無名大戦:最終戦闘フェイズ 失陣営

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勇気fortitude @fortitude_nonam

「扉が開いたね。」 「見える? 彼処に《勇気(おれ)》がいるの。」 指差す先には、狭間。

2014-02-19 18:09:00
大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

「――ああ、」 始まってしまいますのね、と言葉にはせず。ただ、胸元で手を強く握り、祈るかのように目を、伏せた。姿が揺らぐ。陽炎のように。

2014-02-19 20:02:56

 
 
 

大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

色欲の声に、瞼を押し上げる。 続いて聞こえた己の名を呼ぶ声に、面を上げる。声は色欲のものでなく、誠実の。 「……フェスティ様、」 きつく手を胸元で握る。一瞬、面を伏せ掛けた。しかし軽く頭を振って、これから起こる事を見届けようと。一瞬たりとも見逃さないように、と紅茶色を滲ませて。

2014-02-19 22:26:59
大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

――顔を、覆う。見ていられなかった。覚悟を決めたのでは無かったかと、己を叱咤する。 「ウツロ、」 名を呼ぶ。口元を押さえる。漏れそうな悲鳴を飲み込んで、頭を振る。 「フェスティ様、」 押さえた口から漏れる。哀切の響きは、そこに届く事無く――

2014-02-20 22:27:41

 
 
 

レイジ @rage_noname

暫時の、沈黙と共に。 「……だから、私は肯定しましょう。あなた達の『罪』を。この戦いを」 『記憶』だ。 凄惨な戦場に、声が聞こえる。 『記憶』に、染み付いた、柔らかな、声が耳の奥で響く。 「例え、それが痛ましいものであっても、私達は『大罪』なのだから」 連想と、追憶。

2014-02-21 12:19:13
レイジ @rage_noname

そして、その『記憶』に従うなら、 「……出来れば、本当に」 各々の、『記憶』に従うのなら、 「……出来る事なら、全員で、本当にもう一度集まりたかったですけど」 青年は、そう言って、困ったように笑うのだ。

2014-02-21 12:20:42

 
 
 

大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

「――っ、」 絞り出すような声音で、半ば悲鳴と化しながらあげられたのは。 「ウツロ、」 彼の色欲の名前。手を伸ばしても届かない。呼び掛けても届かない。 「ウツロ、いいのです、動かずにどうかそのままで。だいじょうぶですから、……お願いで御座いますから……!」

2014-02-21 15:56:49
大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

今の“ティティ”に見えているのは、色欲と己の死体のみ。それもすぐ曖昧にぼやけて陽炎のように揺らめいて。 紅茶色が滲む。何を言えばいい、何も出てこない。ただただ、胸を痛ませる。 記憶が揺らぐ。“慈愛”は薄れる。吐息混じりに落ちた声。 「――ああ、」 なんて、罪なので御座いましょう。

2014-02-21 15:56:50
大罪大戦コピペbot @7thsin_cpp

己はもう美徳ではない。 此処に在るのは、博く慈しみ遍くを愛す“慈愛”ではない。 しかし落ちた音に後悔は無く。揺らぎ、曖昧となる光景に集中する。ウツロ、と何度も色欲の名を小さく零しながら。

2014-02-21 15:56:53

 
 
 

勇気fortitude @fortitude_nonam

自身の記憶を持たない俺は、皆の記憶を映して変わらない。《勇気》は《勇気》として、怯えも不安も持たず、揺るがない。 閉じた扉をもう一度見やる。その向こうを伺うことは、二度とできない。紡ぐ言葉は届かない。それでも、俺は言うんだ。 「いってらっしゃい。大丈夫、がんばって。」

2014-02-22 16:22:22
勇気fortitude @fortitude_nonam

狭間が閉じてゆく。朽ちた城と、遺された炭と灰が、崩壊とともに記憶領域(ここ)へと雪崩落ちてくる。俺はその最後の瞬間までをしかと見届けて、両手を伸ばした。 「『ああ、《誠実》も来たね。これで、』……これで、皆揃った。」 迎え入れようと、笑みを浮かべる。現世での再会と何ら変わりなく。

2014-02-22 16:22:49