『ゴリラスレイヤー ア・カインド・オブ・ダークゴリラ』#7
これまでのあらすじ:ゴリラスレイヤーとダークゴリラの激闘。ゴリヤスの犠牲により、ダークゴリラがゴリラスレイヤーへゴリラ・キリを繰り出した瞬間。ピラーは遂に崩壊の時を迎える。
2014-02-24 16:15:13ダークゴリラは、嘗てフルーツ・ピラーの屋上であった場所に立っていた。そこへ2体の巨大ゴリラが音も無く姿をあらわす。ゴリラ運命者。最初のゴリラが残した操り人形。「しつこいぞ」ダークゴリラは言った。 1
2014-02-24 16:17:22(貴方は王となる運命)(ここで潰えてはなりませぬ)「王の贄となる運命……であろう」(そのようなことは)(そのようなことは)二体の運命者は平伏した。「知っているぞ」ダークゴリラは吐き捨てた。 2
2014-02-24 16:47:40「最初のゴリラは、己に呪われた者の肉体を依代とし蘇る事を」(……)(……)ゴリラ運命者達は黙して顔を見合わせる。そして(……愚かな)(愚かな主)(せめて始末は)(我らが終わらそう) 3
2014-02-24 16:48:57二体のゴリラ運命者達は、不思議な舞を踊りはじめた。それに呼応するかの様に、ピラーの瓦礫の下からゴリラが立ち上がる。……いや、そのゴリラ達はある者は頭部が欠け、ある者は下半身を失っている。最早生きてはいまい。 4
2014-02-24 16:49:39これぞ失われしゴリラ呪術の秘奥が一つ……動くゴリラの死体、即ちズンビーゴリラである!!ズンビーゴリラ達はダークゴリラとゴリラ運命者達を取り囲む様にして、徐々に近付いてくる。そしてその時、地面からまた一つ伸びるゴリラの腕!! 5
2014-02-24 16:50:04ズンビーゴリラではない!「ウオオオオーッ!!」高らかな咆哮と共に瓦礫をはねのけ、出現したのはゴリラに倍する、ゴリラ運命者にも伍するサイズの赤黒のギガントピテクスであった!!ゴリラスレイヤーである! 6
2014-02-24 16:51:18ゴリラスレイヤーは周囲を見渡し、この尋常ならざる事態を察した。そして、ダークゴリラと、二体の巨大ゴリラの姿を中心に見出す。(ナラク……あの巨大ゴリラ達は何だ)ゴリラスレイヤーは思わずナラクへピテクスと問いかけた。 7
2014-02-24 16:51:51(((現れおった!!)))(ナラク!?)(((ゴリラ運命者!!「最初のゴリラ」が作った操り人形共!!諸共に殺せ!こやつらもまた、命の営みを虐げる者ぞ!)))(言われずとも!)ゴリラスレイヤー・ギガントピテクスはゆっくりと前進する!! 8
2014-02-24 16:52:46(貴方を捕まえます)(危害は加えません)高速手話によりサブリミナルめいてゴリラ運命者達はダークゴリラへと語りかける。「それは出来んな」ダークゴリラはゴリラ跳躍、ゴリラ運命者、マスター・グラウエリの頭部へと飛び乗った!! 9
2014-02-24 16:53:34ダークゴリラはバナナ型刃物をその頭部へと突き立てる。『グワーッ!!』手話ではなく、思念によって悲鳴が伝わる。断末魔だ。「やはり通じるか」(……何故)「分からぬと言う事は、貴様らは所詮人形という事だ」 10
2014-02-24 16:54:28マスター・グラウエリは倒れた。だが、マスター・ゴリラはそれを意に介さず、ダークゴリラを押し潰す様に捕獲せんと試みる。しかし!!「ウッホイ!!」マスター・ゴリラは突如、ダンプカーめいた衝撃によって吹き飛ばされた。 11
2014-02-24 16:55:01ゴリラスレイヤー・ギガントピテクスである!!マスター・ゴリラは衝撃により分解!だが、滅びてはいない!!(((壊せ!!)))ナラクピテクスの叫びがニューロンに木霊する。ゴリラスレイヤーは前進し、マスター・ゴリラとの距離を詰める。 12
2014-02-24 16:55:43(ヤメ……)マスター・ゴリラは手話によって何かを伝えようとする。だが、それを聞く者は居ない。ゴリラスレイヤーも、ダークゴリラも、ズンビーゴリラ達も。ゴリラ運命者達は、全てから見放されたのだ。 13
2014-02-24 16:56:08ゴリラスレイヤーは両腕を組み、倒れ伏したマスター・ゴリラの頭部目掛けハンマーの如く振り下ろした。『グワーッ!!』マスター・ゴリラの断末魔がゴリラスレイヤーとダークゴリラのニューロンを焦がした。 14
2014-02-24 16:57:12ズンビーゴリラ達もまた、倒れ伏し、無言のまま物言わぬ屍へと還る。彼らは決して、蘇る事を望んではいなかったのだろう。ズンビーとなることは、黄泉の眠りを妨げられ、傀儡とされる事。心優しいゴリラはそれを望まぬ。それがこの術が失われた理由だった。 15
2014-02-24 17:00:22ゴリラ運命者は滅びた。……だが、其処には今だ不気味なエネルギーの塊が渦巻いている。そして今、2つの塊が合わさり、一つの姿を成そうとしていた。(申し訳ございませぬ、主様)(我らは滅びまする)そんな思念を滴らせながら。 16
2014-02-24 17:01:09『良い』超自然の声がそれに答えた。そして『時は満ちた』声は、そう言った。エネルギーの塊は一つのゴリラの姿の形を成す。それは、紛れも無くゴリラだった。体色も普通のゴリラと変わらぬ。だが神々しい気配を纏い、優しげな目をしていた。 17
2014-02-24 17:02:02これまでのあらすじ:ピラーは崩壊し、セクトは事実上潰えた。そして、謎の存在ゴリラ運命者が滅ぶ時、「最初のゴリラ」が蘇る。
2014-02-25 13:20:22「最初のゴリラ」ダークゴリラはそう言った。あれこそが、怨敵。(((「最初のゴリラ」)))「最初のゴリラ」ゴリラスレイヤーも繰り返す。あれこそが、最初にゴリラとなった者。如何なる方法を用いて蘇ったのか。それは分からぬ。 18
2014-02-25 13:22:11(((……随分と、懐かしい顔よ)))ナラクピテクスの反応は淡白であった。その思念の在処は、ゴリラスレイヤーにも掴めぬ。ナラクピテクスが殺意や怨念以外の感情を表すのは極めて稀な事であった。だが それは、寂しさに似ていた。 19
2014-02-25 13:23:32