[本編] 金剛が沈んでやけ酒してたら榛名を金剛だと思い込んだまま押し倒してしまう提督の話

13
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

お、金剛が沈んでやけ酒してたら榛名を金剛だと思い込んだまま押し倒してしまう提督の話が求められているな?

2014-03-02 21:15:49

CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「作戦完了の報告書です」 榛名は放り投げるように提督の前にファイルを置いた。 「お疲れ様。無事で何よりだ。金剛はドックか?」 「提督……ごめんなさい」 ぽたぽたと水滴がファイルの上に垂れた。 「榛名? 金剛はどうしたんだ?」 「姉さんは……沈みました」

2014-03-02 23:27:48
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「嘘だろう、おい」 榛名は俯いたまま首を振った。提督は報告書を取り上げてページを捲る。 『午前5時30分 金剛沈没』 最後のページで提督の手は止まった。 「何か、言い残していたか?」 「『武運長久を』と――ごめんなさいっ!」 榛名は逃げるように執務室から出て行った。

2014-03-02 23:34:42
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

――金剛が、沈んだ? 馬鹿な、有り得ない。 「悪い夢だ……これは」 提督は震える手で机の引き出しを開け、金剛に渡すはずだった贈り物を机の上に並べる。 書類一式と、化粧箱に入った白金の指輪。 金剛の名が記されるはずだった欄は、提督の心を写したように真っ白だった。

2014-03-02 23:45:39
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「畜生、畜生……」 何杯飲んだところで金剛は帰ってこない。それでも焼けるような感覚は気休め程度の平穏を彼に与えた。 「提督、お気持はわかりますが……」 「あぁ?」 四姉妹の中で一人残された榛名が申し訳無さそうに扉の前に立っていた。提督は鼻を鳴らして酒を更に杯に注ぐ。

2014-03-03 00:02:08
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

次に提督が盃を置くと、そこに立っていたのは榛名ではなく金剛だった。 「こ……金剛っ!」 長い髪、巫女のような服装。そして特徴的な四基の連装主砲。 「て、提督!? あのっ」 "金剛"はいつもの彼女らしからぬ動揺を見せた。 「よかった……帰ってきたんだな」

2014-03-03 00:09:37
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

提督は盃を放り出すと夢中で駆け出して"金剛"をきつく抱きしめる。 かすかな潮の香りと甘い石鹸の匂い。やわらかな肌と体温。 「提督……」 "金剛"は少し躊躇ってから提督を抱き返した。 「大丈夫、大丈夫」 「ううう、金剛……」 提督はぼろぼろ涙をこぼしながら名前を呼ぶ。

2014-03-03 00:13:21
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「はる……私は、ここにいる……ネ」 "金剛"は一言一言を噛みしめるように言葉をかけながら提督の頭を優しく撫でる。 「ひっぐ……こんごぉ……」 提督は幼子のように"金剛"の胸に顔をうずめる。悪化する戦況も枯渇する資材もどうでも良い。ただ彼女の温もりに包まれていたかった。

2014-03-03 00:18:43
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

「落ち着きましたカ?」 「あぁ、ありがとう」 提督は"金剛"を抱きしめていた両腕を緩めるとそっと唇を重ねる。 「時間と、場所を、弁えて……ヨ」 少し手戸惑った"金剛"は顔を真赤にして抗議する。 「もう11時だし、ここには私と君しかいない。弁えてるつもりだ」

2014-03-03 00:27:58
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

翌朝、目を覚ました提督の横では榛名が泣いていた。 提督は自分を呪った。昨日抱いたのは金剛ではなく、榛名だった。 薄々は気づいていたが、気付かないふりをしていた。 「……榛名は、大丈夫です。大丈夫ですから」 泣き腫らした顔でそう言い残して榛名は提督の寝室を後にした。

2014-03-03 00:34:27
CK/旧七式敢行 @CK_Ariaze

夜戦シーンとかそのうち書きます(生きてれば)

2014-03-03 00:34:48