11/4 #同題ssBSR まとめ お題「背中」
【二兵衛※竹中死後】「官兵衛さん、雨雲なんざ背負って不吉じゃねえかい」泥まみれの配下が首を傾げた。「お前さん知らないな? 雲の上にはいつでもお天道さんがいるんだとよ」黒田は薄く笑う。雲の上に望むは金烏でなく、淡くも峻烈な佳人であることには口を閉ざしたまま。/背中 #同題ssBSR
2013-11-08 12:52:45【佐幸】戦場で散々暴れまくって周りに誰もいなくなった所で現れた俺様の顔を見てすとんと膝をついてしまった大将に苦笑が漏れる。次の法螺の音が聞こえるまでしばらく休ませてやってもいいけど周りも警戒しなきゃなんねぇから背中合わせ、と言うと嬉しそうに凭れ掛ってきた。<背中>#同題ssBSR
2013-11-10 00:18:50【(先代←)孫いつ】可愛らしい六花柄の腹掛けは、しかし少女の戦装束。肩胛骨を浮かせ槌を引き摺る姿に過日の私が重なった。彼女が私ならば小さな背を見守る私は。「ねえちゃん!」振り返って笑う幼い戦女の頭を撫でる。あの人の手を借りて、かつての私を撫でるようだった。/背中 #同題ssBSR
2013-11-12 10:10:08【成就】蝋燭の灯火の中、抱き締めている者の背に腕を回し、抱き締め返す。指先で陣羽織の模様を優しくなぞった。熱を伝えるように、焦らすように、欲情を煽るように。その仕草は承諾の意を伝えており、すぐに自身の背にある鎧の紐が解かれる感覚が来る。秘め事の始まり/背中 #同題ssBSR
2013-11-15 16:53:45【三吉】「紀之介!紀之介ー!」泣きベソをかきながら追っていたその背中は凛々しく、私の誇りでもあった。この男の悟性は私の、豊臣の誇りだ。しかし気付けばいつの間にかその背は、小さく痩せ細った物になっていた。いつの間に私はあの背中を越してしまっていたのだろう。【背中】 #同題ssBSR
2013-11-22 03:31:31【背中:瀬戸内】「あんたは何もかも独りで背負いすぎなんだよ…」書物を読む我を背中から抱き締め長曾我部が哀しげに囁く。…解らぬのか?【領主】と云う運命。無情にならねばならぬ時、我が泣かぬからと代わりに悲しみを背負う貴様の背中に我が頼ることに。早く気付くがよい…元親 #同題ssBSR
2013-12-16 00:08:02【毛利/背中】互いに会話をするだけで嫌な気分になる相手は確かに存在する。ふ、と同期入社の同僚を横目で見やる。自分はあ奴を嫌いではない、むしろ好ましいとさえ思うのに、だ。今更何をどうしようとも思わぬが、うまくいかないものだ。こちらを向かない背中にそんな事を思う。 #同題ssBSR
2014-01-29 20:14:45