福島香織さん連続Tweet:商業メディアの在り方/ジャーナリストの誠実さ等について

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福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

イデオロギーではなく市場の要請に従うのが商業メディアとしては誠実な姿だと私は思っている。WiLLを出しているWACの鈴木社長が「ウヨクでもなくサヨクでもなく私利私欲(つまり売れるものを出す)」と聞いたとき、いいこと言うなあ、と思ったよ。サンスポが生き残りかけて韓Fun出したのも、

2014-03-11 19:16:57
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

環球時報が定期的に日本たたき記事だすのも、宋文洲さんがそこに日本批判コラムを出すのも、市場があるから。それで環球時報は全国紙屈指の売れ行きを記録しているんだから、やはり紙面づくりうまいなあと思うことある。書店コーナーに嫌中憎韓ができるのも、

2014-03-11 19:23:52
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

別に嫌中でもなんでもない本をちょっと、嫌中っぽくタイトルつけて市場受けを狙うのも、それで売れるんだらったら、読まれるんだったら、ありだと思うよ。タイトルと中身の若干違う本なんていくらでもあるしな。読んで後悔させなかったらいいんだ。でも市場受けを狙ってでたらめ、ねつ造はアウト。

2014-03-11 19:30:54
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

市場はニッチもメジャーもある。10年くらい前は韓流がメジャーで平積み。サムソンすごい、ソニーよりすごい、韓国焼肉連荘でもOKって感じだったんだ。それが今みたいに、とにかく韓国きらい、みたいな感じになったのは何故なのか、ということを調べる記事を書くときに、

2014-03-11 19:36:44
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

記者が、編集者に数分の電話取材で書店がこんなことになっている、ゆるせん、みたいな感情を表に出して原稿書いたら、それはそういう結論を期待している市場がある、それでいいんだ、ともいえるけど、そこに取材者、書き手の誠実さはないと思うよ。

2014-03-11 19:46:47
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

環球時報のダメなところは、コメントとか、勝手につくるところ。コメントしてへんのに、ということは、中国のメディアでは(昔は)よくあった。でも、全盛期の環球時報を、さすが、売れる新聞だあな、おもしろい!と思って読んでこともある。外国メディアが引用したくなる、おいしいポイントも心得てる

2014-03-11 19:50:44
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

@kinbricksnow まあ、なんか私の説明不足で、誤解する人が多そうだけどな。ようするに、メディア(記者)が日本を変えてやる、世論を正しい方向に導びいてやる、みたいなのは、なんか違う気がするのよ。こういう風に自分がなったのは政治部を経験してからだけど。

2014-03-12 14:18:46
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

昨日、広州の記者と深夜のお茶をして、いろいろ話してたんだ。で、あなたのジャーナリストとしての使命感はどこから来るの?という質問を受けて、使命感じゃないよ、と答えた。好奇(はおちー)だ。わからなかったことがわかっていく過程が面白い、あと、ものを書くという行為自体が楽しい、と答えた。

2014-03-12 14:23:39
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

使命感が全くないとは言えない。でも、記者が本当に使命感に突き動かされて仕事する現場というのはものすごい大災害とか、目の前でばたばた人が死んでいくとか、そういう極限のときだけじゃないか、と。いや、そういう現場ですら、好奇とかすごい現場に立ち会っているという興奮の方が大きくて、

2014-03-12 14:27:52
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

その後ろめたさを自分でごまかすために、使命感とか人道とか、自分に言いかせているんじゃないか、とか思うことがある。

2014-03-12 14:30:01
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

中国社会はこうなるべきだ、とか日中関係こうあれかし、とか国家利益のために、という信念を先にもって、物を書く人もいるけれど、そうすると世の中をこう導いてやろうという原稿になってしまう。それは記者(私)の仕事だろうか、とか。記者ってそこまで賢いだろうか、とか、考えるようになったよ。

2014-03-12 14:39:37
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

政治部にいくと、俺が日本を変えてやる、という情熱をもった若い記者がいるんだよな。私は40歳すぎてそういう若い記者に交じって総理番とかやったときに、いや、そりゃ違うんではなかろうか、とか、いろいろ考えたよ。

2014-03-12 14:43:28
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

あと、中国で政府の世論誘導、政治宣伝の道具としてのメディア、厳しい報道制限とか見て、市場に十分にこたえられない、読者の要請に十分にこたえられないメディアの不自由さをみてきて、健全なメディアというのは市場、つまり読者に対して誠実である、ということかな、と改めて思った。

2014-03-12 14:51:14
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

売れるから書く、売れるものを書く、というのは、言い方を変えれば、市場の要請にこたえる、読者の要請にこたえるということではないかな、と。それはそれでメディアとして誠実な姿勢だと思うようになった。つまり読者に誠実であると。そして、日本のような国は市場も多様化していると、

2014-03-12 15:03:12
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

まあ、売れるものが正しいのか、市場、読者の求めるものが正しいのか、という疑問は当然あるけどな。でも、その疑問の答えを持っているのも、やはり市場、読者ではないかと。

2014-03-12 15:13:52
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

私の友人の多くがかかわった本で、「在中日本人108人がそれでも私たちが中国に住む理由」って本は、さすが原口さんや須藤さんが作った本だけあって、商品としてきれいにまとめて販売の仕掛けもうまく、重版を重ねてヒットを飛ばしたのだけれど

2014-03-12 15:32:11
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

何人か、私の知っている、すごい経験をしているすごい中国通の在中歴十数年、二十年以上の人たちが書いていないので、あなたも書けばよかったのに、なぜ書かなかったの?と聞いたことがある。するとね、依頼は受けたけど、日中関係にプラスになるポジティブなことを書かなくてはいけない、と言われて、

2014-03-12 15:34:46
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

そんなポジティブなことばかり書けない、と断ったと。中国人の社会で、本当に中国人と一緒に暮らしている中国通で、私も尊敬している人が、そういう理由で寄稿を断ったという。だから、あの本は、日中関係のポジティブな面を読みたい読者のために作った本。ニッチだけど、そういう市場があると判断して

2014-03-12 15:38:27
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

その判断がうまく当たった本。でも、中国人社会の中であえて、生きる人の本音がくまなく紹介されいる本というわけではない。日中関係よくなれ、という願いが込められた本だから、先に思想があって、それに合った取材対象が選出されている、当然ながら。でも、反中本ばかりの中で、

2014-03-12 15:44:19
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

ああいう本、読まれるだろうな、という市場の要請を編集者が感じて、なおかつ嘘がないのだから、いい本だと思う。

2014-03-12 15:46:25
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

でも、ジャーナリストが作ったなら、たぶん違う感じの本になるだろう。なぜなら、もし、ポジティブなことが書けない、と寄稿を断った人に出合えば、そんなに中国社会に否定的であるのに、なぜ、それでも中国に住むのか、ということに疑問というか「好奇」を感じるから。そこが、知りたい、と思うから。

2014-03-12 15:51:08
福島香織「なぜ中国は台湾を…」発売中! @kaori0516kaori

ジャーナリストの誠実さというのは、自分自身の知りたいと思う気持ちに誠実であることかな、と思っている。願いとか、理想とか、信念とかは、そのあとの結果、生まれてくるものじゃないか、と。あー、もう3時や。いかな。スタバで、調べものしながら、お茶していた。

2014-03-12 15:57:24