡があった。なんだろ、酒かな。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

扶桑さんが泣きながら執務室にやってきたのでどうしたのと聞くと、明け方に寝返りを打ったらそのままベッドから落ちて中破したらしい。可哀想なのでドックの鍵を開けて朝風呂を許可する。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

加賀が赤城さんの部屋の前でじっと立ち尽くしていたので、喧嘩でもしたのかと思ったら「赤城さんが鍵持ったまま寝てしまったので部屋に入れなくて」とのこと。そういう時は執務室まで来れば合鍵出すか布団出してあげるからね？#舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

漣！漣！島風タイツ買ったら履いてくれる？！と聞いたらすっっっっっごい笑顔で首を横に降られた。ふ、普通に断わられた。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

なんか疲れがとれなくて昨日は執務室でぐったりしてた。なんか悪いものでも食べたかなと思い返すと一昨日の晩のおかずあれがいけなかったのか？なんかやたら味の濃い刺身だったけど。と言うと漣が半笑いで「あー…それ…あー」とれなくて言うし。あれの材料なんなの、ねえ。 #舞鶴漣日記

シダケイジ🏢・😺⚓️ @shi_dakg

「ご主人様、悪いことは言いませんからここでは生の魚はあまり食べないほうがいいと思いますよ？」先に言っと居て欲しかったほんと。「横須賀のお義兄様から忠告されてるかと思って」されてなかったよ漣あとごめんあとでお兄ちゃん♡って呼んでみてくれない。 #舞鶴漣日記