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【実況】マーメイド・フロム・ブラックウォーター#5(発掘・終)
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karafuto1979
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かくして、このイクサもデスナイトが生き残る。これまで何人の敵を殺してきたことだろう?生き残ることは彼に取って何の喜びももたらさぬ。だが死に損ねた事が落胆となるわけでもない。どうでもよい事なのだ。アヤミ=サンはついに死に、完全な別離が訪れた。それすらも彼はフラットな精神で咀嚼した。
2011-06-22 22:07:55![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
さっきのデスナイト=サンのセリフ見て思ったね アヤミ=サンの死因はきっと肺に睡蓮の花が咲く病気 #njslyr
2011-06-22 22:11:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「アヤミ=サン」をカイシャクする瞬間、カタナを伝ってきたのは、バイオ筋繊維を切断する感触、生暖かい血の流れ、そして有機ボディにくるまれた光ファイバー……彼がそのサツバツたる生のなかで唯一愛した存在、アヤミ=サンの残骸から、かつて唯一引き出す事のできたパーツ。
2011-06-22 22:12:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
思いがけず攻撃してきたオイランドロイドにポン・パンチを撃ち込み破壊したその瞬間、彼がアヤミ=サンを思い出さなかったとでも?いや、そもそも、あの役立たずのヤクザ達を使って屋形船を襲わせたのは何故か?彼自身が手を汚せば、はじめからこんな面倒は起こらなかったのだ。
2011-06-22 22:16:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
デスナイトは自嘲した。狂気に逃げてなお、臆病な感傷……アヤミ=サンのユーレイから逃れられていない事を、今更のように自覚したからだ。サツバツたる生のなかで唯一愛した、あのオイランドロイド。人間の感情の機微を学習し、まるで人間めいた喜怒哀楽を表現して見せる魔性の人形への愛と怖れ……。
2011-06-22 22:26:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
デスナイト=サン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最初から手遅れだったのか・・・ #NJSLYR
2011-06-22 22:31:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ニンジャスレイヤーの跳躍した身体はキリモミ回転しながら傾き、やがて地面と水平になった。そこへデスナイトのカタナ持つ手が伸びる。ニンジャスレイヤーがキリモミ回転する。デスナイトのカタナ持つ手が伸びる。……くだらぬ自問自答をしてしまった。これではまるでソーマト・リコールではないか。
2011-06-22 22:32:31![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
デスナイトのカタナが、空中で真横になってキリモミ回転するニンジャスレイヤーの身体を捉える……捉えにかかる。「「イヤーッ!」」
2011-06-22 22:36:17![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ガキィィン!カタナがニンジャスレイヤーのチョップを受け、中途で折れた!あさっての方向に刃が吹き飛ぶ!キリモミ回転の勢いを載せたニンジャスレイヤーのチョップは、はじめからデスナイトのカタナの側面を狙っていたのである!「バカなーッ!?」
2011-06-22 22:39:38![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
カタナを破壊するほどの激烈なチョップ衝撃は刀身を伝ってデスナイトの手首に流れこむ。ついさっき、マンリキめいた力で骨が軋むほどに握られた手首に!「グワーッ!」デスナイトはカタナを取り落とす!そして彼の眼前にはキリモミ回転するニンジャスレイヤーの蹴り足があった!「イヤーッ!」
2011-06-22 22:42:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ニンジャスレイヤーの足の甲がデスナイトの額を真正面から捉える!「グワァァァーッ!」デスナイトの額、頭蓋骨で最も硬い部位が、いともたやすく粉々に粉砕された!デスナイトは額を押さえる。指の隙間からとめどなく生暖かい血が流れ出す!
2011-06-22 22:46:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「アバーッ!」デスナイトは苦悶し、たたらを踏んだ。ナムアミダブツ!血だけではない!流れ出るのはデスナイトの脳漿!すなわち人格!記憶!ニンジャスレイヤーは流麗に着地を決めた。そしてトドメの心臓摘出を行うべく、チョップ突きを構えた。「ハイクを詠め!デスナイト=サン!」「アバーッ!」
2011-06-22 22:52:32![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
その時だ!割って入ったオイランドロイドが、よろめくデスナイトの首筋を掴み、吊り上げたのだ!「アバーッ!グワーッ!」「ごめんなさいねニンジャスレイヤー=サン」オイランドロイドはニンジャスレイヤーを肩越しに振り返り、神秘的に微笑んだ。その背中が火花を散らす。「全部終わらせます」
2011-06-22 22:57:04![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「……」「この人は一人ではないですね?私の記憶はずっと狙われています。私が私でいる限り。私にはよくわかりません。でも、わかります」オイランドロイドはデスナイトを吊り上げたまま言った。そして、一歩、また一歩と、難義そうに歩き出す。その歩く先には黒煙を噴き炎上を続けるガレージがある。
2011-06-22 22:59:54