茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1188回【今こそ、成長戦略を】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイートをお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日、新幹線に乗って行った先で考えたこと。

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いせ（１）昨日、山口県の徳山に行った。駅から歩いてすぐのところにフェリー乗り場があって、大分行きや大津島行きの表示があった。波止場の一角に、「回天」のレプリカがあった。市川海老蔵さんが主演で映画がつくられた時に、制作されたものだということだった。

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いせ（２）講演会では、山口県ということもあり、萩の松下村塾、吉田松陰のこと、なぜ長州が明治維新の原動力になったか、というような話をした。薩摩と長州が明治維新の原動力になった理由は、薩英戦争、下関戦争で列強と直接戦い、相手の実力を知ったからである。深い危機感があったのだ。

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いせ（３）今、日本は再び危機にあると言ってよいだろう。「そんな時代に、若者の反応に二種類あるのです」と私は言った。「今の日本の大学はダメだ、もっとがんばろう」という人たちと、「日本人がなぜ英語をやらなくちゃいけないんだ、日本は今のままでも素晴らしい国だ」という人たちと。

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いせ（４）講演を終え、新幹線に乗る前に、駅の土産物屋さんに行ったら、さすが地元ということで、安倍晋三首相ゆかりのお土産がいろいろ置いてあった。「アベのミックス　チップス」や、「晋ちゃんのおもてなし」といったお菓子。地元の人たちの、安倍さんに対する期待や誇りが伝わってきた。

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いせ（５）衆議院選挙、参議院選挙に勝ち、「黄金の三年間」を手にした安倍首相が、「成長戦略」から始めたのは、正しい判断だった。日本にとって何よりも必要なのは、成長である。国を守れという勇ましい人たちもいるが、その「原資」になるのが成長で、経済が不調では無い袖は振れない

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いせ（６）金融緩和、財政出動に続く、成長の「第三の矢」は何か？　このスイッチをうまく入れないと、せっかくの「黄金の三年間」を活かすことができない。この点において、アベノミクスはまだ多くの課題を抱えていると思う。日本人のマインドセットが、まだうまく方向転換できていないからである。

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いせ（７）適塾で、福沢諭吉は猛勉強をした。『福翁自伝』には、熱を出して寝ようと思ったが、枕がなかったエピソード。気づいたら、適塾に来て以来、猛勉強をして疲れては仮眠を取り、目が覚めたら猛勉強をするという有り様で（これを仮眠ぐアウトという。ウソ。）、枕を使ったことがなかった。

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いせ（８）「ビットコイン」に対する日本のメディアの反応にしても、英米系のメディアと全く違うのであって、前者が警戒主義であるのに対して後者は挑戦主義である。つまり、今の日本の主流は、明治維新で言えば、江戸幕府側のメンタリティを持っていると言うことができる。これでは成長できない。

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いせ（９）日本人が、とりわけ若者たちが、目を輝かせて猛勉強し、文明の新しい文法に関心を持ち、ビットコインでもスノーデンでもウィキリークスでも常識、という風になったら、この国は成長するだろう。現状を見ると、江戸幕府側の声がうるさいようだ。今こそ、成長戦略を。安倍さんに期待する。

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以上、連続ツイート１１８８回「今こそ、成長戦略を」でした。