リツイートは断罪行為か？

飯盛 希 @ngmrsk

じゃぽにか《悪ノリSNS「芸術は炎上だ！」》（川崎市岡本太郎美術館「第17回 岡本太郎現代芸術賞展」）、および、個展「じゃぽにかの誰でもデュシャン☆」（Gallery Barco）に寄せて。ベンヤミン「暴力批判論」から〈じゃぽにか〉を評す。以下37ツイート。

飯盛 希 @ngmrsk

〈じゃぽにか〉が、その作品やパフォーマンスで発信する〈悪ノリSNS〉とは、2013年に若者による迷惑行為がツイッター上で「拡散」「炎上」する事件が相次ぎ、いわゆる「バカッター」として注目を集めるという社会問題に着想を得た、芸術表現における新たな手法である。(1/37)

飯盛 希 @ngmrsk

今日の日本は、あきらかに不正に不寛容である。迷惑行為をSNS上に投稿してしまった若者たち、あるいは罪を犯してしまった者たちに対し、「常識的」かつ「良識的」な市民は、残酷にも、決して〈赦し〉を与えることはない。(5/37)

飯盛 希 @ngmrsk

彼らの人生が崩壊してしまうことを承知の上で、あるいは、むしろ崩壊させようと意図し、「リツイート」という、まったく気軽な方法で、断罪行為に加担するのである。私は、このように民主的な「モラル」が暴力に酷似した姿で顕現することに、いつも戦慄させられる。(6/37)

飯盛 希 @ngmrsk

〈じゃぽにか〉は、触れることが憚られる「タブー」を「オマージュ」として現前させることで、観る者を笑わせる力を発揮する。私たちは笑うことで、怒りを解きほぐし、〈赦し〉へと向かう。(7/37)

飯盛 希 @ngmrsk

すなわち〈悪ノリSNS〉は、SNSにおける「正義」の暴力性を暴露する一面をもつと同時に、それによって弾圧された「悪」を受け容れようとする、聖母的なやさしさを内包しているのである。(8/37)

大澤めぐみ @kinky12x08

不正に不寛容ってそれなにを批判したいの？

飯盛 希 @ngmrsk

京都大学の入学試験といえば、2012年に「Yahoo!知恵袋」を利用した「カンニング事件」が物議を醸した。茂木健一郎は、この問題に対して京都大学のとった対応を「大学の自治」という観点から痛烈に批判している（http://t.co/gYubmUWivN）。(11/37)

飯盛 希 @ngmrsk

その要旨は、過ちを犯してしまったとはいえ、未来ある若者を「警察に突き出す」という行為は、教育者として配慮に欠けるものだというものである。(12/37)

tairan @tairan_snksms

https://t.co/3YycZ7DOi9 東浩紀とカンニング問題 - Togetterまとめ http://t.co/jgqgyfEVp1

tairan @tairan_snksms

カンニングツイートした大学生を断罪した東浩紀先生さんの背中を思いっきりさしてると思うんですけどアート民さん

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

というか、ぶっちゃけ言うと、カンニングより、「カンニングしています」と堂々とツイートするほうがよほどやばい。大学制度への意識も、ネットへの意識も、すべてなにもかもやばい。なに考えているのだろう。

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

このひと、どうするんだろうね。大学教師は高校の担任じゃないから、こういうときは厳しいよ。少し常識知ったほうがいいね。

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

学生もなにもないでしょう。その考え方が世間を舐めているよ。大学教師は保護者じゃない。自分の発言に責任取れないならツイートするな。RT @usopyoon @hazuma 学生晒してどうするんですか。処分すりゃいいだけの話でしょう。カンニングごときでTwitterでだらだらとつぶや

東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

どういうこと？　本人が実名で、担当教授の名前を挙げてカンニングしたとツイートしていた。ぼくはそれをRTしただけ。RT @pino_quincita 東さんがその学生を「守る」義務は一切ないと私も思いますが、その学生への社会的「制裁」への道を開いたことについてはどうお思いですか。

よしだ ٩( ᐛ )و @ysd_ms

東浩紀さんの @hazuma カンニング学生発見問題で、自らカンニングを実名で告白した学生が擁護されるのに驚く。真っ当で冷静な判断だろ。愚行権には罰もセットだ。バレなきゃ罪じゃない、晒すのひどい、って人達、本気か?カンニング書き込んだ本人以外でも色々絶望的だと思う。根が深そうだ。

飯盛 希 @ngmrsk

ベンヤミン「暴力批判論」において、「教育的暴力」は法の外にあるものであり、罪を浄める「神的暴力」として行使されるという旨の記述があるが、教育という聖域において下される、ある意味で破壊的（破戒的）な暴力とは、〈赦し〉のことではないだろうか。(14/37)

飯盛 希 @ngmrsk

また、ベンヤミンは「警察」を「暴力というものの考えうる限り最も退廃した形態の証」として、忌むべき権力であると批判している。「法措定」と「法維持」の２つの暴力的機能が、オートポイエーシス的な法の構成から自由に、ないまぜになったかたちで法の余白においても働くからである。(15/37)